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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

売家貸家に囲まれて(ジェルミニー・レグザン18)

2019年8月夏休み、フランス中部の旅、その8(ベリー)

前回のヴェローの鍵待ちの間に訪ねたのはこちら。

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ジェルミニー・レグザンGermigny-l'Exemptのノートルダム教会Eglise Notre-Dameです。

実は、この辺りの教会ってとても地味だし、ほぼ記憶がなくなっていたのですが、前回のヴェローで、近所の人に鍵を借りるくだりで、ぱあっと色々な情景がよみがえってきて、このジェルミニーの、何とも不思議な雰囲気もしっかりと思い出しました。
記憶って不思議ですよね。
認知症でも、昔のことは思い出すのに、今朝何を食べたか忘れる、みたいなことがありますから、記憶が消えることはないんでしょうけど、思い出せなくなるんですね。記憶の引き出しとかって、よく使われる表現だけど、ほんと、そういうことなのかと思います。
私など、実生活でも整理整頓ができない人間ですから、脳の整理整頓なんてとんでもないわけで、おそらく記憶のしまい方もぐじゃぐじゃなんじゃないかと。それが、割とつまらないことをきっかけにずるずると引きずり出される。
ヴェローの教会の中なんて、見るべきものはほとんどないし、印象薄いから忘れても不思議じゃないのに、ちゃんと引きずり出されるんだもんね、びっくりします。鍵守りのおじさんが、こうやって座って説明してくれたな、なんてどうでもいいことまで。
だから、常日頃、写真も必要以上に無関係なところまで撮影して置いたり、旅の間はなるべく詳細な日記をつけるようにしてます。写真だけでは難しくても、日記を読んでいて、色々思い出すのはすごくあるのですよね。それも、大体きっかけがどうでもいいこと、というケースが多いのが、記憶の不思議さを物語ります。

で、このジェルミニーですが、ここは、教会周囲の様子が、とても印象に深いのです。

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まち並みから、ちょっと中に入るような場所が教会になっているんですけれど、私が訪ねたときは、町のあちこちが工事中だったんです。その先に教会があって、なんとなく入っていいのかどうなのか分からないような様相で、昼時ということもあったんでしょうけれど、人っ子一人いないし。

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教会周りの住宅のほとんどに、売り家とか貸家の看板が出て、住人がいないゴーストタウンの様相で、ちょっと怖かったです。だから、毎日オープンと事前には調べていた教会がクローズなことも、当たり前に受け止めて、無理やり何かしようとは思いませんでした。

最も目をひかれたのは、ファサードの扉脇の柱頭です。

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トップのファサード全体の写真と、一緒に見ていただくと分かりやすいかもしれませんが、なんかプロポーションが変なんです。全体の中で、やたらでかいし、低い位置にあるから、さらに変な感じ。
サイズだけ見れば、もっと大きな建物に使われていたローマ時代の柱頭の再利用かと思うんだけど。

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でも、アーカンサスの中に顔があったりして、それってローマではないよね?と思うわけで。でも、この教会のために作ったというのは考えにくいサイズ。どうなってるんだろう。

もう一つ見所は、鐘楼。

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ファサードと一体型の鐘楼というのは、フランスには結構あるスタイルと思いますが、ここでのあり方は、また独特です。背も以上に高いから、ここでもプロポーションがなんか変ってことになるのかな。

ここも、説明がほぼ見つからないのだけど、簡単な解説は以下。

「12世紀に建設され、1773年の大火で多くが損傷したもの。ポルティコと一体型の鐘楼は1108年以降に作られた。」

ポルティコとあるので、鐘楼の下は本堂前のスペースで、外から見える扉部分とは別に、本来の扉口があるということになるのかな。

「1215年の内部の扉の図像は、サン・ジル・デュ・ガール修道院教会の西側扉の北側ポルティコ、そして、ラオン大聖堂の西側扉の北側ポルティコを引き継いだもの」とあります。タンパンについても言及があるので、そうか、やはり中に本来の扉があるんですね。
なら、ここはやはりカギを探さなければいけなかったということみたいです。

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現地にあった説明版は、汚れていて読める状態になかったうえに、撮影した写真もぼけていて話にならないのですが、タンパンの絵がありました。

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とがった半円なので、もしかして時代がちょっと下るのかな。いずれにしてもびっしり系の彫り物があるようですね。ちっ。今更悔やんでも仕方ないけどさ、笑。

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  1. 2023/04/27(木) 18:42:59|
  2. サントル・ロマネスク 18-36-37-41-45
  3. | コメント:0
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