アブルッツォ週末ロマネスク修行(2018年11月)、その32
時間つぶしを終えて、もともと目指していた教会に戻ります。
前回書いたように、この教会、林の中にすっぽりと隠れているので、目的的に行かないとたどり着けないんです。
正確に住所がないので、カーナビではたどり着けず、おそらくスマホもつかったとは思うんです。それでも、国道から林に入る道に相当迷い、やっとうまい具合に入れて、そうするとね、駐車場があるんですよ。

駐車場たって、林をちょっと切り開いて、砂利で整備しただけのスペースで、そこまでは、前日にもたどり着いたんですよ。
でも、そこから、上の写真の表示が見えなかったんですよね。
見えたからって、こんな砂利の細道を、車で進む勇気はなく、それに人っ子一人いないところで、距離がどの程度あるか分からない状態で、一人で歩く気にはなれなかったんです。
この時、絶対に教会来たことあるはずのインスタ仲間の人に、なんで聞かなかったかなぁ、と今更あきれています。だって本当に悩んだんですもん。
見学の時は、思い切って車を降りて、この小道を行くことほんの1、2分で教会につきまして…。そういうこと、ちょっと書いといてくれると、本当に助かるんですけどねぇ。

こんな林、怖いですよね?
すぐ近くに、水量豊富で美しい川も流れています。これはおそらく、前に記事にしたブッシ・スル・ティリーノの村の由来にもなっているティリーノ川ということでしょう。

そして、また駐車場的なある程度整備されたスペースが広がり、鉄柵の向こうに見えてきます。というか、ドドン!と見えます。

カペストラーノCapestranoのサン・ピエトロ・アド・オラトリウム修道院教会Abbazia di San Pietro ad Oratoriumです。
わたしが訪ねた2018年11月の時点では、アンジェロさんという年配の方が鍵番で、現地にもその方の名前と携帯番号が記されていました。この時何度も電話をしたのは、そのアンジェロさんです。でも、今回検索したところ、カペストラーノの観光局とアポすることとありましたので、市の管轄と変更したようです。
市の管轄となると、おそらく決まった条件でしか開けなくなると思うので、というのも、ここはカペストラーノからはかなり離れた孤立した場所にありますから、見学者一人のために、わざわざ市の職員が出張ってくれるとは思えないですからねぇ。今となっては、ラッキーな時に訪ねたかもしれません。
当時の鍵番のアンジェロさん、ちょっと面白かったですよ。
予約するのに14時過ぎに電話した時、午後は15時半からだから、15時半にもう一度電話しろ、と言われたので、悪いかと思いつつ15時25分に電話したら、分かった、すぐ行く、と結局10分ほどで登場。
遠くからバタバタガタガタとうるさい音がしたと思ったら、アぺでした。

アぺって、イタリアの誇る?三輪車なんですが、ご存じでしょうか。日本で言ったら、ホンダのカブみたいなもんですかね?50CCなので、原付免許で乗れて、上部で小回りが利くので、今でも現役。モトGPのヴァレンティ―ノ・ロッシが、高校生の時、アぺに乗ってたのは有名ですよね。
あ、脱線著しいですね。
今更ですが、今回は思いっきり脱線話です。
でね、アンジェロさん、アぺ降りるなり、「ガソリンが切れそうなんだよ、帰宅まで持つかね。まったくなんて土地だよ、ガソリン入れるのにガソリンをたっぷり使って走らにゃならんなんで、なんかの策略かよ!」と、愚痴満載マシンガン・トーク…。

移動しながら、身の上話まで始まります。
なんでもこの方、ベネズエラで長年移民生活を送ってらして、2004年に帰国されて息子たちは、今でもベネズエラで生活されているという、「人に歴史あり」系の方。イタリアでは、かすかな年金なのか生活保護なのかもらって生活しているような話で、でもベネズエラも大変だからご家族に仕送りなどしているような。そんな生活をしているので、車の免許もなくて、アぺしか乗れないとか。
イタリアも、かつては貧しい国でしたから、南部や、この自然の厳しい中部地域からの移民多かったのですよね。確かマドンナの親がアブルッツォ出身じゃなかったですっけ?昔、同僚にチッコーネというおじさんがいて、実はマドンナと遠い親戚筋に当たると言っていました。
これまた、どうでもいいですね、笑。
移民政策への愚痴も、相当言ってました。
日本でも、サント・ドミンゴの移民は棄民政策だったとか、色々あるじゃないですか。イタリアも、きっと似たようなひどい話が沢山あったのだと思います。そういう歴史を、実際に生きてこられた方、教会見学の、それも時間が不足している旅でなければ、じっくりお話を伺ってみたいような気持にもなりました。
でも、残念ながら、そういうわけにいかず、彼の愚痴を背中で聞き流しながら、見学にいそしみました。
アンジェロさんは、そういう方なので、鍵番も、おそらくかすかな収入のためになさっていたと思います。ここに来るまで、ランチでお金を崩しておいたので、大正解でした。
というわけで、今、解説を読んでいますので、乞うご期待。
っていうほどのことは書けませんが、ここ盛沢山なんでね。
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イタリアぼっち日記
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- 2022/03/22(火) 12:10:24|
- アブルッツォ・ロマネスク
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