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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

石工さんの伝言ゲーム(オーリアック・レグリーズ15)

2019年8月夏休み、フランス中部の旅、その138(オーヴェルニュ、カンタル)

ラストスパートです。
次に訪ねた教会はこちら。

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オーリアック・レグリーズAuriac-l'Egliseのサン・ニコラ教会Eglise Saint-Nicolasです。

この地域で、もしかしたら一番地味度高いかもしれないですね、笑。
その上、現場には何もなかったし、ネット検索しても、ほぼ何も出てこないので、今回は、見たままをさらりと行きます。

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後陣は一つですが、攻めてもロマネスクのスタイルで、軒持ち送りも見られますね。
教会は12世紀創建だけど、15世紀から16世紀に相当大きな手が入ってしまって、ロマネスク的にはどうよ、という有様になったとか、そういう説明はありました。

イタリアだと、全体に石積みあらわな状態になっているものですが、漆喰上塗りが好きなフランスだから、つけ柱以外はぬりぬりしちゃったのですかね。全体に調和は取れているし、日本のぬりかべ?なんていうんですっけ、ボロボロした素材の内壁あるじゃないですか。ああいった素朴な昔の印象が結構あって、すっごく嫌ではないです。が、石積みあらわの方が嬉しいです、笑。

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長年の雨風にさらされた様子ですが、それでも石の強さよ。
動物の頭部が並んでいるのかな。これね、多分現場ではよく見えない状態だったと思うんですよ。こうやって写真でしっかり見えると、なんとなくかわいいじゃないですか。

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人もいます。
動物に比べると、細いながら、結構しっかりした線彫りで、表情までくっきり。軒持ち送りは、フレスコ画と違って、後代に手が入るものではないから、この人は、千年近く、こうやってニヤニヤしながら過ごしてきたんですねぇ。
そして右側の人は、なんだか知らんが、フン!って偉ぶってる頑固ジジイをやってきたんですねぇ、笑。

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この不自然なポーズの人はなんだろう?
二股人魚だったりするのかもしれないですね。脚があんなに上まで行くのは、なかなか変だしね。
動物の頭部とか、人の顔とか、そういうのは、特に決まりもないし、普通に彫ればいいけど、それだけじゃつまらんな、何かそれなりの図像が欲しいなって、ふと思った地元の石工さんが、そういえば二股人魚って聞いたことあったな、って思い出して、実際には見たことがないもんだから、伝言ゲームな形で伝わってきた情報を形にしたらこうなった、みたいなことかもしれないですね、笑。
右側のも、そういった何かの図像化も?

戯言はこの辺にしておいて、入場しましょう。

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ぬりぬりでした。
何もなさそうに見えますが、ここは、一応12世紀の名残の内陣ですから、目を皿にしますとね、ちょこっと。

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お饅頭縦列!といった感じの帯装飾が、きれいにのこされていました。

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この内陣は、表面的なぬりぬり以外は、元のままと思うので、装飾的なアイテムは、もともとこの帯くらいだったということなんでしょうかね。

帯については、ちょっとこだわりがあった関係者がいたのかな。

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柱頭は、形にバリエをつけているだけの地味なものですが、副柱頭と、そこから壁にまで、くるりんモチーフの帯があります。
これって、波から派生したモチーフと思っていたんですが、こんな内陸にあるということは、そうじゃないんですね。ここ以外でも使われていましたよね。もしかすると、植物の生まれたての様子を図像化しているのかな。波とちょっと似ちゃったみたいな。

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現場だと、上塗りの彩色もちょっと、と思っちゃうし、ちっ、これだけかよ、とか悪態をついたりするんですが、笑、こうやって写真で見ると、全体の色合いがかわいかったりして、そしてこのくるりんモチーフも、くるりんの向きなどもしっかり考えられていて、すっごくかわいいじゃん、と嬉しくなります。

ただ、何キロも走って、やっとたどり着いて、これかよ、という気持ちは常にあって、現場の気持ちはそんなもんな場合が圧倒的に多かったりするのが、この修行の常ですからね。後付で、こうやって見直すのは、石工さんへのリスペクトにもなっているかもしれません。
と言いつつ、たまたま再訪したら、やっぱり「ちっ」とかなるんですよ、笑。

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古いものなのかどうか不明ですが、味のある聖水盤がありました。

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