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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

ミラノ、フオリ・サローネその7

ミラノ大学を舞台に、THINK TANKをテーマに催されていた、市街ではおそらく最も大きなフオリ・サローネの会場。ここは、多分かなり一般向けで、家具というよりも、もっとマクロに生活を考えるっていうか、とてもアートなスペースで、想像以上に面白かったです。野外の大規模なインスタレーション・アートというのは、なかなかお目にかかることが出来ないので、そういう面白さもあり。


大学は、かなり古い、由緒ある建物。もともと病院、さらなる元は修道院、でしょうね。大小いくつものキロストロを内包する、大きなコンプレックスです。今回の催しには、すべてのキオストロがとても有効に活用されていました。
正面外壁の一部はこんな感じ。完全に歴史的建造物です。こういう建造物を大学等に利用しているところは多く、実際の使い勝手はあまりよくなかったりしますけれども、でも、建物を活用するにはいい手段ですよね。



では、早速会場を回りましょう。一番いいところから、どん!と行きます。
昨日リナシェンテのショウウィンドウで紹介した隈研吾さん(多分こういう漢字…)。


これはもう本当にすばらしくて。
このキオストロは、とても狭い入り口からアクセスするのですが、視界が開けた途端に目に入ってくるのが、風にゆらゆらとたなびくこの白いベール。文字通り、息を飲みましたよ、私は。あ、美しいって、感覚がうるうるしちゃいました。
この、日本人デザイナーさんの作品とは知らず、中国とか台湾の人かな~、と漠然と思っていました。つまり、何か東洋的な匂いはあるんですね。とにかく、美しい作品です。ベールで二分割された地面に、一方はタイルの破片上のもの、もう一方は石状のものが敷き詰められていて、なんか意味があるんでしょうけど、そんなのどうでもいいじゃん、みたいな感じで、キオストロを一周ぐるりとして、それでも見飽きないのでしたよ。うっとり。

一方こちらは、メインのキオストロ。


かなり大きいスペースで、たくさんの作品が並べられています。ここ、サローネ中は24時までオープンしていたんですよね。それに気付いたのは最終日で、もう夕食も済まして十時ごろ、したたかに酔っ払っていたんですが、しばし、今から行こうかどうか、迷って、やっぱりやめたんです。というのは、夜になると照明が入って、昼間とはまた違う顔になる様子をニュースでやっていたのを見てしまったから。もうちょっと前に知っていれば行ったけども。隈さんの作品が、夜はどういう照明を浴びて、どんな顔を見せていたのか、大変興味があります。
来年は、その辺もしっかり考えて、見学計画をたてないとね。

また別のキオストロ。


一見地味なんですが、仕組みが分かったら、面白い~。この、ひょうたんみたいなLEDの照明器具、色を自分で選べるんです。近くにスタンドが立っていて、そこをいじると、色が次々に変わる。


ほらね。面白いし、色が変わると、やっぱり全体の雰囲気が変わるんです。これはイタリア人デザイナーの作品。きれいでした。インパクトはちょっと弱いけど。

ね、なかなかよいでしょう。
THINK TANK、続きます。
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  1. 2010/04/22(木) 05:33:12|
  2. アートの旅
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  4. | コメント:2
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コメント

No title

ミラノ大学はノーチェックでした。隈氏の作品、そんなによかったのですね。
以前、サローネ中、トレンナーレに隈氏の作品が展示してあったのですが、「何、これ?」って感じで、日本の第一人者でも世界では通用しないんだな~とつくづく感じたことがありました。
今回、そんなによかっということは、かなり成長されたってことですね。
  1. 2010/04/21(水) 22:06:00 |
  2. URL |
  3. さくらこ #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

隈さんのは、私はすごく好きでした。でも、こうなるとアートの世界ですので、それぞれの感性の問題だと思います(誰にとってもすばらしいかどうかは不明)。
一方で、トリエンナーレ(これから紹介する予定ですけど)に出ていたキタさんは、え?とびっくりでした。まさに、なにこれ(ひどいんじゃないの~)、の世界ですよ。わたし的にはキタさんの方が名前的に有名なんですけど、どうなんでしょ?
  1. 2010/04/22(木) 21:41:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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