先日の、聖ジョバンニ・エ・パオロ教会からすぐ、ここからは完全な町外れで、田舎が始まる境界線上みたいなロケーションにある教会です。
ここもまたおなじみの姿。9世紀に、もっと古い宗教施設を利用して建てられた教会を、16世紀に改築したのが、今ある上の姿。これでは、中世好きは、思わず目をそむけて通り過ぎちゃいそうなプレゼンスですね。
でも待ってください。
中は9世紀当時のバジリカ様式が残されていて、そして、後陣とその周辺には、うれしいことにモザイクが燦然と!
9世紀のモザイク。美しく残っています。
16世紀の改築時には、当時有名な人が請け負ったらしいですが、やはりこういうものは、手をつけられなかったんでしょうねぇ。または、力のある人ほど、過去の美術にも造詣や理解が深かったりして、しっかり残すべきという方策を探ったということもあるのでしょうか。
後陣。
十二使徒に囲まれた聖母、って言う感じですが、正確には、どうなのかな。
後陣手前にあるアーチのモザイクも、とても美しいです。
緑が、ラベンナの緑を彷彿とさせます。このエメラルド系の緑って、なんだかとても温かい印象を与える気がしますが、如何ですか。私が、青っぽい緑とか、緑っぽい青が好きだからなのかな。でも、花の絵もあったりして、全体に牧歌的ですよね。
絵は、ちょっとビザンチン風で、輪郭がはっきりしていて、みんなかわいらしいお顔しています。
早朝だったので、光の具合が、今ひとつ。でも、一部に朝日が差していたので、この教会、完全な東向きではなさそうです。とは言え、モザイクを自然光で完璧に見るには、午後はやい時間とかがよさそうな感じです。
モザイク部分意外は、すべて新しくて、本当に文字通りぴかぴかで、教会そのものは、つまりとても大切に扱われているし現役なのは確かですが、史跡としては、ぴかぴかすぎ。訪れたときは、日曜日の早朝で、ミサの準備という感じで、すでに働いている人がいました。といっても、私が訪れたときに、ちょうど門扉が開けられたんですけどね。日曜日の朝はのんびりです。
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- 2010/03/17(水) 06:00:31|
- ローマの中世
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| コメント:2
「青」という色も中世では「暖色」だそうです、現代の感覚では反対ですが。お好きな「緑」色は生命の色だそうで、これは分るような気がします[シュタイナー:『色彩の本質』]。空は青く太陽がさんさんと輝く世界の色らしいです。
色々拝見していて、ローマはやはり凄いですね、西も東も。
- 2010/03/17(水) 06:51:00 |
- URL |
- 勝峰 昭 #79D/WHSg
- [ 編集 ]
へぇぇ、青が暖色ですか。
ここの背景色は、どっちかというと緑でしたが、この写真だとかなり青っぽいですね。
ローマの旅、もうちょっとで終わりますが、本当に行った本人がびっくりするくらい、中世充実していますよね。古代とバロックにはさまれて、あまり注目されないのが、かわいそうなほど…。
- 2010/03/17(水) 22:33:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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