ビザンチンと猫にどっぷり、テッサロニキ弾丸ツアー(2019年11月)、その18
アギオス・ディミトリオス聖堂Agios Dimitrios/Basilica of St Demetrius、続きです。
地下から本堂に戻りまして、色々混在した装飾を見ていきましょう。

建物の多くの部分が再建のため、全体としての魅力は乏しく、その結果、全体の写真をほとんど撮影していませんでしたが、以下のように説明されています。
「各身廊の上に、二階部分があり、ナルテックスも同様。主身廊と各身廊は分割した屋根を持つ。
修理修復、また再建が後代に多くなされたが、モニュメントのプランは、基本的に大きな変更なく残されている。アヒロピートス同様、身廊と側廊の屋根は、両方とも、木製。」
「身廊の円柱の列の上の壁、壁の表面、ナルテックスの壁は、色大理石によっておおわれていた。この覆われた部分は、モザイクのために、他にうつされた。白、緑または暗い赤の大理石の円柱は、しばしば古い建物からの転用。それらは、長さが異なるため、柱頭がそろうように、基部に工夫が凝らされている。」

正直あまり細かい記憶はないのですが、柱の基部は、かなり凸凹していたのだと思います。写真でも分かるように、おそらく石材も、表面の加工もそれぞれ異なりますよね。長さが違うのも当然です。
「アーチの天井は、小さな白、黒または赤の大理石の片を使った幾何学モチーフで飾られている。」

「アーチの正面は、身廊の北と南側の表面だが、暗い色と明るい色の石版を交互に置いた装飾になっており、主に暗い青、白、緑が使われている。」

柱頭も、古い時代のものの再利用が多いようです。損傷の激しいアーカンサス系は、どうやらそういったものらしい。
ここでも、風に吹かれるアーカンサスの葉モチーフの柱頭があったようなんdすが、残念ながら、私は撮影してなかったみたい。
「この教会の柱頭は、多様である。最も魅力的なものは、アギア・ソフィアでも見られた風に吹かれて同じ向きを向いたアーカンサスの葉のモチーフであろう。このモチーフは、5世紀ごろ、非常に強風が日常的に吹いていたことからもたらされたものと考えられている。ラベンナのサンタポリナーレ・イン・クラッセ教会でも見られるのである。」
こういう、変に具体的なっていうか、およそ想像もしない観点、気象情報なんかから語られると、がぜん興味が湧き上がってきます。テッサロニキは、割と内海的な場所にあるし、イタリアの地勢を考えても、そういうところって強風が吹くのかもしれないとかね。
でも、ラベンナと強風はあまり結びつかないのよ。ただあそこは、ローマと一緒で、長年に間、かなり内陸になってるというのか、海が遠くなった事実もあるから、5世紀頃はもっと海に近くて、風もビュンビュンしてたのかもしれないと想像はできます。クラッセは本来港町だったはずだし。
テッサロニキも、要はそういう風に、少し内陸になってたりするのかな。

いかにもビザンチンらしい透かし彫りもありました。
スタイルの異なる柱頭が並んでいて、時代も手も、それぞれ異なるんでしょうね。かなり古いタイプ以外は、いつのものなのかもよく分かりません。

「アギオス・デメトリアスでは、また他のタイプの柱頭もある。古代コリント様式にも似たタイプであるが、上を向いた二段の葉の列があり、トップが下に垂れ下がっている手、葉には穴が開けられ、縁はのこぎり歯状。角には、渦巻き模様があり、それらの上には四角い石がのり、アーチの根元のサイズよりも大きなサイズ形となっている。角には、渦巻きモチーフの代わりに、羊の頭部が置かれている。また、他では鷲だったり、異なるモチーフ。」
この教会を訪ねる主な目的はモザイクと思いますので、次回まとめてアップしたいと思います。
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テーマ:art・芸術・美術 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2023/03/03(金) 16:51:16|
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