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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

ローマの技術力と緻密さにはあきれるっていうか(ネリ・レ・バン03 その1)

2019年8月夏休み、フランス中部の旅、その122(オーヴェルニュ、アリエ)

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次に訪ねたのは、ネリ・レ・バンNeri-les-Bainsのサン・ジョルジュ教会Eglise Saint-Giorgesです。

早速入場します。

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石肌が見えていて、良い感じです。
ここね、柱頭の浮彫が面白いので、ついそっちに気を取られつつ、この石がむき出しになっている様子が、フランスとしては珍しい部類に入ると感じたのか、結構撮影をしておりました。
解説もちょっとあるので、まずは構造的な部分を載せてみますね。

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中央身廊は、身廊を支える柱にくっついたつけ柱から、アーチが持ち上げられたトンネルヴォルトですね。
この、ヴォルトのつくりというのか、身廊の構造というのか、素人目には、これでもかの強固な作りになっているように見えて、そして、石積みが見える分ますますそういう頑固一徹!みたいな雰囲気で、ちょっと目を奪われます。

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側廊部分も、こんななんです。
柱からアーチで、そこにも仕切り壁っていうか、補強的な感じですよね。
ここまでやったのは何だろう。構造に自信がなかったのか、こういう武骨な工業的テイストを持つ棟梁だったのか(工場萌え的な、笑)。だって、建築的にはここまでの必要は絶対ないですよね?

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クーポラの持ち上げ部分、最近の記事で言及したかまぼこ状になっています。オーヴェルニュ風だったっけね。あとで触れますよ。

それにしても、このなんだかズレ感もある石積み、よいわぁ。

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図面と、各所の年代です。この教会、起源が古くて、最も古い部分は、2世紀のローマ時代の異教の教会となっているようで、一部、Romain、つまりローマ時代の名残が見られるという激しい年代物なんです。

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解説行ってみましょう。
「初期の教会:
ブルボネ最古のキリスト教の建物で、6 世紀、11 世紀、12 世紀に建てられました。それぞれの時代がそこに痕跡を残しているため、美術史にとって非常に興味深い記念碑です。
この教会は、2 世紀に建てられたローマの民間大聖堂の跡地に建てられ、4 世紀から 6 世紀にかけて再建され、北壁が残っています。この壁はローマ時代の壁の特徴をすべて示しています。厚さは 86 cm で、3 つのレンガを連ねた立方体の石を 6 列並べた小さな表面で覆われています。」

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この、ローマの壁は、イタリアでも結構あるタイプじゃないかと思いましたが、どこ、というのは思いつきません。上は内部ですが、外壁も同様の様子が見られますよ。

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建築上の必要から編み出された技術と思うのですが、見た目も美しく、さすがローマと思わされますよねぇ。

解説、続きです。
「6 世紀、ベリー出身の隠者パトロクルがネリとその地域に福音を伝えるためにやって来ました。彼はこの民間大聖堂を聖マルタンに捧げられた礼拝堂に変えました。 この長方形の建物は現在の教会と同じ幅です。」

フランスで大人気のマルタンさん。

「ロマネスク教会:
およそ 536 年から 556 年の間にパトロクルが滞在した後、ネリは宗教生活の中心地となり、その名声は古代ブールジュ教区のナルゼンヌ大助祭l'archidiacone de Narzeneの住居に選ばれるほどでした。その後、ネリの教区教会は、ブルボン王アルシャンボー 2 世によって、その再教化に着手したエヴォー修道院monastere d'Evauxの正規参事会に与えられました。しかし、ネリ修道院の財産はブルボン卿の管理下にあります。
11 世紀には、後陣、トランセプト、塔が建設されました。12 世紀後半に、元の教会、大幅に変更され盛り上がった側壁、ファサードの壁を残しながら、身廊と側廊が改修されました。聖ジョルジョに捧げられたこの教会は、長さ 31.10 m、幅 10.70 m です。後陣は北東を向き、ファサードは南西を向いています。」

ざっとこういう歴史です。
次の解説に行く前に、位置を見ておきたいと思います。というのも、解説に、「この教会は、オーヴェルニュ派、ベリー派、ブルゴーニュ派の三重の影響を受けています。」とあったからなんです。

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緑の線の向こうが、左側の方はベリーで、右側の方はブルゴーニュという感じですが、こう見ると、そう近いわけではないですね。
とはいえ、まぁまぁ境界状にある、ということにはなるのですかね。他の地域との往来が頻繁にあったと言えばあるわけで、オーヴェルニュの中でもアリエは最北に位置するので、そういう場所ということになるのでしょう。

では、それぞれの様式が、この教会にどう反映されているかというと、以下と説明されていました。

「・身廊の独創性は通路のアーチ型のプロセスにあり、各柱間は身廊の軸に対して垂直に設置されたトンネル・ヴォルトで覆われています(ブルゴーニュ様式)。
・八角形のドームは、四つの角それぞれで、水平に置かれた三角形の板で切り取られた隅迫持ちをもって、翼廊の正方形を覆っています(オーヴェルニュ様式)。
・後陣には、11 世紀の長持ちの上に 一連の三個組のブラインド アーケードが置かれています (ベリー様式)。
・柱頭には、11世紀及び12世紀の彫刻。」

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上の説明の後陣にある、小人さん用周歩廊みたいな印象もあるアーチ構造、とても好きです。確かに古いイメージですよね。
そしてその前に置かれているこれ。

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オリジナルの書見台というか、これはなんと呼ぶべきアイテムなんですかね。
柱を再利用したものかもしれませんけど、なんか植物アイテムっぽくて素敵。石色もピンクっぽくて、好みです。

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テーマ:art・芸術・美術 - ジャンル:学問・文化・芸術

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