2019年8月夏休み、フランス中部の旅、その71(アンドル・エ・シェール)
新しい一日は、雨音で始まりました。このところお天気がいまいちで、どこでも寒かったのですが、夜半から結構激しい雨だったようで、5時ごろに目が覚めてしまい、結局二度目ができないまま、6時には起きだしてしまうことに。
元々早朝出発の予定だったので、朝食は不要としていたので、8時前には出立していました。
通り道にある町が最初の目的。
目的といっても、教会そのものは、あまり興味がなかったのですが、なんせ通過点なので、立ち寄ることにしました。
アンボワーズAmboiseのサン・ドニ教会Eglise Saint-Denisです。雨でもあったことだし、教会近くの駐車場に首尾よく止まれたのは何よりでしたが、早朝8時半ごろでしたから、もとより開いているとは期待しておらず、落ち着いてアクセスできます。
それにしても、かなり立派な教会ですね。教会の壁に掲げられた案内板には、以下のようにありました。
「1107 年にアンボワーズ領主ユーグ 1 世が、トゥール司教サン・マルタンによって建てられた教会の跡地に建てたもので、16世紀に拡張されました。」
きっと、サン・マルタンの建てたのは小さな教会で、その後12世紀にロマネスク様式のそれなりの教会になって、16世紀、町が繁栄しまくっていたころに、こういった巨大教会になったのでしょう。
さらりと見ていきます。

愛想のない、フランスっぽいと言えばぽいファサード。なにもないようです。

回り込むと、南側とか後陣部分に、いくらか古い様子が残され、軒持ち送りに面白いものが見られます。

事前の調べだと、内部には柱頭にも見るべきが残されているようなのですが、外側では、この軒持ち送りだけとなります。

サイズが大きめで、テイストとしては古典的な様子もあり、なかなか面白いので、内部の柱頭も気になるところですね。

街が大きく発展した時代にも、この古い軒持ち送り、よく残したな、と思います。
この辺り、ご存じの方はすぐにピンと来たと思うのですが、アンボワーズって、ロワールのお城群の中でも著名度の高いお城のある町です。
多分、これ。

アンボワーズ城Chateau Amboise(毎日9時から19時)。
この辺り、昔々あこがれたこともあったし、ほら、若い娘ってヨーロッパのお城とか好きじゃないですか。だから、お城一個くらい、見学してもいいな、とうっすらとは思っていたんです。
でも、お城って、見学しても、別に~、それで~?みたいなことも多いのを分かっているので、この巨大なお姿を見たら、もうこれでいいか、となっちゃいました。
でも、実はここにはもう一つ気になるお城がありまして。
それが、こちら。

クロ・ルセ城Chateau du Clos Luceです。
ここは、かのレオナルド・ダ・ヴィンチが、最後の日々を過ごしたお城で、私が訪ねた2019年、レオナルド没後500年ということで、かなり大規模な記念祭が行われていました。
一応、お城のところまでは行ってみたんですよ。早朝だったこともあったのでしょう、駐車場にも止まれて、お城の入り口の方まで行ってみたんです。
でも、まだオープンしてない時間だったし、雨だし、結局入り口だけ見て、引き返してしまった。
レオナルドの生家があるヴィンチ村は、シエナで学生していた時代に訪ねたことがあります。当時は本当の田舎で、観光客も少なく、のんびりと緑の中の散歩を楽しんだ記憶があります。また彼は、ミラノ候のルドヴィコ・イル・モーロとの生活も長かったから、スカラ座前には像が立っていて、しょっちゅうお目にかかっていますし、なんか近しい人出もある、笑。
そういう人の最後、こんな遥々来ちゃったんだなぁ、と感慨深いものがありました。ルネッサンス期は、当然、中世よりは交通も発達していたでしょうし、実際、人の往来も増えていたと思います。が、ルネッサンスで栄華を極めたフィレンツェからミラノへ、さらにフランスの田舎へ…っていうのは、やっぱりちょっと寂しいことでしたろう。
などと思いをはせながら、アンボワーズ、後にしました。
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- 2023/09/26(火) 20:29:58|
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