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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

鍵を求めて行ったり来たり(モントワール・シュル・ル・ロワール41、その1)

2019年8月夏休み、フランス中部の旅、その64(ロワール・エ・シェール)

次に訪ねた村は、前回の美しい村から、ほんの3キロほど北西に移動したところで、実際歩いてもいけそうな距離だったんですが、村に着いてから、鍵の手当てに歩き回ることとなりました。
どゆことかというと。

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印のあるのが目的の礼拝堂なんですが、鍵を借りる必要があるんです。その情報は、事前に得ていたので、まずは鍵を求めて、Place ClemenceauにあるCafe de la Paixというカフェに行かねばなりません。
事前情報を載せておくと、「祝日ではない木曜以外はカフェで、それ以外の日はカフェ隣のMagasin l’Escarpinで、鍵を借りることができる」となっています。

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私は、まずは礼拝堂に行ったものの、クローズ。現場に上記の情報が記されていたので、結局カフェのある広場に移動して、幸いその広場に駐車できたので、鍵を借りて、また礼拝堂まで戻った次第。礼拝堂周辺は狭い道ばかりで駐車しにくい気がしたので、広場に駐車したまま徒歩で往復しました。

ちなみに、鍵を借りるのは有料で、人数を聞かれ、一人だというと5.50ユーロ取られました。

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首尾よくカギをゲットして、ルンルンしながら礼拝堂に向かいます。鍵を借りたときは、いつもなんだかスキップ気分になりますね。同じ経験をしている人には分かってもらえると思いますけど。

細い路地を抜けて、先ほどの場所に戻ります。

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この、すでに住人がいなくなったような様子の、高い塀に囲まれた白い扉がそれです。ワクワク、鍵を開けます。

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モントワール・シュル・ル・ロワールMontoire-sur-le-Loireのサン・ジル礼拝堂Chapelle Saint-Gillesです

誰もいない場所に、一人でこっそりと侵入する感じが、もうわくわくドキドキです。
この礼拝堂については、ツーリスト・インフォメーションでもらったと思しきフライヤーがありましたので、そちらの解説を読んでみました。

「サン・ジル礼拝堂
11 世紀末に建てられたこの修道会礼拝堂は、サン カレーのベネディクト会修道院に属すものとして建てられました。隣接する家はかなり改装されているが、修道院長の住居でした。
施設全体は 18 世紀末に放棄され、1840 年から 1841 年の冬にロマネスク様式の絵画が発見されたにもかかわらず、建物は荒廃しました。1917 年以来、敷地の所有者であるジェラール家が維持管理し、一般に公開しています。
11 世紀には、地面の高さは 1.20 メートル低くなっていました。ロワール川沿いに工場が建設され、渓谷の沖積土が徐々に隆起していきました。
丸い後陣には、小さなビーズのコードで強調されたスラットが穴を開けられています。絵画的なモチーフを備えた数多くの軒持ち送りは、20 世紀に部分的に作り直されました。
北と南の礼拝堂は長方形の形をしており、後陣を調和して囲んでいます。身廊については部分的にだけ残っています。最初の柱間では、繰りぬかれた楕円形と半円形の南壁、そして葉の茂った柱頭のある小さな柱で囲まれたロマネスク様式の入り口のある西壁です。
毎年 9 月 1 日、サン ジルの祝日には、そこでミサが行われます。」

ざっくりとこんな感じです。長年放棄されていたというのに驚き、たまたま所有者となった方が一般公開されている、ということにも驚きました。マイ礼拝堂を所有するだけでも相当なもんなのに、それが11世紀起源で、ロマネスク絵画のマスターピースとまで言われているお宝を内包しているというのは、ちょっと一般の感覚ではねぇ。
鍵の管理をしているカフェも、もしかするとジェラール家ゆかりということなんでしょうかね。

という下世話な話は置いといて、見ていきましょう。
キモは内部の壁画ですが、まずは外側から。

塀の外からは、廃屋のような様子でしたが、塀の中は結構広いスペースとなっているのに驚きます。

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後陣と反対側の西側、こうなっています。建物前のスペースに関しての説明はなかったので、詳細は不明ながら、構造は古いようです。ポルティコというか、教会前に置かれた前庭みたいなスペースって、古い時代の教会にありますよね。そういう場所かな。アクセス口の様子からは古さが感じられます。

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上の解説で、11世紀の建設当時は、今より1.2メートル地面が下だったとありますが、つまり、この門はその当時の高さにあるということなのかな。ってことは、やはり創建当時の構造物ですね。

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入り口以外の場所は、現在の地面の高さになっていますから、発掘された部分のようです。

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フライヤーに平面図が載っていました。やはり往時の建造物だったのですね。つまり本堂だったということかな。現在は内陣部分だけが残っているということ。礼拝堂というので、なんかこれがすべて、みたいに思い込んでいましたが、ちゃんとした教会だったのですね。

メインの後陣。軒持ち送りがありますね。

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軒持ち送りは、近代に作り直されたともありますが、どれがそうなのか、再建もあるのか不明ですが、全体になかなかにチャーミングです。

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ワクワクがつのってきましたか?
次回、壁画を紹介します。


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テーマ:art・芸術・美術 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2023/09/12(火) 20:10:18|
  2. サントル・ロマネスク 18-36-37-41-45
  3. | コメント:0
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