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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

巡礼=観光、ですよね(オルシヴァル63)

2019年8月夏休み、フランス中部の旅、その127(オーヴェルニュ、ピュイ・ド・ドーム)

アリエ県からカンタルを目指す一泊旅は、まず世界遺産観光から始まり、そして、通り道のピュイ・ド・ドームにあるいくつかの教会を訪ねました。
まずは、こちら。

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オルシヴァルOrcivalのノートル・ダム教会Eglise Notre-Dameです。

ロマネスクやる人なら、マストの教会ですよね。私も、初めてオーヴェルニュを回った2016年に訪ねており、その時の記事が、下となります。

2016のオルシヴァル

この記事で、いつか再訪したいと書いていたのが、たったの三年後にかなってしまったというわけです、すげーな。

再訪できてよかったと思います。
というのも、初めてのオーヴェルニュでは、実に多くの教会を訪ねることが出来たのですけれど、このオルシヴァルのような、背が高くて大きい教会って、ここにきて初めて出会う感じだったんですよ。それまでは、比較的田舎の、いかにもロマネスク、みたいなタイプばかり見ていたとこもあったので、次々と出会う規模のでかい教会に、腰が引けていたっていうか、端から引けていたっていうか…。

柱頭の浮彫など、ディテールは面白いんだけども、何かのめり込めない、味わえないところがあったのが、この三年間の経験は大きい。感覚が慣れてきたんだと思うんだけど、純粋に楽しめたところ、大いにあって。
好みでいえば、やっぱり規模の小さい、ロマネスク初期の素朴系が好物だけど、ディテールを楽しむという見方もできるようになったっていうか。大人になったっていうか、笑。

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とは言いながら、訪問時の感想としては、前回とあまり変わっていないので、そこは繰り返しません。
また、前回修行旅の頃は、事後にも、解説をきちんと読んでまとめることはあまりしていなかったので、今回手持ちの資料があれば読んでみたいと思ったのですが、非常に薄っぺらな、地域一帯を解説する本しか見当たりませんので、それに目を通すにとどめます。この教会に関しては、ネット検索で、多くの情報も出てくると思いますので。

その簡単な解説で、面白いと思ったいくつかを。
まずは、その立地です。

「なぜ、オルシヴァルの教会は、迂回が必要なシオレット川と掘削が必要な山の間にある、このような困難な場所に建てられたのでしょうか。
そのような信心のもととなった聖母像の発見後、トンボーの丘の古い礼拝堂の跡地に新しい教会を建てる責任を負った石工たちは毎朝、 前日の仕事が取り壊されているのを発見した。天の意志に反することを避けるために、棟梁はハンマーを投げ、それが落ちた場所、つまり三百歩下流の川と小川の間の場所に教会を建てることを誓いました。」

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地図で、右上の方に、礼拝堂があるんですが、そこのことなのかなぁ。そちらも、斜面っぽいんですけどもねぇ。ただ、やはり高い場所に建てるっていうのは、原則的にありますし、もともとこんなでかいものを想定していたわけではないから、あり得るのかな。
おそらく、何かしら不具合があったんでしょうね。
この町は、標高が660メートルとありましたけど、教会を中心とした町中の高低差は少なくて、教会は街道に面している立地なので、工事は丘の上より楽だったはずなので、職人さんたちが、理由を捏造した可能性もゼロではないかと、笑。

とはいえ、これは前回の記事にも写真を載せていますが、本来ならばファサードになるはずの西側が、山に迫っているなど、なんで?って思わされるんですよね。でも、一応ファサードの壁が立っているので、ギリできるしオウケイ!って感じだったのかな。

なるべく、前回の記事とかぶらない写真をあげていきたいと思います。

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この、フランス独特の木の扉、鉄の装飾が実に良いですよね。多くの場所で、その鉄にも装飾があるのが萌えますが、ここでも、愛らしいやつらがひっそりとおられます。

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こういった扉そのものへの装飾は、例えばイタリアでは見ないものなのですが、鉄などのマテリアルの有無によるとかなのかな。装飾と同時に補強でもあるし、もちろんコスト増の要因だし、そういう理由でもあるのだろうか。

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クリプト。
古い構造だとは思うのだけど、広くて背が高くて、そして修復もしっかりなされていて、若干引けてしまうタイプのクリプトです。
つい先日、ミラノの中心部にある古いクリプトを、やっと訪ねてきたのですが、それに通じる感じもあり、クリプトと言いながら、これはほぼ教会本堂だろうの規模感なんですよね。なんか、違う、的なね。やっぱり田舎の小さな教会派なんだよな、所詮、笑。

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上に戻り、中央祭壇。

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前回は、なぜか完無視していたようなんですが、中央に、キンキラの聖母子が置かれています。

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ガラスケースに収められています。衣も玉座もキラキラですごいですね。聖母のお顔がやけにリアルで、これは彩色にも寄るのだろうか?
ロマネスクであったとしても、この写実は後期だろうと思われますが、いずれにしても、よくぞこの状態で保存されたものですね。いや、修復はされたのだろうけれども。巡礼も押し寄せますよね、この美しさには。

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現場にあった図面で、各数字で、名称や柱頭のテーマを説明しているものです。
図面で、これまたちょっと面白いと思った解説がありました。

「黄金分割の幾何学
ノートルダムの建築主は、この聖堂の力強く象徴的な建築に黄金分割の比率を利用したようです。
図面で示すのは簡単なことだが、ナルテックスのない身廊は黄金の長方形を形成しているが、ナルテックスがある場合は 2 つの正方形を形成し、その共通の側面が 2 本の円柱によって強調表示されているが、明らかな有用な目的はなく、角柱に組み込まれている。このレイアウトはオーシバルとイソワールで見られます。
これらの柱の高さと身廊の幅の比率は、黄金分割と正確に一致しており、また、それらはナルテックス側の完全な小さな長方形を表しています。
教会全体を研究すると、いくつかの場所でこれらの比率がセンチメートル単位で明らかになります。その幾何学形状には、ピタゴラスの三角形と、職人が目盛線を使って構築する対応する角度も使用され、特定の点が決定されます。その一部には今でも小さな木の杭でマークが付けられています。」

訳もヘタで、テクニカルなことはよく分からないんだけど、なんか、そういうことらしい、笑。

柱頭は、前回の記事で見ていただくこととして、外部の装飾など。

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市松模様の帯や鉋屑、オーヴェルニュですよね~。

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フランスの教会は、周歩廊があり、その周りに礼拝堂がくっついたりするから、ノーズが長いっていうんですかね、笑。聖域が異常にでかい構造になりますね。

考えたら、フランスって昔から観光政策に長けてたんだね、笑。こういう構造って、巡礼者ありきって感じするし。巡礼者がくれば、要は今の観光客みたいなもんなわけだから、お金が落ちて土地が潤うわけよねぇ。
イタリアは、つい最近になって、各地で観光政策が大いに盛り上げってきているのですが、それまでは黙ってても世界遺産認定されるし、何もしなくても人が来るから、ほんと観光っていう側面はダメだったんだよね。遺跡を守るとか、そういうことは結構ちゃんとやってきてるんだけども、観光に直結させてこなかった感じ。
そうかぁ、中世からそうだったんだぁ~。新しい視点に気付いたわ、笑。

おっと、そういう脱線はともかく、オーヴェルニュの真髄ともいえるこの辺りの教会については、もう一度くらい再訪の可能性もあると思うし、ちゃんとした解説を読んでみたいものだと思います。


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テーマ:フランス - ジャンル:海外情報

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