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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

シバの女王‐立像専門とか?(ヴェロー18)

2019年8月夏休み、フランス中部の旅、その7(ベリー)

前回のヌイイから30分弱のドライブで次の目的地に到着。

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ヴェローVereauxのサン・マルタン教会Eglise Saint-Martinです。

事前に調べていたら、鍵はメリー(市役所)に頼むとありましたが、一応試してみると、クローズ。
とりあえず、教会近くにあったバールに行ってみます。

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この村、これだけ、みたいな村なんだけど、バールがあって驚愕したんだよね。パン屋は割とあるけど、バールは割とないんだよ、フランスの村って。
で、鍵は、あの家の人、と親切に教えてくれたので、訪ねたんだけど、今はだめ!とにべもなく断られてしまいました。
それも仕方なくて、12時過ぎ、ランチたけなわの時間だったんです。でも、14時ごろならいいよ、ということだったので、近所を見てから戻ってくることにしました。実は、最悪、戻らなくてもいいか、と思いつつ、外観の写真は撮影しといて…。

でも、一応約束は約束だし、と戻ってきて、ほんっとよかった!
戻ってきてまず、鍵守りじいさんの自宅に、ほぼ14時ジャストに行ったら留守。えー、マジかよ、と思いつつ、一応教会に行ったら、おじいさん、すでに鍵を開けて、待っていてくれたのでした。行かなかったら、何だあの東洋人め!ってなっちゃうよね。

ということで、無事、入場できたんだけども、実は…。

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中、入れなくて全然問題なかった…。
でも、仕方ないよね。長期の旅では、なかなか全部の教会のことを事前に調べるのは難しくて、一応最低限見所はチェックするんだけど、見ないでいいところまではチェックしきれないわけで…。
しかしこういう時、絶望失望を表情に表さずに地元の人とやり取りするのは、結構エネルギーいる。一刻も早く、お暇したい気持ちもあるし、とはいえ、わざわざ鍵を開けてくださった方に失礼はしたくない気持ちもあるし。

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ここの見所は、一見しても二見しても、つまりどう見ても限りなく地味な、このファサードに尽きるということです。
構造そのものにも、相当手が入っている様子がありますけれど、まず、上部に開けられた開口部の上に、ちょこんとした彫り物がはめ込まれています。

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フクロウに見えますが、猛禽類というより類人猿的なお顔…。

そして、開口部下に並ぶ軒持ち送りの彫り物。

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これは写実が相当買っているので、時代が下るような気がします。私は好きじゃないやつ。

扉口のアーチには、繊細な彫り物が施されています。外側は植物モチーフで、内側はつる草モチーフに人やらなんやら色々。

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彫りは細かいから、それなりにテクニックのある石工さんの作品なんだろうけど、可愛さはないし、やはり好みではないかな。上のフクロウ同様、なんかね、怖いんだよ。

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で、一番重要視されているのが、おそらく側柱に建つ二人の女性の姿。

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すらりとして、王冠のように柱頭を頭に抱いているの。面白いよね、装飾として。
右側の人は、シバの女王とか。
鍵守りさんは、色々説明してくださったけど、あまりメモも取れなくて、聞いてるときは分かった気になってたけど、後から思い出そうとしてもあまりわかってなかったことが分かって、という具合で。やはりフラ語はきついわ。

シバの女王って唐突な気もするんだけども、旧約聖書の人だから、こういった場面にえがかれても本来違和感はないんですかね。おそらく、イタリアではめったにないけど、フランスでは結構あるといったモチーフなのかもしれません。
僅かな解説によれば、ブールジュという、この後訪ねる町の教会装飾と呼応したもの、ということが書いてありました。確かに、立派な扉周囲の立派な装飾に、立像が沢山あるんですけれど、それのことかな。土地的には近いので、同じ石工さんとか工房が関係しているとかそういうことかもしれません。ブールジュは金があるから何体も、ここは二体がせいぜい、みたいなこともありそうです。

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左の人の方が、保存状態がよくて、お顔もしっかり残ってる。これはすごいです。フランス革命の暴徒が来なかったのかな。

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こっちの人の方が、立ち姿もきれいです。

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左側、つまり北側壁に、一つだけ彫り物がはめ込まれています。

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鍵守りさんは、アブラハムのエピソードという説もあるが、田舎の日常生活を描いた説もある、と説明してくださいました。だとすれば、農民の十二か月的な、一連のパネルがあった可能性もあるし、アブラハムのエピソードだったとしても、その人生を描く帯があったかもしれないし、一枚だけ、というのはちょっとね。
きっと外壁再建とかで、失われてしまったんだろうなぁ。

手持ちの資料が、現地で入手できたわずかなものしかなくて、一方でネットで検索しても、とてもざっくりとした短文の説明しか出てこない教会が多いため、このシリーズは、私が私見をほざくだけのものになりそうです。簡単にやりたいとは思ったものの、本当はもう少しディテールは知りたいんだけど…。

あ、最後に、一つだけ古いものが内部にありましたので、あげておきましょう。

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祭壇かなんかに、古い石棺の上蓋の一部が使われているよ、ということでした。
左のは、よく教会本堂の床にある聖職者の墓のものって感じしますよね。せいぜい13世紀とかそういうあたりのものでしょうか。

というわけで、内部の発見はなかったですが、鍵守りおじさん、本当に親切にガイドしてくださって、そういうのはやはり嬉しいものですから、満足して、午後の旅を続けます。

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テーマ:歴史 - ジャンル:学問・文化・芸術

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