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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

素敵なピクニック・エリアにも大満足(ラヴァルダン41 その2)

2019年8月夏休み、フランス中部の旅、その63(ロワール・エ・シェール)

ラヴァルダンLavardinのサン・ジェネス教会Eglise Saint-Genest、続きです(毎日9時から18時)。

教会内部、フレスコ画以外にも気になるものがあります。

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柱頭です。身廊の方は、角柱が並んでいますが、装飾的には愛想のないたたずまいとなっています。一方、内陣の方には、すっごく古そうな、印象としては10世紀あたりじゃないか、とも思える巨大柱頭が。

この内陣の柱頭、背が低くて、162センチの私の目の高さ。

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そういえば!
これは純粋脱線ですが、夏休み前に、会社主催の人間ドッグなるものやってきたんですよ。色々あって、ちょっと困ったわの結果もあったりするんですがそれは置いておいて、なんと、身長が伸びていた…!
年取ると、縮むっていうのは聞いたことありますけど、伸びるってすごくない?
最後に慎重を計ったのがいつだったのか、思い出せないけど、長い人生、ずっと160センチと思ってきたのが、今回162センチって、2センチも高かった。
高校生くらいまでは、健康診断って学校でやってくれたとおもうけど、その後どうだったのか。体重は気軽に測れるけど、そういえば身長って測らないよね。だから、実は10代の頃すでに162センチあったのかもしれないよね。
いやはや、びっくりしました。
困ったのは、それによって、BMIの数字が悪化、痩せすぎ度がマシマシ。去年の事故入院で落ちた体重、なかなか戻らなくて困ったもんです。

と、誰にも興味のない話、失礼しました。
柱頭に戻ります。

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解説。
「最も幻想的で最も神秘的な装飾は、内陣の 2 本の円筒柱の柱頭の装飾です。巨大で粗野な外観を持ち、謎めいて未完成で切断されており、黄土色と青の痕跡があり、基部には円筒形をした玉縁文様があり、副柱頭の角には渦巻きがあります。」

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「南の柱頭には、長い尾を持つ 2 頭の向かい合った動物が彫刻されています(欲望?)。他の二匹の動物が隅にいます。」

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「北の柱頭は内陣に向かって修道院的な祝福を示している。聖ブノワだろうか?
身廊に向かって、この同じ柱頭は、幼子イエスを膝の上に抱えた非常に古い聖母の図像を表しています。」

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この幼子が、やけに細かい彫りになっていて表情までついててびっくりです。渦巻き模様にしろ、全体の彫りはかなり稚拙でプリミティブな様子だから、やはり古いものと考えられますけど、ちょっと不思議。

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後付けすげ替え疑惑、あるあるですね、笑。

いずれにしても、味わい深い、好物系柱頭です。

その他、随所に古典テイストを感じる彫り物を見ることが出来ます。

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主に教会創建後に派手に描かれたフレスコ画が、特に13世紀以降のものが目立ってしまう教会ですが、オリジナルの教会は、こういった素朴な彫り物装飾メインの教会だったのだろうと思います。フレスコ画のせいで、目がどうしてもフレスコ画に引き寄せられるのですが、浮彫チェックも忘れてはなりません。

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地味っぽいけど、彫り物、凝ってて、窓脇のなんか、ネジリン棒で上から下までびっしり。

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動物よりも人物が得意な石工さんだという印象です、笑。動物もうまいけど、なんの動物だろうっていうやつばっかり。ファンタジスタだったのかな。

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では、外に出て、外側をさらりと。

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全体にすっきりなんですが、やはり随所に欠かせないアイテムって感じの浮彫が施されていて、どれも好きなやつです。

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市松ものこぎり歯みたいなのもとても良いですね。

「東側後陣
鋸歯状のアーキボルトと柱頭のある小さな柱を備えた 3 つの美しいロマネスク様式の窓が建物を飾っています。」

この窓の右下に、このような浮彫がはめ込まれています。

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縮尺が変ですが、狩りっぽく見えますね。
他の窓の近くにも、やはり人物像の浮彫がありましたが、これは、ズームで撮影していないことから、現場では気付いていなかったようです。

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光と影の効果で、場所に寄っては肉眼では見えにくいものもあります。この浮彫は、傷みもあり、またかなり浅い様子でもあるので、壁面と一体化してしまったのでしょう。もしかすると、これが、解説にある「後陣の北には、アブラハムの犠牲を思い出させる 2 人の人物がいます。」かもしれませんが、よく分かりません。

外壁には、どうやら結構な数のこういった浮彫はめ込みがあるようで、いくつかは現場で気付けませんでした。例えば、ファサードの扉上にあるもの。

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分かりませんよね。よく見ると、うっすら見えました。

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他にあったのだから、もうちょっと目を皿にすべきでした。
これは解説では、「ポーチの上に5人の人物。五人の賢い処女とも考えられます。」とあります。確かに五人見えるけど、想像の決めてはそれくらいということなのでしょうね。

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「天使によって空を運ばれる人物。メインモチーフが欠けているようだ(昇天の図像?)」とあるやつなのかな。こういった浮彫は、唐突だから、他の場所にあったものがはめ込まれたということかと思うのだけど、それに関しては、どこから来たのでしょう、という疑問を投げかけているだけ、つまり、いまだに判明していないということなのでしょう。

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ここにきて思うのは、この教会って宝探し系なんです。でも、なまじ派手なフレスコ画があるから、ちょっと満足しちゃって、せっかくの宝探しが疎かになってしまうという残念なことになっているっていうか、まぁ、ロマネスク視点での残念なんですけども。
もしフレスコ画がなかったら、絶対もっとあるはず的な頑張りができたと思うんですよねぇ。って、そういういい加減なのは俺だけかな、笑。

それにしても、大満足でしたね。
その上、前回も記したとおり、実に美しい村でして、ちょうどお昼の時間にもなりましたから、村を流れる美しい川のほとりで持参サンドイッチ(ホテルの朝ご飯で作ったやつ、笑)でピクニックしました。

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ゴシック橋Pont Gothiqueの近くのピクニック・エリア、次々と地元の人たちもやってきて、実にのどかなランチ時間を過ごせました。サンドイッチ持っててよかったよ、ほんと。


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テーマ:フランス - ジャンル:海外情報

  1. 2023/09/11(月) 20:10:14|
  2. サントル・ロマネスク 18-36-37-41-45
  3. | コメント:0
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