アブルッツォ週末ロマネスク修行(2018年11月)、その50
グアルディア・ヴォマーノが、予想外に開いていたこともあり、予定より早い時間に見学を終えることが出来たので、端折るつもりだった近所の教会にも立ち寄ることにしました。

プロペッツァーノPropezzanoのサンタ・マリア修道院教会Abbazie Santa Mariaです。プロペッツァーノは、グアルディア・ヴォマーノから東方面に10分ほど走った村で、修道院は、その郊外の丘の上に、ポツンと立っている様子だったと記憶しています。

ちょっとグーグルから写真をお借りしました。
そんな何もないところなんですけどね、こうやって、結構車が行きかっている不思議な場所で、なんと教会の道を隔てたお隣に、バールまであるんですよね。
周辺に町村が点在しているし、ちょうどあちこちへの道が交差しているとかそういう場所になるんでしょうかね。そして、周辺にはバールなどもほとんどないから、トイレ休憩的にも重要だったりするのかな。
で、嬉しいことに、このバール、開いていたんですよね。
なぜ嬉しかったかというと、以前にも言及した、地元のインスタ友達に、あそこの教会はいつも閉まっているけど、鍵は隣のバールにあるからって教えてもらっていたからなんです。
そのため、大満足で意気揚々とバールに飛び込んだわけですが、1秒で玉砕…。
というのも、もはや鍵は預かっておらず、教会の扉口に電話番号があるから、そこに電話してください、ということだったんです。
天国から地獄、大げさですけどね。

というわけで、上がその番号です。訪問したい人は、夏季に電話すること、と書いてあり、左が固定電話、右が携帯電話の番号となります。
この日は夕方にミラノに戻るスケジュールであり、もう一か所、ちょっと離れた教会に立ちよる予定にしていたこと、鍵にかかる時間が読めないことから、私は、結局あきらめてしまったので、今後どなたかがトライしてくださることを期待して、あげておきます。
教会の起源は古く、8世紀とされているようです。その頃の教会の名残が、ファサードのところどころにはめ込まれた装飾的な浮彫のようです。
ファサードから一部突き出す感じで、ポルティコがあり、この辺りにちょっと古い名残が見られます。

ポルティコの中に扉があり、その周辺は、14世紀風のフレスコ画がいくつか残っていますが、その下に、おそらく古い時代の浮彫が、縁取り装飾に使われていたりします。

ここ、多分暗かったんで、仕方なくフラッシュをたいたんじゃないのかな。見えにくい写真ですみません。今ならヘッドライトなど装備も万全ですが、当時はそういうアイテム持ってなかったからねぇ。
他にはないのか、と、目を皿のようにして、文字通りなめるように探したら、ポルティコの上の方にも発見。

分かりますかね?
下の、おそらく後代に開けられた丸窓の両脇に、こっそりと変な形の子たちが向き合っていましたよ。
左側の子。

そして右側の子。

シンプルだけど、味がある彫りです。サン・リベラトーレのアーキトレーブにも、ちょっと通じるものがあるかも?
それにしても、もともとはどこに置かれていた子たちなんでしょうね。絶対こんなとこじゃないよね。これは、普通誰も気が付かない場所で、だからひっそり楽しく往時のまま生きているのかもしれないけど~。
左側にある扉口も、装飾的にはちょっと時代下っているので、ふーん、という感じです。

現在ある建物は、13世紀の終わりごろから建てられたものらしいのですが、正確にわかる資料はないようです。
内部は、三身廊、三後陣スタイルで、角柱で仕切られたスタイル。

比較的新しい部分は、結構ちゃんと残されているらしく、内部には回廊もあるようでした。上にあげたポルティコの様子と同様、レンガ造りの回廊っぽいですね。

何が何でも入りたい、と感じさせるようなほどのたたずまいではなかったので、あきらめるのも簡単ではありました。
興味深いのは、今でもこうやって車が行きかうっていうことかな。修道院があったからこそ、道もちゃんとできたというのはあるだろうし、歴史の中で生きてきた修道院なんだなって感じられたところ。今は生きてないわけだけども、ずっと人の往来を見てきたんだろうなっていう感慨があります。
いや、地味。
そういうのもたまにはあります。
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- 2022/05/12(木) 21:17:30|
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