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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

ノルマンが…(フォッサチェージア その1その1)

アブルッツォ週末ロマネスク修行(2018年11月)、その51

いよいよ旅の最後の地へ向かいます。
他の教会と離れた場所なので、旅の状況によっては端折ってもいい、ということで、最後の場所として選んだと思います。

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右下ですね。

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フォサチェージアFossacisiaのサン・ジョバンニ・イン・ヴェネレ修道院教会Abbazia di San Giovanni in Venereです(ほぼ観光地のようになっているので、高速降りると表示が出てきて、アクセスは簡単。駐車場に車を置いて、遊歩道を登る感じ。入り口付近にトイレも完備)。

海を見下ろす高台にあり、晴れていればかなり気持ちの良いロケーションと思いますが、私が訪問した時は断続的に霧雨みたいな悲しい天候でした。

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季節が季節ですから、この程度の天候で済んで幸いくらいのもんですが、それにしても、真っ青に見えるはずの海が、うっすらぼけて、あるかないか分からないみたいな風景は、太陽の国イタリアだけに寂しさマシマシです。
でもね、ま、仕方ないやね。
最後の訪問地、確実に開いている場所を選んだのは、えらかったな、と思います、笑。しめも、それなりに重要だからね。

千秋楽を大切にする日本と違って、こっちは初日が重要で、舞台でもオペラでも、最後は尻つぼみ、みたいな感じになるんですけど、個人的には、もちろん初日はすっごく重要なんだけどね、旅の幸先みたいな意味でも、でも同時に、修行旅の最後は、それなりに盛り上がって終わりたい、という気持ちがあるんですよねぇ。
そういう気持ちで訪ねた最後の教会が、中に入らないとどうしようもないタイプなのに入れない、という言うリスクがある場所には、最後には行きたくない、というのが本音。
という意味では、正しい最後の教会。状況説明、長い。

見学としては、到着後、何はともあれ中に入ったのですが、紹介するにあたっては外観から。

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と言いながら、実はこの後陣が、一番衝撃だったかもね。
遠目には分かりにくいんで、クローズアップしますね。

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あれ?これ知ってる?
って思いませんか。
そうなんですよ。シチリアのパレルモあたりのノルマン建築に酷似の後陣なんですよね。パレルモのカテドラルとか、モンレアーレとか。
ちなみに、下が、パレルモのカテドラルとなります。

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この辺り、以前の記事でも、ロンゴバルドとの関係だったり、ノルマンやビザンチンや、とにかく通過する地域だったからね、色々入り込んでるっていう歴史は、歴史として認識してるわけだけど、こういう、ちょっとこれって印象としてアラブも入っているシチリアのスタイル、という印象しかなかったもんがあったりすると、紙の上だとやたら複雑に見える歴史が、目の前にあるこの後陣で、なんかすとんと腑に落ちるっていうのかねえ。

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ロマネスク的な重要度は、それほど高くないと思うんだけど、でも、ここは行ってよかったと思うのは、そういう部分も大いにあります。


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  1. 2022/05/14(土) 21:06:34|
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