ビザンチンと猫にどっぷり、テッサロニキ弾丸ツアー(2019年11月)、その23
ヴラタドン修道院Monastery of Vlatades、続きです。

付け足し部分とか、外壁とかに漆喰塗っちゃうと、なんか違うもんになるよね。構造的には、古いものが残されているように思われるんだけど。

トップの写真のナルテックス部分は後付のようですね。入り口は、後陣と反対側にある小さなナルテックス風構造が書かれているところでした。

構造的には四角の中に十字がイン、みたいな変則スタイルです。

これはどうやら、14世紀に現在のような形で教会が建てられたとき、それよりも古い教会があったことに由来するようです。
さて、前回の記事に書いたように、最初に訪ねたときは絶賛昼休み中で、教会に入ることが出来ませんでした。幸いにも夕方、戻ってくることが出来たのですが、冬のことでもあり、すでに真っ暗です。そして、なんと!絶賛イベント中…。
扉は閉ざされていますが、その向こう側はキラキラに照明がともされています。のぞき込んで結婚式ぽかったので、前例(アギア・ソフィア)からしてアクセス可能と思い込んで、ドアを開けたところ、司祭さんが飛んできて、ノーノ―!とすごい勢いで怒られてしまいました。今でもよく覚えているんですけど、テニスのマリー選手を瘦せさせてしょぼくしたようなタイプ(かなり失礼な描写…)の司祭さんでしたけど、怖かった~。
他にも訪問者いたし(私と違って、おとなしく待っていました…)、せっかくなのでしばし待つことに。

おそらく10分ほどで式は終わり、参列者が出てきて、ライス・シャワーをしようという状況の中、するりと入っていくと、先ほど激おこの司祭さん、柔和な笑顔で、アイム・ソーリーって言ってきたんです!
いや、びっくりした。すっげーいい人じゃん!貧相なマリーのくせに!とか、散々くさしてごめんよーと超反省しました、笑。
そして、結果的に結婚式直後というのは、すごくラッキーだったんです。

堂内隅々まで光輝いており、燦然キラキラ、狭いスペースだけに、目もつぶれんばかりのヘヴンリー度なんですよ。
教会内のど派手なシャンデリアって、ローマのいくつかの教会で目にしたことがあり、どうにも違和感だったけど、あれビザンチン起源なんだね、おそらく。考えたら、テッサロニキでは、ほとんどの教会でシャンデリアあったと思います。現地ではローマと結びつかなかったけど、今気付きました。ビザンチンとシャンデリア、これも調べないといけないポイントかも。

後陣部分を隠すように置かれた障壁は、キラキラのイコンの壁。イコンは、まったく興味の範疇外なんですが、これでもか状態で迫力あります。
そして、多くお壁や天井などに、フレスコ画があり、保存状態もなかなか良いのです。残念ながら、多くの絵に瑕がついているのは、おそらくモスク時代に、漆喰で覆われていたらしいということです。覆われていて、状態が良いということもあり、これは痛し痒しってやつですね。

ビザンチン教会のドームは、縦長だったりするので、どうしても光が届きにくいのに、ここではよく見えました。と言っても、肉眼ではなかなか細かいところまでは無理でしたけど、撮影にも助かる煌々とした明りですよね。
フレスコ画は、1360/1380頃のものとされているようですが、おそらくそれ以外の時代のものも混じっているという感じです。

このキリストなんかは後代に相当加筆されている様子。

瑕が痛々しいですが、美しい青です。

小さい後陣内にもびっしり。ということは、おそらくもともとは壁前面がフレスコ画でおおわれていた可能性が高いので、それも、こんな傷がなかったわけで、まさに天国のような空間だったと思われます。シャンデリアって、当時からあったのかな。とすれば当然ろうそくだったから、キラキラ感は落ちるかもしれないけれど、より荘厳な雰囲気があったかもね。

結婚式はすでに終わっているわけだし、いつ明りがおとされるか分からない、という危機感、っていうのも変ですが、明り消えたら、ほぼ真っ暗闇になるので、焦りがあったわけで、少しでも撮影を、とアワアワしてしまい、実際に絵の内容を考えたり、味わったりする余裕は、ほぼなかったです。
明りを考えると、ギリシャに行くのは夏時間がベターですね、きっと。

これは、預言者ですかね。右の着物柄みたいな人は、良くいますね。ギリシャ十字なんだろうけど、派手すぎます。
こっちは使徒でしょうかね。

早朝から歩き詰めで、身体は相当きつかったのですが、戻って、本当によかったです。ここは、外観はあまり面白くないし、このフレスコ画見ないと始まらない教会だったので。
それにしても、こういったチャンスでもない限り、ここは日中でも暗いと思われるので、いや、ここに限らず暗い教会が多いので、テッサロニキに行く際は、手持ちの明かりが必携かもね。
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テーマ:art・芸術・美術 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2023/03/26(日) 18:01:02|
- ビザンチン
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