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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

ウンブリアその2-ペルージャ

ペルージャは、ミラノに来る前、半年弱暮らしていた町。そして、その後は一度も訪れる機会がなかった町。
今回アッシジからバスに乗っていったのですが、ペルージャが近づいてくると、心臓が本気でドキドキして、なんだか泣きそうになってしまいました。青春、なんていまや死語かもしれないし、それにペルージャにいた頃の年齢を考えると、ちょっと違うんじゃないか?という感もありますが、でもやっぱり青春。すごく痛い。全部覚えているわけじゃないけど、本当にいろんな思い出があります。
さて、そういう、わたしにとってはちょっと特別な町ペルージャですが、当時ロマネスクに関しては全く無知でした。それで、今回調べて、やはりせっかくだから見に行こう、と思った次第です。

まずは、昔済んでいたアパートをずっと先に、町外れに進んだ場所にあるサンタンジェロです。


ここはロマネスクよりずっと昔の初期キリスト教時代の建物です。中は後代にかなり手が入っていて、変にすっきり清潔で、ちょっと違うぞって感じですが、何よりここのよさはロケーションにあります。さして広くはないものの、前面が美しい芝生で、このようにお天気がよくてくっきりの青空が背景にあると、とてもすがすがしいですよね。ここに至るまで、両側は住宅だったり、昔の病院だったり、結構背の高い建物がびっしりと続く狭い道で、ちょっとした閉塞感があるので、この開けた空間でぱぁっと開放感に満たされます。

そして、今度はサン・プロスペロ教会。これはガイドブックを熟読して見つけてしまいました。正直知らなければよかったのに!って思うほど、町をかなり下った場所にあり、たどりつくまで大変でした(ペルージャは、この辺にありがちな岳上都市で、それは珍しくもなんともないのですが、ここの場合岳上都市というより、町が丘の天辺の一部と、その周辺でできていて、要は町の中心を貫くバンヌッチ通り以外は、みな坂道といっても過言ではないほどの町なのです。中心部から外に向かう場合、必ず急坂を下ることになり、それはつまり戻る際には急坂を上らなければいけないということに…)。


プロスペロは通りの名前でもあり、中世にもすでにあった道だという事です。この教会は、エトルリアおよびローマ時代の埋葬地だった場所に、7~8世紀に建てられたもので、今でも外壁の一部には、エトルリア時代の石が認められるそうです。内部には、13世紀初頭のフレスコ画と、8世紀の祭壇が保管されているということで、えっちらおっちら、道に迷いつつ、汗をだらだら流しつつ、やっとの思いでたどりついたのですがしまっていて、ガイドブックに、ベルを鳴らせばあけてもらえるとあったので、素直にそうしたところ、今代表者が会議中で、1時間半~2時間後に戻ってこいといわれてしまったのでした(今は学校になっているようです)。そこで待つには何もない場所だし、これから町に戻って、またこの坂道を戻ってくるのは多分無理だなぁ、と残念に思いながら、とぼとぼと来た道を引き返したのでした。
外見は、全く普通の建物。つまらないですよね。だから内部もきっと、つまらないことでしょう(と思い込むことにしました)。誰か、内部潜入に成功した方、いらっしゃるでしょうか。8世紀の祭壇というのは、正直とても興味があります。ロンゴバルドでしょうか。

そして戻る道で、中世の塔が見えたので、あんなところにあんな塔があったっけ?と思いながら、そこを訪ねてみることにしました。


中世の塔(13世紀)のすぐ側に、サント・ステファノ・エ・サン・バレンティーノ教会という12世紀創設の小さな教会がありました。造られたのは12世紀で、かろうじてロマネスク様式を保っていますが、部分的にも、また内部も、後代に改変されているようです。当然、ここもクローズでしたけど。

というわけで、わたしのペルージャ探訪はお仕舞い。ロマネスク、ではないですね。やはりここはゴシック~ルネサンスの町です。
さて、次はフォリーニョに行きますよ。
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  1. 2008/10/01(水) 05:20:17|
  2. ウンブリア・ロマネスク
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
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コメント

No title

突然の書き込み、失礼致します。

思い出の地を再訪出来るとは、幸せな事ですね。

日本に帰国した私としては、英国で暮らした場所を思い偲ぶだけの、初老のシンドバット状態です。再訪叶うといいな・・・

建築の事解らないのでコメント出来ませんで、すみません!
  1. 2008/10/05(日) 02:02:00 |
  2. URL |
  3. 古代遺跡めぐり<山下亭> #79D/WHSg
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No title

お久しぶりです。実は、ひそかに、チョコチョコお邪魔しているんですけど。
英国、いつでもいけますし!でも再訪って、結構勇気がいるっていうか、行かない方がいいのかも、みたいな複雑な気持ちもありませんか?
  1. 2008/10/05(日) 10:32:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
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No title

再訪というと映画「ハリーとトント」の中で、主人公のおじいちゃんハリーが昔の恋人に会いに老人ホームに行くのですが、恋人だったおばあちゃんはすでに認知症になっていて、別の恋人だった男性?の名前でハリーを呼ぶのですが、ハリーは優しくおばあちゃんとダンスをする、、というシーンをふと思い出しました。泣けます。がペルージャとなんら関係ないですねえ。失礼しました。
  1. 2010/07/27(火) 13:08:00 |
  2. URL |
  3. たかし #79D/WHSg
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No title

ペルージャに1ヶ月いました。学食、懐かしいです。
  1. 2010/07/27(火) 13:09:00 |
  2. URL |
  3. たかし #79D/WHSg
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No title

里研 さん
いろんな経験がおありに。いつごろいらっしゃっていたんですか。学食、わたしもよくお世話になっていましたよ~。懐かしいなぁ。
「ハリーとトント」、切ないですよね。
  1. 2010/07/27(火) 20:58:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
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No title

ペルージャは20年位前になります。まだアンチャマの頃です。ポルケッタなど連続3個一気喰いの頃です。ハリーとトントは素晴らしい映画ですよ~ぜひご覧下さい。
  1. 2010/07/27(火) 21:20:00 |
  2. URL |
  3. たかし #79D/WHSg
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