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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

外からは絶対に分からないやつ(アギオス・ニコラウス・オルファノス教会その1)

ビザンチンと猫にどっぷり、テッサロニキ弾丸ツアー(2019年11月)、その24

テッサロニキの教会って、レンガ積みが美しい、見るからにビザンチン体現タイプと、一見普通の家屋にしか見えないタイプと、二つあるんですけど、次に訪ねたのは、後者のタイプ。

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アギオス・ニコラウス・オルファノス教会Agios Nikolaos Orfanosです。
確かに寺院っぽい様子はあるものの、建物の前はお庭になっていて、通りに面して門扉があったりして、おうちっぽいし、一見して、おおお、とは決してならないやつですよね。

そんな地味な外観なんだけど、一歩中に踏み込むと、声にならない声が出ちゃう、みたいな教会です。おそらく、外壁も屋根も、後代、むしろ近代に、中を守るためにも、大幅に改装されているんだと思います。

今回は、さっそく入場してみます。

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内部は、ほとんどの壁に、壁画が残されており、そのまんま美術館状態なんです。驚きました。例によって、ですが、事前準備が足りず、ここまでとは知らなかったんで、すさまじい状況に声が出ませんでした。

外から見た様子そのままに小さな教会です。

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内部は二重構造みたいになっていて、トップの写真は、入場してすぐでの一枚ですが、図面で、下の正面から入るとすぐ、内部構造の壁が立ちはだかるっていう作りです。
そして、その区切りの壁の、外もうちも、びっしりとフレスコ画があります。
おそらく、かつてはすべての壁面にあったかもしれませんが、今ではない壁面もあります。とはいえ、残された部分の状態は、びっくりするくらいに良いのです。

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冷静に、後付で分かるようにメモしたりして順番に撮影したらよいのだけど、例によって興奮した自分には、絶対無理、笑。
ということで、興奮状態で、夢遊病者のようにふらふらとさまよいながら、ハッと気づくと撮影する、といういつものパターンで撮影したものを、並べてみます。

上も下も、建物内部にある聖所部分の内壁になります。小さなスペースですが、三方向にアーチ壁となっているので、閉塞感はありません。

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写真だと、シャンデリアも煌々としており、明るそうですが、実際には、全体にもっと薄暗い感じで、特に、聖所外側部分は、結構暗闇感ありました。
二枚上のが、聖書の正面部分で、聖母の被昇天ぽいですね。すぐ上のは、正面左壁と思います。
そして、下が正面右になるようです。

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左手に見えているのは、イコノスタシス、障壁で、その向こうはアクセスできない例のアレです、笑。
このイコノスタシスは大理石製で、教会と同年代のもののようです。素敵な帯浮彫があり、いつもだったら好物のやつですが、ここでは壁画が優先してしまって、ちゃんと見た記憶もありません。

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とてもビザンチンって様子の浮彫ですね、今更感心するのもなんですが、笑。
天井、相当新しい様子ですよね。天井近くの部分は全体に剥落している様子なので、もしかすると建物の劣化でやられてしまったのかもしれませんね。全体がひどくなる前に修復修繕がされてよかった~。

ちなみに、この障壁のところ、ビロードのような布で仕切られていたのですが、そこに施されていた刺繡がとてもチャーミングでした。

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これは現代ものなんでしょうけれど、刺繍っていうのもすごい技術だし、こういうキラキラ効果が出せるのですね。こんなに愛らしい表情まで出せるって、すごい職人技。職人仕事は感心しかありません。

いくつかをアップで。

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戦闘系の聖人が何人かいましたが、ビザンチンでは、そういう系列の聖人信仰が強いような。他の場所でもあったように思います。これはジョルジョかミカエルか…。戦闘は置いといても、例によってイケメンです、笑。

こちらは、ラクダの皮衣っぽいので、洗礼者ヨハネかな。

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ここでも、全体が暗めの青で、とてもしっとりしているんだけど、もともとはもっと鮮やかな青だったかもしれないですね。縁取りの赤も褪せているし。
光背も、もしかすると、もっと金色感が強かったのかも。だとすると、本当に目もくらまんばかりに燦然としていたんだろうな。

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ビザンチン教会、残念なのは、イコノスタシスの向こう側が完全に隠されちゃっていることですよね。
ここも、今は布で見られない向こう側、こういう風になっているようです。

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世界遺産で観光地でも、そこはやはり宗教優先。仕方ないかな。

次回、解説を交えながら、他部分の壁画を紹介します。

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テーマ:art・芸術・美術 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2023/03/27(月) 18:50:53|
  2. ビザンチン
  3. | コメント:0
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