fc2ブログ

イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

最終回にこぎつけました(レイヴォー15)

2019年8月夏休み、フランス中部の旅、その139、最終回(オーヴェルニュ、カンタル)

さあ、いよいよ旅の最後に訪ねた教会です。
グラン・フィナーレ、とはちょっと違うんですが、ある意味最後にふさわしいような、行くとこまで行った、というロケーションの村ですよ。

france vari 3 298

グーグルさんだと、そうでもないんですが、私が持っている20万分の1の紙の地図だと、行き止まりの村、というロケーションがよく分かって、いわゆる最果て感が分かります、笑。
すでに廃村になっている様子もありましたが、そうじゃなくても、住めませんわー。さすがのグーグルさんも、ストリートビュー、撮影してません。

france vari 3 299

レイヴォーLeyvauxのサン・ブレーズ教会Eglise Saint-Blaiseです。

このようなプランとなっています、ちょっと分かりにくいですけれど。

france vari 3 300

編み編みの格子が10世紀と11世紀、そして黒塗りつぶしが12世紀ということで、この部分がロマネスク時代の建造物。斜め線は15世紀以降で、ゴシック以降ということになり、てんてん部分は16世紀から18世紀の建造物ということです。
ということは、トップの写真の手前側は、16世紀以降の部分ということだと思います。

france vari 3 301

印をつけた部分の、本当に全体から言ったら少しの部分の壁や構造だけに、名残があるということですね。
全体の形も増築のために、変だし、様式もめちゃくちゃですけれど、そして白く塗られちゃっているのもどうよ、ですけど、なんだか朽ちた村の緑の中で、妙にしっくりしている様子もあり、不思議なミスマッチ感です。

ちょっと歴史などを。

「教会は非常にひどい状態でした。 1979 年に歴史記念物に指定されたことにより、町民の愛着と意志により、修復に必要な補助金を獲得することが可能になり、本来のロマネスク様式の精神を聖域に復元したいと考えた建築家 J.F. グランジ シ​​ャヴァニスによって行われました。
後陣を飾るヘリンボーンの装飾 (外側にもある装飾により、建物の年代は 11 世紀、おそらくは 10 世紀であることがわかります)。その後、内陣と最初の 3 つの柱間に、それらを囲むすべてのものが何世紀にもわたって追加されました 。」

ヘリンボーンの壁は、一部見えるようになっていました。

france vari 3 302

france vari 3 310

内部は、こういう様子です。

france vari 3 303

南側側壁にある扉から入って、内陣を見ています。まさにロマネスク時代の構造が遺る部分となりますが、真っ白だからねぇ。とはいえ、雰囲気はあるし、真っ白の塗が新しいのか、清々しさがあったりもしますね。これ、カビが出て黒ずんだり、カピカピになってはがれたりすると、本当に情けないですけど、きれいなうちはね。

そして、西側を見ています。

france vari 3 304

天井の下に、木の梁があるのが気になりますね。トンネル・ヴォルトがあったのか、または天井、というか屋根は木でふいていたのか。

床面も、石で仕上げて、これは良い修復をされましたね、と嬉しくなります。

france vari 3 305

何度か書いていると思いますが、床って結構疎かにされちゃうんですよね。
ここは、オリジナルという可能性もありますけれど、どうなのかな。いずれにしても、地元産の石なんだろうな、と想像できますから、しっくりと来ます。

さて、地味な教会ですが、目を引くアイテムが一つあります。
南壁にある入り口装飾です。

france vari 3 306

立派なアーキトレーブ、まぐさ石があります。

france vari 3 307

解説です。
「生命は、植物や象徴的な形で、神の口から生まれます。中央の白百合の花に注目してください。

ブドウの葉 7枚
7という数字は聖書やカトリック神学の中で頻繁に登場します。世俗的な古代においても、数字の 7 が象徴的に使用された例がいくつか見つかります (世界の七不思議など)。4枚の葉(バランス数)は神の右側(向かって左)にあります。左に3つ(不吉)。
ぶどうの木は有益で霊的な象徴(主のぶどうの木)です。

クローバーの葉 5枚
5 という数字には、明確な意味合いはありません。五感は人間の状態を思い出させます。神の右側に 2 つ(バランスのとれた数)あります。 左に3つ。クローバーは傲慢さを反映しています(クラブのジャックのように、非常に横柄で、特定のゲームのマスターです)。
ケルト人にとって、クローバーは人生の時期、つまり青年、中年、老年を表します。それらの茎は、クローバーが後ろからも、下からも見られることを示しています。
物質的なものに背を向け、精神的なものに目を向ける:これは、この美しく謎めいたまぐさのメッセージなのでしょうか?」

現地にあった解説ですが、何を言いたいのかよく分かりません、笑。ただ、こういった解説がなければ、ブドウとクローバーの区別はつきませんし、考えもしなかったから、有難いことでした。
区別、つきますか?
シウマイを上から見たときのようになっているのがグローバーですよね、多分、笑。

france vari 3 308

いわゆるグリーンマンなんでしょうけど、素朴極まりないですよね。いや、人の顔は結構ちゃんとしてるけど、植物やツルの彫りが稚拙というのか、繊細の対極というか、例えれば、パリのケーキに対するアメリカのドサドサしたケーキっていうか、笑。

france vari 3 309

アーキボルトの方も、お団子二列はシンプル極まりないわけだけど、百合の花は、結構ちゃんと細かく彫っていたり。
解説にはフルール・ド・リスとあって、それって表現として白ユリをデザイン化した、見れば誰でも知っているモチーフのことになるから、単純に白ユリと思うんですけども、確かに、めしべの部分がすごくしっかり彫られていて、すっごく香りが強そうな様子が伝わってきます。開ききってるから、さらに。そこにも意味を含めているのかしら。

というわけで、長かった旅の最後、これで終了です。
サントルから始まって、オーヴェルニュのはずれも外れまで足を延ばし、盛りだくさんな夏でした。ブログのおかげで、旅を二度も三度も楽しめるのは、とても嬉しいことだと改めて感じました。
まさに、そういった自分の楽しみのためのブログではありますが、今後各教会を訪問される方の一助になれば、それはまた嬉しいことだと思います。

長のお付き合い、ありがとうございました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
日々の生活をつづる別ブログ。そろそろ例年おなじみ、フオリサローネのレポートが始まります。
イタリアぼっち日記

ブログランキングに参加しています。よろしかったら、ポチっとお願いします。
にほんブログ村 美術ブログ 建築鑑賞・評論へ
にほんブログ村

にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ
にほんブログ村

インスタグラムに、これまでのロマネスク写真を徐々にアップしています。
Instagram, Notaromanica
スポンサーサイト



テーマ:art・芸術・美術 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2024/04/21(日) 11:38:29|
  2. オーベルニュ 03-63-15-43
  3. | コメント:2
<<コロナの真っ只中でした(ベルベンノ) | ホーム | 石工さんの伝言ゲーム(オーリアック・レグリーズ15)>>

コメント

CANTALの完走、ご苦労様でした。レポートの端々から、充実感に満ちた旅の喜びが読む側にも
ひしひしと伝わってきました。
AUVERGNEの中でも、CANTAL、特にその西南部にまで足を延ばす人は滅多にいないだろうと
感心しておりました。Auvergneはかなり詳しく歩いたつもりの私でも、初めて見る地名だらけで、
実は大半を地図と首っぴきで読ませていただきました。
いろいろと勉強させていただきました。感謝です。
  1. 2024/04/22(月) 09:45:43 |
  2. URL |
  3. ほあぐら #-
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

ほあぐらさん
読んでいただき、ありがとうございます。

この地域は、まさに秘境感もあって、フランス在住の友人なしでは、とても訪ねることがなかった土地と思います。地味で小さな教会ばかりですが、ロケーションの希少感もあり、実に楽しい遠征でした。
カンタルは、トゥールーズの方から入り、若干消化不良なところがあったのですが、これで、ずいぶんと制覇気分が味わえました。制覇には程遠いのが現実ですが、笑。

今後は、久しぶりにイタリアをたどっていきたいと思います。資料を読むのも楽なので、もうちょっとサクサクと行けるかな?
  1. 2024/04/23(火) 20:42:00 |
  2. URL |
  3. Notaromanica #-
  4. [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する