ここは、ちょっと期待の教会。起源がとっても古いみたいだし、そんなことで、有名だったりするみたいです。一般観光客は、知らない人の方が多いとは思うんですけど、古代、中世系の人には、必見、って感じなんですよ。
外観は、意外にも、結構でかい。それにかなりきれいに修復されていて、あれ?って感じです。
ここは、チェックすべきものがたくさん。まずはこれ。正面入り口の脇に、ひっそりとある、薄汚れて打ち捨てられたような左扉の木彫りレリーフ。
しかし!暗い!薄汚れている!下部はそれでもガラスで保護されている!という三重苦で、レリーフの細かい部分は、肉眼ではよく見えないんですよねぇ。これは残念でした。この写真も今ひとつですが、普段フラッシュを使わないわたしでも、こればかりは、フラッシュなしでは、到底撮影不可能の暗さだったんですよね。
中に入ります。
おお。
ここは、第一印象として、あ、いいな、って。こうしてみると、他のバロックばりばりの教会とあまり変わらない感じですけれど、そういう感覚は、実際にその場にいないと分からないでしょうけど、あ、石だな、いいな、って暖かい中世の空気が感じられたんですよ。壮大ですけどね、でかいし。
ファサード側の内壁に、お約束のモザイク。きれいですよ。
でも、この教会で目を奪われたのは、二つ。一つが、この窓の美しさ。
これがもしかして、ステンドグラスの原型か?とか思ってしまったんですけど、どうなんでしょうか。石で、いろんな幾何学模様が作られていて、それが作る影がとても美しいし、窓のモチーフとしても、それだけでもとても美しいんです。去年旅したウンブリアでも、小ぶりなものはいくつか目にしたと思いますが、ローマでは、多くの教会に、このタイプの窓模様がはめ込まれていました。
ほとんどは後代の複製ということですが、複製でもなんでも、おそらくオリジナルは、こういうものがあったはずで。開口部を大きく取るための、石の支えという意味があったのでしょうか。
反対側の側廊の窓から入る朝日で、きらきら。ね、きれいでしょう。
そしてもう一つは、おなじみ、中世の大理石浮き彫り!
ここはすごいです。オリジナルの構造がそのまま残されていて、このレリーフ版も、ぐるりと内陣を取り囲んでそのままで。すばらしいです。感嘆の声を上げながら、一人で興奮の早朝でした。勿論、こんな早朝にこんなところにいるのは、関係者だけですからね。
そう、関係者といえば。
散々、教会を堪能したあと、ここにはキオストロもあるはずだが、さて、とうろうろしていると、おやじに捕まりました。どう見ても関係者なので、ねぇねぇ、キオストロは、どこから入るの?と尋ねたところ、いきなり手を握られ、キオストロは、団体の予約しか見学できないんだよ、とか何とかいろいろと説明を始めたのでした。
ああ、そういえば、若かりし頃、おやじキラーと言われていたわたし。特にイタリアの田舎に行くと、おやじ(というより爺さんか?)に好かれて、よく手を握られたりしていたかも。そんなことは長いことなかったなぁ、などと回想しちゃいました。でも、だんだん身体も近づけてくるおやじ。こりゃいかん、とあわてて、あ、それは残念ねぇ、なんか言いながら、無理やり手を振りほどいて、逃げてきたのでした。
残念でしたね。教会の感じから言って、キオストロも、かなり期待できると思っていたので。
それにしても、このサン・サビーナは期待にたがわず、よい教会でした。ちょいと不便な場所ではありますが、中世好きにはお勧めですよ~。
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- 2009/12/31(木) 07:59:20|
- ローマの中世
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