ビザンチンと猫にどっぷり、テッサロニキ弾丸ツアー(2019年11月)、その10
確か、プロローグにちょっと記したと思うのですが、タイトルにしている「猫にどっぷり」。その割に、猫、出てこないよね?と思われているかもね。
早朝から歩いている場所は、かなり街中なんです。交通量も多いし、店舗も沢山並んでいる、いわゆる新市街っぽい繁華街。

この、水色のあたりですかね。まちなみは、とっても都会な様子なんです。

ただ、ちょっと住宅地比率が増えると、いるんですよ、やつらが!

今度向かった教会は、ちょっとした住宅地の中にあり、緑のスペースもあったりするからか、朝からまったりお休み中の方々に遭遇しまして、自分も同行者も猫好きなんで、とっても嬉しくなってしまいました。
どの猫も、結構リラックスしているというのか、おそらくほとんどは路上生活ののらちゃんなんだけど、どうやら餌を与える住人がいるようで、肥えてるし、のんびり生活している様子なんです。
で、特に上にあげた地図の、北の方、道がかなり入り組んでいる高台の方は、完全な住宅地なんですけれど、どこもかしこも猫で満載です。猫にかまっていると先に進めなくなってしまうので、にゃあにゃあ愛想を振りまきつつ、駆け抜けるように歩いたりしていました。

猫嫌いだったり、アレルギーだったら最悪でしょうけれど、猫好きだったら、それだけでも行く価値のある町、テッサロニキ、笑。ただし、猫と遊ぶ時間も欲しい方は、私のような弾丸は避けた方がよろしいですね。
というわけで、今回向かった教会では、にゃんこにお出迎えを受けて、にっこりでした。

パンデレイモン聖堂Agios Panteleimonです。
ここも、正確な名称は分かりにくいなぁ。
前回紹介した小さな礼拝堂から、すぐ近くなんですが、礼拝堂から、テッサロニキのメイン・ストリートを挟んだ山側で、ここらあたりから、坂が始まる土地となり、僅かな距離だけど、この教会はもう坂の結構上みたいな位置となり、同時に住宅地に組み込まれる感じとなります。

入場の前に、こちら。
敷地の角に建つものは、オスマン支配下時代に、モスクに転用されていたということで、その際建てられていたミナレットのベース部分と思います。イスタンブールのミナレットは、どこもとてもほっそりしたペンシル状態で、優雅この上なく、建築としての美しさを感じてしまうのですが、このミナレットは、結構どっしり系な様子ですね。
私が最初に訪ねたイスラム圏がトルコだったもので、ミナレットのイメージがトルコ系で固定されてしまって、その後マグレブ諸国でびっくりしたと思います。ミナレットは細いのがいいな。
でね、ちょうどよい写真なので、言及しておこうと思うのですが、その元ミナレットの前にある白い祠、笑。いや、祠はないか。
でも、お灯明上がっている様子があるから、やはりほこら的なものなんですかね。
重要な政府機関系の建物の前に、例えば警備員とか軍人とかが詰めてる小屋みたいのがあったりするじゃないですか。ああいう程度の大きさの、こういう小屋みたいのが、教会には必ずあったんですよね。
別に歩哨の人がいるとかじゃないです。お祈りの前室とかお前立的なものなんでしょうか。構造的には、どれも新しいものと思われましたけれども。

さて、脱線が長かったですが、本堂の見学、開始です。
この日、早朝から歩き始めて、この教会が五つ目となりますが、ここにきて初めて、レンガの美しさに気付きました。
というのも、変な言い方ですが、ここに来るまでは、比較的外壁が新しくなっている様子の教会が多かったり、また、まずは何をどう見ればいいのかよく分からないなりに、内部のモザイクやフレスコ画につい注力してしまうというのもあり、若干浮ついていたところもあったんだと思います。
たわむれたにゃんこのおかげ、というわけでもないですが、何浮ついてるんだよ、という気持ちになったり、また、このパンデレイモン聖堂の外壁が、あまり麗しくピカピカに新しいものではなかったのもあるのかな。そして、たまたますぐそこが入り口だったのに、方向音痴の一環で、笑、わざわざ反対周りとして入り口にたどり着くという離れ業をしてのけたことで、最初に外壁の様子を見ることになったということもありそうです。

おそらく、ところどころに、石がはめ込まれている変化球も、味を出しているんですよね。廃材の再利用もありそうです。

この、小円柱など、明らかにそうですよね。かなり大胆な再利用なんですが、それが妙に装飾的になっているのがすごいな、と。
例えば、ローマ時代も、フォロ・ロマーノとか行くとよくわかるんですが、12月に行ったばかりなんで新鮮なんですが、結構レンガ建造物があるんですよ。でも、ローマには再利用のものがないわけで、笑、とにかくきっちりと同サイズのレンガを寸分の狂いもなく積んでいく、ということにあっているわけですが、そういうきっちりスキなし系に比べると、この再利用ありありのアンバランス系の方が、装飾としては圧倒的に面白いと感じます。
この聖堂も、他同様に、1978年の地震でかなりの被害を受けて、修復がなされているようなのですが、どの辺がそうなのかなあ。おそらく上のドームのあたり、妙に麗しくピカピカレンガ積みあたりがそうなのではないかと思うのですけれどもね。

これは、見飽きないです。
ボローニャのサント・ステファノの、中庭に面した色石やレンガを組み合わせたはめ込み細工みたいな壁装飾なら、見飽きないという表現も分かってもらいやすいかもしれませんが、いや、このレンガと石だけの壁も、含蓄深く、その組み合わせの妙というのか、こう見えても計算してるんだろうな、でもそう見えないんだよな、という深さが面白くて、ずっと見ていても飽きないやつです。
でも、これは、病気の人にだけ分かる感覚なので、同行者はやってられん、という顔で先に進んでいきましたっけね…、汗…。
余計な話が多くて長くなってしまったので、一旦切ります。
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- 2023/02/17(金) 13:40:15|
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