一年前のエミリア周遊(2021年10月)、その8
ノナントラNonantolaのサン・シルベストロ修道院教会Cattedrale di San Silvestro、続きです。細かい内容が続きますが、ま、たまにはね、ということで、正面扉周りの彫り物、続きです。
向かって左側の側柱の正面向き部分の浅浮彫です。

右側が、キリストの生誕物語であることに対して、こちら側は修道院の歴史絵巻となっているようです。こちらも、時系列は下から上、となっています。
「1)アンセルモとアストルフォ王、2)王がアンセルモに土地を寄贈」


「3)アンセルモと修道院の模型」

ここ、修道院の模型というのが、ちょっと気になりますね。バジリカ様式で、ファサード前にポルティコがあるようなスタイル。ちょっとポンポーザとか彷彿とさせるようなスタイルっていうのかな。昨夏に久しぶりに訪ねたウンブリアはずれのルニャーノ・イン・テヴェリーナでしたかね、そんなのも思い出させられる構え。穴には陶器のお皿ですかね。どこの教会をイメージしたのか、考えると面白いですよね。
「4)アンセルモその他が法王にサン・シルベストロの亡骸を求める、 5)馬で同聖人の亡骸を運ぶ、6)ノナントラに亡骸を埋葬」
亡骸を運ぶ図と埋葬の場は、残念ながら、一部失われています。他部分の保存状態がびっくりするくらい良いので、なぜ?と思ってしまいますが、良すぎるんですよね、おそらく。


「7)サンタドリアーノIII世の死、8)修道士が同亡骸をノナントラに運ぶ)、9)サンタドリアーノの埋葬、」



「10)サムソンがライオンにまたがっている」

「最後の一枚が唐突な感じですが、これは当時有名ななぞなぞで、「蜂蜜より甘いものはなくライオンより強いものはない」という意味となり、寓意は、「教会までも奪い取って土地を支配するものたち (ロンゴバルド)は、修道士に食物を与える(アストルフォの寄贈)」ということなんだそうです。中世の人たちは、そういうことがすぐわかったんでしょうか。
これは、モデナ同様、ヴィリジェルモの 作とされています。預言者スタイルではなくて、使徒スタイル。より親しみやすい雰囲気のフィギュアと思います。」
浮彫の上下に文字が彫られていますが、それがことわざというか、上述のはちみつより云々の意味なんでしょうね。EDFOREDVLCED DCOMEDNTECIBVS?さっぱり分かりませんが…。
「左右の側柱の場面の数が違うことで、水平のラインが途中でずれていきます。なぜあえてアシンメトリーにしているかというと、シンメトリーは完璧を意味し、それは神のものであるゆえに、あえて、 人間の不完全さを表すアシンメトリーとし、人間の作品であることを強調したんだとか。」
でた!
このアシンメトリー理論は、結構あちこちで出会う説明なんですけど、ほんとのところどうなんだろう?と思う今日この頃です。本当にそこまで考えてアシンメトリーにしたのか?例えばここの場合だと、単純に、この場面は削れなかろう!とかで数が合わなかっただけとか、そういう可能性もないことはないような気がしないでもないっていうか。
次回、やっと内部に。
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テーマ:art・芸術・美術 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2023/01/08(日) 17:04:18|
- エミリア・ロマーニャ・ロマネスク
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