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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

絵のように美しい(ノワイエ・シュル・シェール41)

2019年8月夏休み、フランス中部の旅、その72(ロワール・エ・シェール)

しばらく、アンドル・エ・シェールという県をうろうろしていたのですが、ロワール・エ・シェール県の飛び地のような村に立ち寄ります。

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ノワイエ・シュル・シェールNoyers-sur-Cherのサン・ラザール礼拝堂Chapelle Saint-Lazareです。
村のはずれにあり、街道沿いにありますから、見逃すことはないという素敵なランドマークになっていますし、教会の周囲は美しく整備されていて、嬉しくなるようなたたずまいですよね。

ここは、おそらくすでに教会としての機能はなく、イベント会場として使われているようで、イベントがある期間だけ、会期に合わせて入場できるようです。
私が訪ねたときは、絵の展覧会会場となっていたようで、オープンは毎日15時から17時。早朝の訪問でしたから、当然入れませんでしたし、展覧会中なら、鍵を探しても入れないだろうと思い、入場はすぐあきらめました。

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若干、やりすぎ感ないでもないかな、笑。

見所は、軒持ち送り、柱頭、たたずまいと事前にチェックしておりましたが、まさにたたずまい、少なくとも入場できなかった私にしてみると、これが一番かもね。

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どこから見ても美しいお姿です。
後陣や側壁に、軒持ち送りがずらりとあります。

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後陣は全体としてすっきりと均整の取れた装飾で、お、というような浮彫などはないようです。
でも、上の方にあるシンプルなギザギザ帯、好きです。

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そして、側壁の方は、市松帯となっていて、ご存じのように、これもわたしの好物です。

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いくつか、楽しいやつらもおりますよ。

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うさちゃんペア。
耳に、反射的に、かわいい、と思わされちゃうんだけど、意外と不気味タイプですね、笑。

ところで先日、多頭飼い飼育崩壊みたいなニュースドキュメンタリーを見ていたら、ウサギのケースが出てきて、ウサギ専門のレスキューボランティアをしている人が、「ウサギは、30秒雄雌を一緒にしといたら、もうできちゃいますから」とおっしゃっていて、たまげましたね。多産のシンボルに使われるわけが分かるっていうか、それほどとは…。ネズミ算に匹敵するか、もっとかもね。まぁ、そのくらい生まないとサバイバルできない被捕食動物ということでもあるのかな。

すごい脱線しました、ペコリ。

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フクロウは、フランス好きだよね?
でもこのフクロウ、12世紀なのかな、もしかして再建?と思うくらい、現代っぽいんだけど。明らかにフクロウって分かり過ぎるっていうか…。

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これは…。にゅるり感がかわいい…。そして、エルマーと竜を彷彿してしまった、にゅるりとした曲線からね。
最近、インスタグラムでフォローしている人が、エルマーの原画展かなんかの写真をアップしていたんだけどね、こんなにかわいかったんだっけ?!とわくわくするくらいかわいくて、絵本が欲しくなったところ。
いつの時代にも、誰もが愛さざるを得ない良い児童書や絵本があると思うんだけど、エルマーは間違いなくそういう本の一つだよねぇ。まぁ、世代が違うと通じないところもあるんだろうけど。

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ワシだと思うけど、もしかするとペリカンかもねぇ。胸の下の方に、なんか傷ついてる風な様子もあるし。

と、動物ばかり、かわいいからあげたけど、他にも幾何学系が結構ありました。

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おなじみの鉋屑もあるようですね。

そして、南側に入り口があり、扉の上にも軒持ち送り。

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ここのは相当傷んでいて、鷲かペリカンのやつは、この並びに置かれているけど、おそらく再建と思います。

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現場に、簡単な解説版が置かれていたので、見ておきます。

「サン・ラザール礼拝堂
礼拝堂は、サン=テニャンのホスピスに従属する、より大きなグループであるノワイエの「マラドリー(ハンセン病患者用病院施設)」の一部であった。
このマラドレリーは、ハンセン病患者、特にサン・シルヴァンの巡礼に参加した患者たちを歓迎した。
12 世紀半ばに建てられたこの礼拝堂は、1862 年に歴史的建造物に指定された。この礼拝堂の規模は、この地域で最も魅力的なロマネスク様式の建物の 1 つ。建物の側面にはエレガントな控え壁があり、その頂にはコーニスが付いていますが、その一部は身廊の屋根が変更されたときに消えてしまったに違いないだろう。身廊と内陣を隔てる切妻の頂上には 2 つのアーケードを備えた鐘楼があるが、おそらく礼拝堂の建設後のもの。」

最後に、大事なことを一つ。

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この、地味なファサードを回り込むと、その先に小屋がありました。
結構切羽詰まっていたので、もしや?とすがる気持ちでのぞいてみたら、有難し!トイレがありました。
物置小屋兼トイレ、という様子で、鍵もかかっておらず、大変助かりました。
この辺り、朝は実に寒く、この日も雨模様でしたから、結構切実。
そんなこともあったのか、この教会、入れなかったにも関わらず、記憶が超鮮明です、笑。

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テーマ:art・芸術・美術 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2023/09/28(木) 20:52:48|
  2. サントル・ロマネスク 18-36-37-41-45
  3. | コメント:0
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