ミラノでの恒例のアートの日は、暮れも押し迫ってきて、打ち止め。今日はお休みだし、展覧会に行こうかな、とちょっと思ったりもしたのですが、大雨で気持ちが萎えました。
で、ローマに旅される方は多いし、もしかして、このブログが目に留まることもあるかも、と思い、ローマの展覧会を紹介します。先日の旅行中に訪ねたのですが、2月半ばまでやっているはずです。
数多くの展覧会やビエンナーレを見ているわけですが、これほど切実に、作品がほしい!と思ったのは初めてです。すごくすごく素敵で、本当に愛らしくて、何というか、もう離れがたいほどに愛着を感じてしまいました。
カルダーって、多分漠然と知っていたように思うのですが、おそらくきちんと展覧会を見たこともなく、どこかでモービルだろ、と馬鹿にしていたような気がします。
しかし、しかし。なんとなんと。
天井からぶる下がっている大作は、あ、これね、という感じで軽く流したくせに、置物系で、いきなりやられました。比較的小さくて、親しみやすい作品群です。
なぜやられたかというと、動いているんですよねぇ。それもびみょ~に。ゆらゆら、というか、動いているのかいないのか分からないくらいの揺れで、ひそやかに。
思わず、係員の目がなさそうなときを見計らって、ふ~っ、と息を吹きかけたところ、空気の届くまでの一瞬の間をおいて、揺れるんですよぉ。それがなに?と言われそうですが、その微妙な揺れ具合、バランスの妙、ただ見入ってしまうわけです。現物を前にしたら。
ゲージツなんですから、そおゆうことじゃないだろう、って感じもありますが、わたしの現代アート鑑賞の基本は、好き嫌いですから、ただもう好きで、楽しくて、仕方ないって言うそういう範疇です。
息でも反応すると分かってからは、天井からぶる下がっているタイプも、思わず、ふーふーしまくりです。
巨大作品は、勿論そんなことしても反応してくれませんけどね。でも、会場の空気の動きに反応して、巨大作品も、微妙にたゆたっているんです。なんかよかったな~。
小さめの、家にも置けるな、居間の隅っこにどうよ、と思いながら、ますますほしい気持ちが募りました。ほしくても買えるわけないし。
それはともかく、カルダーさんの写真展(アトリエの写真とかいい感じです)があったり、カルダーさんも制作に参加している短編映画の上映があったり、もっと体力と時間があったら、存分に楽しめる展覧会でした。わたしは、丸一日、観光で歩き回って、へとへとの状態で、今日のしめだ~、と思いつつ行ったもので、全部をじっくり見るには、ちょっと体力的に無理があり、もったいなかったです。
ローマに行かれる方、古代もいいけど、カルダーも是非よろしく。
ああ、ほしいなあ。自分で作ってみようかなぁ。モビール。
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- 2009/12/25(金) 07:37:13|
- アートの旅
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| コメント:2
corsaさん、自分で作るっての賛成です。素材は針金でもアルミ板でもアクリル板でも、とても細工し易そうです。わたしもやろうかなってか、高校生の頃、美術で製作した時結構はまったんです。どこかに書いたけど、その作品は美術教師に召し上げられちゃって、どんなだったか思い出すこともできないんですが。
とぼけた空気のカルダーのどこが心地良いのか自分でも判らないけど、わかる事が大事なんじゃないのですね、きっと。わたしが気に入ったのは、顔シリーズでした。
あ、書き落とすところでした、ロマネスク、いつも楽しませていただいてます。読み逃げでごめんなさい。
- 2009/12/25(金) 15:06:00 |
- URL |
- otebox #79D/WHSg
- [ 編集 ]
Oteboxさん、読み逃げなんてとんでもない。
モビール、自作ね。この前いただいた帆立貝の貝が一杯あって、なんか捨てがたくて、とってあります。ちょっとペンキとか塗ったら、いいじゃん、とか思って。モビールにどうですかね~。
でも、そんなことばかり考えているから、なんかいらんごみみたいなものがたまっちゃって。
- 2009/12/25(金) 18:57:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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