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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

ブレーシャのロマネスク その9 サンタ・ジュリア博物館

さぁ、中世の旅、再開ですよ。
やっと中世のゾーンに戻ってきました。このあと、この博物館における中世の目玉、最も重要な教会が出てくるんですが、その前に、ちょっとまた歴史散歩で。
初期キリスト教、ロンゴバルドの時代のものが、いくつか並んでいるんですが、それがまたかわいいこと。この時代のものは、自然に教会等でお目にかかれることはめったにないので、大変貴重です。




どこの教会にあったのかは不明ですが、柱頭と、説教壇の一部。本当につるつる感も含めて、かわいい~!


これはアーキトレーブですね。
何度も言っていますが、この時代のこういうモチーフのレリーフって、本当にうっとりするくらい好きなんです。


この十字架と周辺のレリーフのかわいらしさって言ったら!ほしいなぁ、手元に一つ。


こんな碑文も。全然読めませんけれど。このケルト起源の組紐も大好きなモチーフです。

さて、ブレーシャにおけるロンゴバルドの美術史は、将来ロンゴバルド王となるブレーシャ公デジデリオとその妻アンサによって、753年に、女子修道院サン・サルバトーレが創建されたことにはじまります。彼らや、また教皇の寄進によって創建された修道院が、それ以降地域の政治、経済、文化活動の中心となっていきます。
ちなみにこの夫婦は、ここ以外にも、レーノ修道院やシルミオーネ修道院も創建します。
ロンゴバルド族は、各地に散らばって、その土地それぞれの長が、結構勝手にその土地を統治して、その上に王様がいるという絶対君主制とは異なるスタイルだったらしいのですが、このブレーシャ公は、その長の中でもかなり力があったということでしょうね。
この時代、建物がなかった町の北東地域に貧しい人や巡礼の人のための住居、教会などが建てられ、ローマ時代の陳腐化した水道橋が、サン・サルバトーレに水を送るように整備されました。
サン・サルバトーレは、774年ロンゴバルドがシャルル・マーニュ(カール大帝)に敗れた後も、それまで以上の発展を続けました。
ということで、次回、サン・サルバトーレです。
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  1. 2010/03/30(火) 05:28:31|
  2. ロンバルディア・ロマネスク
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

No title

西洋美術史を大学でちょっとやりましたが
初見でした
それまで西洋美術の区別すら全く知らなかったので
覚えられなかったのかもしれません
こういった勉強大好きです
  1. 2010/03/30(火) 01:18:00 |
  2. URL |
  3. PET sophisticated Art #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

PHIL AMBIENCEさん
大学で西洋美術史!うらやましいですね~。自分だってそういうチャンスは一杯あったのに、そういう時代には、全然興味がなかったので、ますますうらやまし~。
でも、美術史って行っても、勿論全部歴史と結びついているわけで、そういうグローバルな捉え方をしたいって言うのが基本にあります。こころざしはあるんですが、どうもお勉強という実行が伴わないんですけどね~。
  1. 2010/03/30(火) 21:26:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

こういった紋のデザインの愛おしさはご指摘のように流石ケルトのものですね、適当にばらばら置いているのも雅気があって。
ロンバルディアのものの記述はありませんが、古典的な名著である
Alois Riegl(1858-1905)著「美術様式論」は、大変啓蒙的でした。
ご参考まで。
  1. 2010/03/31(水) 06:13:00 |
  2. URL |
  3. 勝峰 昭 #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

elromanicoesさん
それ、つまり日本語訳なのですね。わたしには、日本語でも読めなそうな学術書っぽいです。美術史をやっている友人によれば、ロンゴバルドって、イタリアでも書籍は少ないんだそうです。一冊結構面白そうな本を買っているので、読みたいんですけどね~。なかなか。
  1. 2010/04/01(木) 22:29:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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