ビザンチンと猫にどっぷり、テッサロニキ弾丸ツアー(2019年11月)、その21
オシオス・ダヴィッド教会(Osios David-Monastery of Latomou)、続きです。

今ある形は、こういったシンプル極まりない様子で、図面右側にある小さな部分が入り口になっています。
元々は、左下にある点線部分も建物で、ギリシャ十字を形作っていたはず(多分、ミナレットがあった?)。その十字の中心には、ドームが持ち上げられるスタイル。

今の入り口側からしか、建物の様子は見えないので、上は本からの借りものです。結構昔の写真ぽいですが、後陣の位置から、写真の奥の方が、今の入り口になるようですね。
解説には、以下のようにあります。
「ドームの形はいびつ。ペンデンティブによって形作られた円形を活用した半円ではなく、ラベンナのガラ・プラチディア例行にあるようなタイプのドーム。ギリシャ十字をベースにした十字の上に建つタイプ。」とありましたので、過去の写真を探してみました。

内部は丸いドームだけど、外側は丸くないっつーことかな。
ガラ・プラチディア、2015年に行ったのが最後みたい。もう8年たつのかと驚いた。再訪したいけど、行く度に観光地化がすごくて、それはそれでいやだったり、複雑…。
おっと脱線、戻します。
さらに解説。
「この教会は、建築史上、非常に重要な意味を持つのである。なぜなら、初期の十字型ドームを採用しているからだ。そのスタイルは、この後、10世紀以降、広く用いられるようになっていくのだ。」
ということ。起源古いから、古いってことよね、日本語変、笑。
トルコ人にモスクに転用された際に、ちょっと手が入ったりしているようで、それで、全体が分かりにくくなったりはしてるみたいですね。
でも、トルコ人って、驚くくらい手を入れないで、転用してるよね。様式的なことには、あまり興味がなかったんだね。
建築に関してはこのくらいで、内部の宝物、見ていきましょう。ここ、モザイクに加えて、この教会には、12世紀半ばとされる壁画があります。

暗いのと、痛みで、かなり見にくくなっています、残念ながら。確か、モザイクの方は、明りがあったと思うけれど、こちらはなかったし、入り口からの外光が、逆にコントラストで暗闇を作ってしまう感じで、肉眼では、上の写真よりももっと暗い状態でした。
「近年、1973/76、モルタルの下に隠されていた壁画が発見された。
それらは、教会の多くの遺構よりは、かなり遅い時代、おそらく12世紀半ばから14せいきにかけて描かれたもので、この町において、他に存在しない時代の壁画であるために、大変重要なものだ。
内容はキリストの誕生と洗礼が、教会の南側アーチに描かれている。
ここから続く後の時代へと、絵画の大きな発展を彷彿とさせる要素について、今では認識されている絵画である。」

確かに、相当写実が入っていて、12世紀でも後半以降だろうなってようすですよね。それにしても暗いので、書籍から拝借。

おっと、キリストが妙なイケメンで、身体と顔のアンバランス感もすごいな。
後さ、マリアの腕の二本線、何だろうね?今どきのタトゥーみたいで不思議。

これは被昇天かと思っちゃったら、お誕生の場面だった。見えなすぎ。
本の写真からは、こんな様子。

キリストは、若干チアノーゼ的な顔色だけど、その向こうには、ちゃんと馬や牛もいるね。しかしチアノーゼはともかく、マリアも憂鬱そうで、全体が陰鬱なお誕生になってるのは、やっぱり暗い色になっちゃってるからかなぁ。

こういう状態の中では、大変良く残っているヨゼフの苦悩が、全体を覆っているような…。辛そうだよね、端っこの方でひっそり自己主張してるけど。
実際は、すごく美しい青などが使われていて、鮮やかなフレスコ画だったとも想像します。もうちょっと明りサービスがあれば嬉しいんだよな、この町。

牛や馬は、結構楽しそう。しかし、キリストの達観したチアノーゼ顔よ…。
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テーマ:art・芸術・美術 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2023/03/20(月) 18:31:13|
- ビザンチン
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