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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

林ができているかも(ルイイ36)

2019年8月夏休み、フランス中部の旅、その18(ベリー)

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ルイイReuillyのサン・ドニ教会Eglise Saint-Denisです。

町中にある教会で、気付かずに通過してしまい、先の方にある市役所広場で、このままでは町を出てしまう、と、慌てて停車して、徒歩で戻りました。
相変わらず、勘の鈍い、というか、町中で急停車とか駐車する技術がない…涙。

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町中ですが、ファサードのこんな様子は、なんだか山奥の修道院のたたずまいといってもよさげな…。でも、この左側は、町のメインストリートなんですよ。
このファサード、ほとんどそそられませんよね。そして激地味…。近寄ったら何かあるかという期待も、あっさりと裏切られます、笑。

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アーチの上に、一つポツンと人の頭部が置かれていますね。それにしても、ずれた場所にポツン、どういうことなのだろう。
扉全体の地味さと、ワンパンマン以上にすっきり線描きのお顔の地味さは、マッチしているとはいえ…。

ベリーのサイトでは、「ファサードは、2 列の狭いキーストーンを備えた美しいアーチ型のポータルで飾られています」とあったので、何かしら見るべき彫り物などもあるものと勝手に想像して、見るべきは扉口、と記しておいたので、正直拍子抜けでした、涙。

でも、内部は、石の質感も感じよくて、様子は好みでした。

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まず、壁にこんな写真が掲げられていたので、え、と思いました。事前に資料をちゃんと読んでいれば、書いてあったんですけど、いつものようにいい加減な調べをしているもんで、気付いていませんでした。

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どうやら、現在ある上物は、11世紀の建築のようですが、地下には、それよりもずいぶん前、9世紀カロリング時代のクリプトがある、となっています。解説では、さらに昔のメロヴィング時代とありましたが…。
いずれにしても、今ある教会以前にあった施設に付属していたクリプトということは間違いないようです。

実は、教会に来る前、市役所から出てきた女性に、教会のことを尋ねたのです。その方、すっごく感じの良い方で、すごい勢いで話を始めて、ちょっとあっけにとられたんですけどね、笑。私がポカン、とした様子だったのに気付いたのか、「わたしったら、早口でしゃべり過ぎよね、あっはっは!」みたいな感じで、まるでイタリア人みたいな方だったんです。
その時に、クリプトもあるわよ、とおっしゃられたと思います。でも、残念ながら閉まっている、ともおっしゃっていました。あの頃は、今よりフランス語力、あったかもね。

いずれにしても、クリプトがあることは間違いないな、と思ったところ、これ。

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内陣前の床面に、木製の蓋。まさかこんな場所に床下収納はなかろうし、クリプトの入り口に違いない、と踏んで、ミサの準備をしていたおばさんに、とてもシンプルに「クリプトですか?」と尋ねたのですよ。
そしたら、信じられないくらい面倒くさそうな様子で、「お墓しかないから」という答えが返ってきました。

おしゃべりなおばさんに、マダムなんちゃらが大変詳しいから、教会にいる可能性が高いし、色々聞いてみるといいわよ、とアドヴァイスがあったので、もしやこの方が、という期待もあったんですが、けんもほろろな対応でした。

おしゃべりなおばさんは、「わざわざこんな町まで、来てくださったのね、ありがとう」とまで言ってくださったので、そういう暖かさのあとだけに、普段ならすでに慣れているおフランス人の冷たさと感じの悪さが堪えました。

十字の交差部分。

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この上部に、八角形のキューポラが置かれているようです。
装飾的なアイテムはないですが、全体の雰囲気は良いですよね。

この十字の奥、つまり内陣部分となりますが、奥行きがあります。

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地下のクリプトと同じ奥行きと書いてありました。
つまり、クリプトもなかなか広いということですね。

北側に、修道院が隣接していたらしい記述もあったのですが、この北側壁に残っているアーチ構造は、もしかすると、こちら側には身廊があったということなのかな。

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色々聞いてみたかったですが、おばさんは取りつく島ないし、さらに、準備に余念がない様子で、うろうろしているのも嫌なのかもしれないとこっちが感じさせるようなオーラも漂っていて、早々に退出。
こんな地味な教会のために、わざわざ来る人はそういないと思うし、自分が大切にしている教会を見てもらいたくないのかしら。
こういう人に会うと、なんだかわけがわからなくなります。

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後陣にアクセスしてみたかったのですが、無理でした。
軒持ち送り、ちょっとありますね。でも、とても地味。

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後ろ側のスペースだったんですかねぇ、ちょっとよく覚えていないのですが、なぜかリンゴとか洋ナシの木が植わっていて。

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町の小学校の記念植樹みたいなプレートが置かれていました。2018年とあるから、私が訪ねた前年度の卒業記念とかなのかな。ちょっと寂しい様子だけど、もしかしたら、新しい試みで、毎年増やして林にするとかね。あれから4年だから、もしかして、今はもっとたくさんの木が植えられているかもしれません。

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テーマ:フランス - ジャンル:海外情報

  1. 2023/06/05(月) 18:22:39|
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  3. | コメント:0
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