最初で最後のアルザス中世、多分…(2019年4月)、その26

サン・ジャン・サヴァーヌSan-Jean-Saverneのサン・ジャン・バプティスト修道院教会Ancienne Eglise Abbatiale Saint-Jean-Baptiste。
緑の中、アルザスらしい赤い石の後陣が映えますね。
村の高台と言ってよい場所にあり、眺めがある感じの場所。

創設は古い修道院教会のようですが、なんとなく場所邸にも雰囲気的にも、修道院のイメージがわきにくいたたずまいです。なんでかな。変に開けていて、勾配のある土地につながっているとかそういうことかな。
修道院って、それなりに耕作地が必要だよね、とか、水も必要だよね、というイメージから、孤高の場所でもなんとなくそういう生産性を必要とするっていうのもあって、それでの違和感なのかな。
いや、でもサン・ミッシェル系は、孤高のとんでもない場所に建てて、厳しい生活をするわけだから、必ずしも生産性は関係ないのか。

ファサード側は、塔のあるポルティコが18世紀に建てられてしまって、もともとのロマネスク時代のファサードは隠されてしまいました。なんという残念な。
そして、脇の方は、それと同時代に支え壁がずらずらっとつけられてしまったようです。そのおかげで、町からのアクセス側であるこのファサード側からの見てくれは、およそ中世の面影が感じられない建物となってしまっています。
なので、ここは素通りして、後陣にダイレクトアクセスした方がよいですね。

赤い石がアルザスであることを強調している感じですが、装飾はとてもロマネスクです。上の方の市松帯、垂れ下がりのアーチとその先の彫り物、つけ柱に窓脇の円柱など。

彫り物は、抽象モチーフと具象モチーフが混ざっている感じっていうのかな。
上のは、真ん中のが鳥のペアのようだけど、その脇は、葉っぱモチーフの抽象化とか渦巻きモチーフ。

牛っぽい頭と、グリーンマン的な柱頭と、にやけたモンスター。

組紐モチーフと人の頭。
頭モチーフ多めなのは、ケルト入っているのかな、ここも?
こいつらは、珍しいタイプ。

窓のとこに寝そべって外見てるけど、これは、後付かもね。なんか中世っぽくはないし、ましてやロマネスクのあり方からは外れすぎるよね。
ここも、例によってフランス革命で、建物の多くの部分が損傷したらしいんだけど、幸いにも、部分的には結構残っている方なんでしょうね。
宝探し的に、あっちこっちに分散して、変なものが建物を守ってる感じ。

こういう高いところに置かれる、ファサードだったらライオンが人をはみはみしてるような図像って、どうしてここに?と思うんだけど、どうして?

これなど、クマらしい。さすがに人をはみはみはしてなくて、チーズみたいなの持ってるけど、何持ってるんかな。
それに、なんか頭包帯状態なんだけど、なんだろね。
高いところの角っこ、もしかしてアルザスは多い?ような気もします。
日本の四神じゃないけど、何か意味ありそうだよね。
もしかすると、この位置、この雰囲気、すでにゴシック入っているということもあるのかな。
なんですかね、全体に記憶がめっちゃ薄くて、自分どんだけ入り込めなかったんだ、という様子が分かります。
今、来週末に出かける予定のエミリアのマイナー教会、どこに行こうか考えていて、2013年訪問の地ですら、そして結構駆け足で訪ねたにもかかわらず、写真を見てると何かしらよみがえってくるものがあるんですけども、アルザスはどうもそういうのがなくて…。
自分の中ではどうもそういう感じなんで、最初で最後の、というタイトルにしたわけなんですけれど、書いているうちに何かしら変わってくるかも、という多少の期待はあったんです。が、ダメです。どこまで行っても、本当に記憶が薄い…涙。
サン・ジャン、続きます。
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- 2022/10/21(金) 17:04:09|
- アルザス・ロマネスク 67-68
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