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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

いつかやりたいダニエル特番(サンテニャン41 その4)

2019年8月夏休み、フランス中部の旅、その76(ロワール・エ・シェール)

サンテニャン・シュル・シェールSaint-Aignan-sur-Cherのサンテニャン教会Eglise Saint-Aignan、続きです。

解説に沿って、残りの柱頭を観察。

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「2 番目の柱の後ろでは、人間の頭を持つ 2 頭のドラゴンの間で不死の杯を飲んでいる 2 羽の鳥がいます。」

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「3番目の礼拝堂の左側には、先に周歩廊の入り口で見た、頑固なヤギのオリジナルのモデルがあります。この柱頭はロマネスク芸術の中で最も優れたものの一つとして知られています。」

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「聖域の最初の列の後ろには、2人のいとこ、エリザベスとマリアの面会である訪問の場面を見ることができます。」

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「次の柱の上で、ダニエルが再び二頭のライオンの耳を押しのけているのが見えます。」

これは、合ってるかどうか、ちょっと自信ないな。ライオンには見えないもんね。ライオンにしてはふざけ過ぎだよね、笑。
それにしても、ダニエルさんのバリエは、新旧沢山あって、ちょっとびっくりした。分かりやすいのもそうでないのも。後ろの方にも出てくるし、これもダニエルに見えないでもないけど?というのもありました(下)。

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これね、なんかちょぼちょぼっと凹凸があるような様子で、一見よく分からないんだけど、よく見ると、真ん中に人がいて、両脇で二頭の獣がちんちんしてるように見えるの。完全に飼いならされてるっていうか。
線としてはすごくシンプルなのに浮かび上がるのは、結構深彫りだからなんだなっていうのが、右側面の様子で分かりますね。相当深いよね。
今更の認識だけど、浅い彫りで分かりやすいためには、それなりの詳細な彫りが必要だけど、深いと、シンプルでも分かりやすいということなんだな。でも、正面から見たら、この彫りが、それほどの深彫りには見えないですよね。

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「近くの身廊に通じるアーチの下、左側にエジプトへの逃避が見えます。ヘロデの兵士の一人が剣とこん棒を持って逃亡者を追いかけています。」

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ふふ、って笑い事じゃないけど、剣とこん棒、分かりやすすぎの武装で、なんか笑っちゃうよね。

「右側には、人間の顔をして絡み合ったヘビが見えます。」

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「身廊の 3 番目の区画の右側で、脅威を与えている 6 頭のライオンの真ん中にダニエルが座っているのが見えます。柱頭は修復され、インスピレーションは東洋的ですが、間違いなく元になったモデルは消失しています。」

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狛犬、いや、シーサー感、半端ない子たちですね、笑。恐ろしい面構えなのに、ダニエルさんになついちゃってる様子もあらわで、何ともかわいらしい、ちょっとぶちゃいくだけどチャーミングなパグ犬のようなポジショニングでしょうか。

今は、旅の記録的に、こうやって教会毎に見ていくことをやっているのですが、いつか、テーマをもってまとめてみたいと夢見ています。例えば、ダニエルさんの柱頭を集めて並べて、見比べてみたり、自分の中の人気投票をしてみたり、笑。
多分、イタリア生活を無事終えて、年金をゲットして、日本に戻ったら、そういう時間もできるんじゃないかと期待しています。
見比べターゲット、まずはダニエルさん、そしてサムソンですよねぇ。

柱頭、こんなところでしょうか。全部撮影しきれなかったのは残念だけど、見ごたえのある教会だということは分かってもらえると思います。私には珍しく、見学には1時間余かかりました。

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立派な内装に別れを告げて、外側もぐるりとします。

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実は、外側にも装飾的アイテム、びっしりです。

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この辺、装飾的幾何学モチーフ帯は好きですが、軒持ち送りは、時代が下るような感じで、あまり好みじゃなかったのは幸いでした。というのも、かなりおなかいっぱいだったうえに、雨が降ってきちゃって。それもあほなことに、傘を車に忘れて来ちゃってたんですよ。

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霧雨っぽかったので、実際にはあまり感じてなかったんですが、こうしてみると、かなり降っていたのですねぇ。よくカメラが曇ったり、水滴付いたりせずに撮れたものです。

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後陣側も、かなり沢山の彫りもので装飾されていました。

最後に、これは北側側壁にある扉と思いますが、こんな風に、街並みに取り囲まれた状態です。

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12世紀の装飾があります。

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こんなところまでしっかりあるんだもんね、柱頭。そりゃ250にもなるわね。

というわけで、この教会だけで、およそ200枚ほど撮影してしまったようです。フィルムカメラの時代には、不可能だったことですよね。デジタル万歳ってところですが、記録のために何でもかんでもとりあえず撮っておく、というのがデジタルですから、それも良し悪しで。まず、”これ!”という良い写真が撮れなくなりました。そして、写真の整理が大変になるばかりです。
フィルムカメラの時代には、現像代もかかりましたから、構図だったり光だったり、色々考えて、常に決めを考えていたと思うんですけど、今、そういうのないですもんね。ま、基本、有難いことなんですけども。

長丁場になってしまいました。サンテニャン、以上です。


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テーマ:art・芸術・美術 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2023/10/02(月) 20:21:45|
  2. サントル・ロマネスク 18-36-37-41-45
  3. | コメント:2
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コメント

私はもう気力がありませんが、 テーマ別に 壁画、彫刻を整理する、というのはいいですね。 ぜひお願いします。
  1. 2023/10/04(水) 02:44:35 |
  2. URL |
  3. yk #C8Q1CD3g
  4. [ 編集 ]

是非

ykさん、気力がないなどとおっしゃらず、まとめていただきたいものです。
わたしも、将来に期待したいですけど、そんな余裕のある日が来るのでしょうか…。
ってか、早くたまっている写真の整理を終えて、現在進行形で色々やっていきたいものです、笑。
  1. 2023/10/07(土) 16:02:22 |
  2. URL |
  3. Notaromanica #-
  4. [ 編集 ]

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