サンタ・マリア・イン・コスメディン教会の前、大きな道路を挟んだ反対側のテヴェレ川沿いは、ちょっとした緑地帯となっています。
ここら辺一帯は、かつてローマの肉市場があったそうです。
そこに、当時の名残、神殿が二つあります。神殿といっても、ギリシャの神殿とか、ローマ遺跡にある神殿とは違って、とても小さなこじんまりとした、かわいらしい神殿なんです。
まずは、円形の、ヴェスタの神殿。
紀元前2世紀の終わりごろの建造物で、ローマに現存する最古の大理石の建物だということです。12世紀には、サン・ステファノ教会となり、実際に使用されていたようです。今は、周囲に柵で囲われていて、閉ざされていましたが、隙間から垣間見えた内部は、かなり近代的に改築されている様子でした。なんか、2千年以上も古いものであるという感じがないのが不思議でした。
そして、そのすぐ側には、フォルトゥーナ・ヴィリレ神殿。
こちらは四角くて、より神殿ぽいです。フォロ・ロマーノなどに残されている柱だけの遺跡とかは、こういう建物の柱部分が残ったんだろうなあ、とよく分かりますよね。
ここも中世(9世紀)に、サンタ・マリア・エジツィアカ教会というキリスト教会に模様替えしたのだそうです。その際に、柱の間に壁が作られたようです。そして内部はフレスコ画が覆われたとか。今は、修復工事していましたけれど、内部の見学は出来なかったようです。
壁は、ちょっと残念ですが、でも、壁が作られなかったら、こういう完璧に近い形では残っていなかったかもしれませんね。いろいろな理由で壊れていたかもしれないし、また柱が、他の建造物に流用されていたりしたかもしれません。
それにしても、二千年、ほぼ当時の姿で残っているというのがすごいですね。地震が少ないとか、石造りだからとか、残りやすい理由はあるとは言え、人為的に壊されなかったことに感心します。ここのみならず、ローマの町は、本当にいたるところ遺跡だらけで、だから遺跡とつながって家が建っていたり、とんでもないところも多くて、全くうまい具合に共存しているなって感心します。
ミラノに来る前は、本当はローマに住みたかったんですよね、わたし。ローマに住んでいたら、中世にはまっていたかどうかは難しいところですが、でも、少なくともミラノより、町歩きを楽しんでいたのは確かだろうなと思います。
ミラノにも、ときどきローマの遺跡はあるんですけれど、あまりに少ないし、町のつくりが遺跡と共存するつくりじゃないですね。工事のため掘ったら出てきちゃった、仕方ないから、一部は展示しときます、みたいなスタンス。ミラノは近代に発展しすぎちゃった感があります。町歩きを楽しむためだけに街があるわけじゃないし、仕方ないけれどね。
ふふ、思わず古代に寄り道しちゃいました。ローマにいたら、どうしてもね。
次回は、また中世散歩に戻りますよ。
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- 2010/01/31(日) 01:55:11|
- ローマの中世
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| コメント:2
この二つは、ちょうど近くにこれだけの形を(もちろん修復もしてだけど)残しているのが、すごいですよね。みんな、真実の口に行くだけじゃなく、こういうの見て欲しいと思います。
- 2010/01/30(土) 18:48:00 |
- URL |
- ゆきーな #79D/WHSg
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ゆきーなさん
本当にそうですよね。目の前に見えても、側に行かないって、どういうんでしょうね。団体旅行だったら、仕方ないけどもさ。
ちょっと古代寄り道続いてます。まだ続きそう。だって、遺跡多くて、やっぱりローマって古代ですよね。
- 2010/01/31(日) 22:36:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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