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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

すっきりとゴタゴタ(サンタ・マリア・アッスンタ教会-ボミナコ、その1)

アブルッツォ週末ロマネスク修行(2018年11月)、その8

前回のカラマニコ・テルメの後、スマホで手早く調べて、近所の村のレストランを目指したのですが、思いっきりクローズでした。仕方なく、次の目的地と決めたカペストラーノCapestranoという村を目指し、道中に見つけたしょぼいバールで、超簡単なランチとトイレ休憩をして、道を続けたのですが、なぜか全然たどり着けず…。
まぁ、道に迷うのは、私にとってはお約束なんで、驚くことでもないのですが、この時は、行ったりきたり、通りすがりの人に何度も尋ねたのに、らちが明かず、という状態で、結構まいりましたよ。

こういうのも、どこで方針を切り替えるのか、決め時が難しいところもあります。執着しすぎると、時間の無駄にもなりますしね。
この旅は、11月初頭で、すでに夏時間が終わっていますから、日暮れも早く、午後になってくると時間との戦いが始まります。そのため、おそらくかなり近くにいたことは間違いないのですが、そして、1時間近くもうろうろしていたと思うのですが、気持ちを切り替えて、目的を変えました。

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そう、カペストラーノを通過して、その先のボミナコBominacoという村に向かいました。結果的には、非常にラッキーでした。
とはいえ、到着した時は、ラッキーどころか、一体何が起こっているの?という状態で、一瞬途方に暮れました。
というのも、教会のある開けたスペースにある広大な駐車場が、なぜかキャンピングカーでいっぱいになっている上に、奥の方から、キャンピングカーがキャラバン状態で、数珠つなぎで下ってくるんですよ。

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非常なカオスでしたが、なんとか駐車スペースを見つけ、この草地の奥の方にある教会へ、徒歩でアクセスしました。
バス停みたいなところに、にゃんこがバス待ちしている様子だったので、笑、撮影などしながら、とてものんびりとしていたんです。

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ここの状況はよくわからなかったのですが、まず手前に、小さな礼拝堂がありました。

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閉まっているなあ、と思いつつ、先を行くと、このちょっと先に鉄柵があるんです。でも開いていたので、そこを進むと、この後陣。

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これが目的の教会に違いないと思ったら、こちらに来る人たちがいます。教会は開いているのか聞くと、そのうちの一人の女性が、鍵番さんだったんです。他二名は見学者で、見学を終えて、降りてきたところだったのですね。
それなら、行きましょう、ということで、他二名の見学者は帰られて、私は鍵番さんと二人で、教会へ。
その時自分がいかにラッキーだったかわかったんですが、その時点で、教会のオープン時間が、すでに過ぎていたんですよ。彼女が、時間過ぎてますけど、せっかくだからお見せします、と言ってくださったので…。

後から自分のノートを確認したら、ちゃんと調べてありましたよ。それも、開いている時間であっても、おそらく鍵番さんに電話して、鍵を持ってきてもらうシステムらしかったのです。だから、ダブルでラッキーということだったのですね。
カペストラーノで、あとちょっとでも迷っていたら、もうアウトだったので、決断は重要だと、つくづく思ったことでした。

改めて。

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ボミナコBominacoのサンタ・マリア・アッスンタ教会Chiesa di Santa Maria Assuntaです(毎日9-12:30/14-16。鍵番は近所の住人がやっており、扉に電話番号の記載あり。わたしが調べたときは、Doraさん0862-93765及びChiaraさん0862-93764でしたが、これはその時々で変わっていると思います。原現地で購入した本でも、他の方の電話が記載されていました。今ではプライバシーがうるさいですから、どうなんでしょうか)。

ちなみに、先ほど通り過ぎた礼拝堂的な建物との位置関係は、こんな様子になっています。

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左端の方に駐車場があって、草地のようなところを歩いて、最初にアクセスするのが、サン・ペッレグリーノ礼拝堂Oratorio di San Pellegrinoとなり、教会へは、後陣側からぐるりと回りこむようにして、アクセスします。
赤く印をつけたところに鉄柵があり、閉まっていると、おそらく後陣の一部が見える程度で、ファサード側にも近寄れないようになっています。
また、礼拝堂の方も鉄柵が囲まれており、こちらも鍵番さんなしで開けているとは思えません。

最初の方に書いたかもしれませんが、この時の旅で訪ねた教会の多くが、鍵を頼まないと入れないシステムでした。アブルッツォって、観光的には地味だし、教会なども、ミサ以外は、訪ねる人も少ないからだと思いますけれども、鍵の手配は結構厄介な気持ちでした。
というのも、個人の車での旅だし、事前にこの日の何時に行く、とは決めにくいわけですから、情報は調べるだけ調べて、もちろん事前に電話で切るところはしてみたりはしたのですが、最終的には行き当たりばったりにならざると得ない状態で行ったので、どれだけ訪問できるんだろう、と危惧していました。結果的には、ほとんどが、こういう地元の人たちの管理であり、電話すれば快く来てくださるため、思った以上の訪問ができたんですよ。

教区教会、つまり、大きな町の教会が集中管理したり、また役場が管理したりで、電話一本で鍵が見つかることも、どんどん少なくなっているのが、イタリアのみならず、フランスやスペインでも現実と思います。そういう中で、今でも近所の人たちがカギを管理していることも含めて、田舎の良さ全開、というのが、このアブルッツォの魅力でもあります。

前置き、長い…。
実際の見学は、時間の関係で、超急ぎ足だったんですけどね、笑。

外側は、ほとんど駆け足撮影会でしたが、改めて見てみます。
上の写真で分かるように、全体にさっぱりしていますが、それなりに彫り物装飾はあるんです。
まず、扉上のアーキボルトとアーキトレーブです。

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非常に装飾的な浅浮彫がずらりと並べられています。植物文様ずらずらの中に、いきなりソロ・ライオンちゃんって、珍しいように思います。全体の装飾性は、この後訪ねる他の教会とも共通するテイストがあるので、他のアイテムも含め、アブルッツォのロマネスクの典型でもあるのかな。
典型っていうか、おそらくですが、ある程度限定的な数の石工さんや工房が、この地域を回っていたということになるのではないでしょうかね。

植物文様は、ちょっとロンゴバルドのテイストまで感じられて、私は好きなやつです。
ファサードに向かって左、つまり、後陣が東向きなら北側の壁になる部分にも、小さな扉があるのですが、そこの装飾も、ファサードとテイストは同じで、かなりのっぺらぼうの壁の中に、やはり彫り物があります。

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アーキボルトがお花です。そして、上の方のが、またかわいらしいんです。

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繊細な植物モチーフで、そんでもって〆は動物ですよ。しっぽがつるにつながっているという可愛さ。植物と動物たちとのコラボ、カザウリアでもカラマニコ・テルメでも同様でしたよね。

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いわゆる、ぶさかわいい、というカテゴリーですかね、笑。顔をしかめてるというのか、攻撃的になっているというのか、それでも可愛さ全開。そして、おしっぽと植物つるの結びが、なんか蝶結びみたいのあって、これまたやられるわ~。

植物モチーフも、オリジナリティ高くて、なんだか楽しいんです。数は少ないし、ここもまた落書き的に、なんか考えてやってるのか、思い付きで彫ったものを飾っちゃったのか分からない感じにはめこまれているのも含めてね。
下のは、やはり北壁の、上の方にある開口部の部分です。蕨満開的な。

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なぜか、南壁の方には、何もないのです。もしかして方角違う?と思いましたが、後陣は、ちゃんと東向きのようです。

後は、後陣の開口部周囲に、素敵な浮彫があります。

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ここも、全体はすっきり無装飾に見えるタイプですよね。でも、開口部まわりの浅浮彫は、相当凝っています。

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全体のっぺりだし、浅い彫りだから、遠目にはほとんど見えないと思うんだけど、細かいし、かなりごちゃごちゃしていますよね。
この時は、いつにもまして駆け足見学でしたから、望遠鏡で見るなどという余裕もなく、今ちゃんと見ているような状況なんですが、ほら、上の方には、お顔と変なやせたツチノコみたいのまでいますよ。

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こちらと。

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こちらは、文字まで入ってますね。

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ちゃんと形がなっているから、文字もオリジナルなんでしょうねぇ。
こんなにはっきり書いてあるのに、なんと書いてあるか分からないんですよ、私ときたら。情けないわねぇ。Virginiは見えますが、聖母のことかな。
解説には非常に簡単に書いてありましたが、被昇天の聖母を寿ぐ言葉が書いてあるようです。教会がささげられていますもんね、被昇天のマリア様に。

華やかな植物モチーフの中に、またぶさかわ系が!と思ったら、ぶさかわというより双頭の怖いタイプかも。

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いや、双頭のくせにウサミミだし、やっぱりかわいいやつでした。

次回、入場します。

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  1. 2021/10/26(火) 17:02:10|
  2. アブルッツォ・ロマネスク
  3. | コメント:0
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