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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

高低差にびっくりな美しい村(ガルジレス36 その1)

2019年8月夏休み、フランス中部の旅、その40(ベリー)

一日の初めの方に、距離の近い町村をたどるようにして、ノロノロ移動しながらの見学でしたが、戻りは宿に向かって、長距離を一気に。
行程は色々な組み方があると思いますが、連泊を優先すると、どうしても、行って戻る、という部分が出来てしまい、よさげなホテルが見つかるなら、毎日オン・ザ・ロードの方が効率は良いと思うのですけれど、なかなか難しいものもありますよね。それに、お洗濯だったりの実務的な面を考えると、毎日移動は結構疲れます。
と言っても、この時の旅は、7泊8日で、連泊はこの時だけでした。広い範囲を回るには仕方ないことですね。

というわけで、お尻の時間にも押されながらたどり着いたのはこちら。

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ガルジレスGargilesseのノートル・ダム教会Eglise Notre-Dameです(毎日10時から18時)。

この町は、ちょっと驚きました。ロケーションが独特なんですよ。

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クルマの抜ける幹線道路は、赤線のD40で、それは丘の中腹を走るっていうか、ちょっと高い位置にあって、街並みを見下ろすようになるんですけど、教会やお城は、さらに低い谷底にあるような、確かそんなような不思議な様子で。

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お城と教会にも高低差があって、私は多分、ストリートビューに画像がない方から来て、村の手前に駐車したと思うんだけど、登ったり下りたり状態でした。
そして、とても小さな村なんだけど、お城があって、教会があって、そして地図を見て気付いたのですが、ジョルジョ・サンドのおうちがあるみたいですね。「最も美しい村」にも登録されているようで、観光資源満載、山間の観光地という位置付けなのか、観光客が沢山いて、びっくりしました。
それにしても、サンドゆかりの土地は多くて、私など求めてもいないのに、結構遭遇しています。動くのが好きな方だったのですね。結果、現代の観光に一役かっていますね。

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サンドのお家は現場では知る由もなく、写真もないですが、この高低差の激しいロケーションを視覚化したくて、私にしては珍しく、結構風景写真を撮っていました。

さて、教会です。

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ここ、事前のイメージとか、最初の印象よりずっと面白くて、期待を上回りまして前回の教会同様、柱頭などの装飾にのめり込みました。
まずは、訪ねた順番で、地下聖堂から。

クリプタは、大好きな場所なので、クリプタあるというだけで行きたくなってしまうし、開いているならまずは入ってしまう、となります。というわけで、最初にアクセスすることが多いのです。
もうね、何が起こるか分かりませんから、好物は最初にいただく、が鉄則、笑。

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教会の建つ場所は傾斜しているようで、地下聖堂は、傾斜に沿って作られているようです。フレスコ画は、13世紀から14世紀のもので、まさにそういったテイストとなっていました。構造的には、尖塔アーチだったりして、単純な知識しかない私などは、絵画のテイストと相まって、時代が下るかな、としか思えないのですが、どうでしょうか。
そうはいっても、雰囲気は良かったです。

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絵画の内容は、キリスト幼年時代のストーリーとか、最後の審判など、新約聖書中心ということでしょうか。
一部の保存状態は良好です。

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マギ、良いですよね。オリジナルはきっと彩色も激しかったりして、すごかったんだろうなぁ。お城の教会だから、一般の人は目にすることが出来なかったのかな。
小さいとはいえ、こういった装飾にはお金かけられるくらい、この村の領主様にはお金があったということだとしたら、何が財源だったのでしょうかねぇ。

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フレスコ画は、いつどのような加筆修正が行われたのか、なかなか分からないと言われているようですが、これなんか、絶対されてますよね。なんか、手が、劇画しているっていうか…。
にしても、これの図像ってなんでしたか。

地下聖堂の祭壇には、素朴な様子の聖母子像が置かれています。

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解説によれば、以下。
「祭壇には、ナイラックの領主が十字軍から持ち帰ったと言われている多色の木の美しい聖母子が玉座に置かれています。」
ということは、この土地ではなくて、十字軍遠征先のどこかで作られたものということなんでしょうね。イタリアとかかもしれないよね。とにかく素朴、という言葉がぴったり。幼子の顔だけ、美しく彩色があるんだけど、これは修復なのか、それとも奇跡的にこうなのか。

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時代が下るにしても、このくらいの装飾性があると、なかなか満足度たかいです。
続きます。

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コメント

剣を咥えたキリスト像、キリストの左右で絵の時代が違っているように思います。
右が描かれた当時?ラッパを吹く天使が描かれている。
ラ・ランド・フロンサック La lande Fronsac (ヌーヴェル・アキテーヌ地域圏 ジロンド県)
Église Saint-Pierre サン・ピエール教会 で観たタンパン彫刻(旅路はるか 2019年秋9日目)では 
剣が片側に突き出ているのを観ました。 他で 両側に出ているのを見たような気がするのですが、急には思い出せません。
ヨハネによる黙示録1ー16 から来ているのだと思います。
  1. 2023/07/28(金) 02:53:17 |
  2. URL |
  3. 剣を咥えたキリスト #C8Q1CD3g
  4. [ 編集 ]

黙示録

YKさん
いつもありがとうございます。
書いた後で、絶対どこかで見たはず、と考えていて、アナーニではなかったかと確認したところ、ありました!Anagniでも、片側、ほっぺたの右側の方に突き出している図像でした。黙示録なんですね。聖書は全然読めていないので、にわかにエピソードが分からず、苦労します。
両側飛び出しも、絶対にどこかで見たように思うのですが…。記憶の衰えも激しく、アナーニを思い出せただけで、御の字というところです、笑。
  1. 2023/07/30(日) 16:03:18 |
  2. URL |
  3. Notaromanica #-
  4. [ 編集 ]

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