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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

ロンドン塔のロマネスク

ロンドンの旅、最後はやはり中世でしめましょう。
ロンドン塔。タワー・オブ・ロンドン。ロンドンの観光スポットの中では、最も有名といっても過言ではない場所ですが、初めて行ってきました~!
ロンドンというと、つい美術館、博物館、ミュージカルやバレエ、オペラなど、忙しくって、こういう観光地にわざわざ行こうとは、どうもならなかったんですね、今まで。
でも今回は、中世という観点から、最も行ってみたい場所でした。というのも、ここ、ロマネスクが隠されているんですよぉ。

では、メイン・エントランスから入場です。


朝一番だったけれど、もうたくさんの観光客が。さすがです。それにしても、入場料、17ポンドとは高い!一日中遊べると思えば、納得も出来るかもしませんが。わたしは、ロマネスク的興味がなかったら、この金額を見た途端に、多分、やめとく、と踵を返すのではないかと。

わたしの興味がある最も古い場所が11世紀で、その後だらだらと周囲に建物が建てられているので、中世といっても、かなり長い時間をかけて全体が形作られています。
早速、その最も古い場所、ホワイト・タワーに参りましょう。


これが、中心部にあります。ロマネスクを扱った本では、必ず出てくる建物なので、とても見たかったんですが、一見、妙にピカピカした感じなので、へ?これ?と気が抜けた感じでした。11世紀とはいっても、修復を繰り返しているのでしょうね。今もまさに修復中。あまり一生懸命やらなくてもいいんじゃないの、とちょっと思ってしまいました。
内部は、武具の展示などしているスペースがありますが、ほとんどすっ飛ばして、すぐ上に登ります。なんせ、お城の中の礼拝堂が目的なんですからね。
残念ながら、内部は激しく撮影禁止。そのため、持っている本から、ちょっとこんな感じですということで。


日本でいう3階部分の角っこに、アーチの絵のある場所、それが目的であるサン・ジョンズ・チャペル、イタリア語だと、サン・ジョバンニです。
写真で見ていても、いいなぁ~、わたし好みだなぁ~、と思っていましたが、実物はさらにすばらしくわたし好み。というか、ロンバルディアの田舎の素朴なロマネスクが好きだったら、きっとここも好き、って言う感じです。


石の色は、もっとピンクがかった白で、この写真よりはずっと柔らかいイメージでした。礼拝堂というには大きいけど、教会というには小さいのかな。建物の一角にあるにしては、でも実に大きい。三身廊になっていて、側廊部分は二階構造になっています。円柱が、とてもどっしりとしていて、柱頭も、でかい。素朴ながら、T字形十字架などが浮き彫りされていたり、地味で質実剛健、って感じの装飾がありました。
マントバのロトンダとか、アルメンノのサン・トメとか、ローマのサント・ステファノとか、円形の教会って結構ありますよね。あれを、横から押して、楕円形にした印象を受けました。なぜかというと、身廊と内陣の区切りがないことと、二階部分に大きく開口部があることが、円形教会の構造に似ているからかと思います。
教会であればファサードである側は、ただの壁なので、全体は勿論楕円ではなく、馬蹄形なんですけどね。

実は、この教会に入ったとき、すぐにガイド・ツアーの案内が目に付きました。ちょうど後5分くらいで始まるようなんです。でも気配なし。お隣の部屋に、制服の係員が数人たむろしておしゃべりしていたので、尋ねてみると、「あ、それはボク、ボクが担当で~す。あと5分ほどで始めるので、もうちょっと待ってね!」とお茶目に言い放ち、また同僚とのおしゃべりに戻りました。
入場したときにたくさんいた観光客ですが、ここまではなかなか上がってきません。タワーに入っても、外でガイド・ツアーに参加したり、お土産屋を見たり、お茶を飲んだり、他の建物を見学していたりしているんでしょうけど。時間になって、先ほどのお兄ちゃんがやってきても、誰も来ません!ぎょえ~、英語のガイドを一人で聞くのぉ~?ちょっと困ったなぁ~。
お兄さんも、ま、一人でもいいんだけどさ、せっかくだからちょっと待ってみてもいい?ということで、しばしおしゃべり。はっきり言って、半分くらいしか分からなかったのですが、分かった振りは得意なので、彼はわたしがわかってないことは分からない…。英語上手だね、とほめられるのも辛い。
そうこうするうちに、やっと3人連れアメリカ人がやってきて、ツアー開始しました。
案の定、半分も分からなかったですね。ああ、分からないなぁ。一人じゃなくてよかったなぁ、と思いながら、うんうん、とうなづいていました。お兄ちゃんはとても熱心で、分からないのが申し訳なくて。

歴史の話が主だったのですが、お話の中で興味深かったのは、ここが、現在もミサが行われる現役の礼拝堂機能を保っているということ。定期的に、早朝かなんかに行われて、それは参加したい人は誰でも参加できるのだそうですよ。
あ、それでかな、と思ったんです。なんか、この場所の空気が、博物館とは違うなっていう感じを受けたんですよ。単に、ミサを行うように椅子が並んでたからかも知れないんですけれども。でも、多分、宗教活動をやらなくなった宗教施設って言うのは、もうそういう空気を持つようになっているように思うんです。

ガイド・ツアー、30分くらいだったんですが、こんなことしか分からなかったな~、みたいな。それでも、内陣に入れたし(ツアーじゃないと、ロープが張ってあるので、中の方には入れない)、得した気分にはなりました。
タワー内では、他にもいろいろ無料のガイド・ツアーをやっているようなので、17ポンドも払う以上、是非そういうのに参加されるといいと思います。
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  1. 2010/02/17(水) 06:11:45|
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