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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

コモ湖西岸のマイナー・ロマネスク、その4 オスペダレット

このコモ湖西岸は、とにかく湖沿いに走っていれば、ロマネスクに出会ってしまいます。問題は、すぐに気付いて、すぐに駐車できるかどうか、にかかっています。
スプラーノからすぐ、今度はオスペダレットという小さな村の、サンタ・マリア・マッダレーナ。スプラーノとかオスペダレットといっても、全部オッスッチョという町の一部なんですよねぇ。なんかよく分かりませんけど。
とは言え、ゴシック時代に上部が付け足された、頭でっかちの変わった鐘楼が道沿いに目に入りますので、見逃すことはありません。その上うれしいことに、教会だな、と思ったすぐ先に、駐車場があります!



ロマネスクのものに、ゴシック時代に付け足されたものって、大抵気に入らないんですが、この鐘楼は、例外かも。なんか、かわいいんですよ。14世紀から15世紀のものだというので、かなり気に入らない年代なのに。地域のランドマークになっていて、本人(?)もそういうことを自覚していて、なにかオーラが出ているのかもしれませんねぇ。

ここ、教会は古くて11世紀のもの。


かなり修復されていて、周囲も含めて、とてもいい感じのロマネスクの空間になっているんですけれど、残念ながら、思いっきりクローズ。お隣が役所(おそらく出張所のようなレベル)だったので、土曜日の午前中とかに来ると、もしかしてあけてもらえるのかもしれませんね。

開いていなくても何でも、教会の周囲をくまなくチェックするのが、いまや習い性。
ふふふ、その甲斐あって、後陣のみならず、ロマネスクの名残をしっかりと発見しました!


すごくかわいいレリーフが、教会本体前の、ポルティコにありました。
ただのウサギや狼にも見えるんですけど、でも一番左端のは、ヒッポグリフ(想像上の動物で、上半身が馬、下半身がグリフィン。確か。)にも見えるし。ね~、かわいいですよね。

ここ、オスペダレットという地名は、もともと病院(オスペダーレ)があったことに由来するみたいです。この教会も、その病院に付属していたものと考えられているようです。病院付属の教会に、このようなかわいらしい、というか、得体の知れない動物の浮き彫り。なんでしょうね?コモの石工、おもしろいぞ!
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  1. 2010/05/21(金) 05:20:04|
  2. ロンバルディア・ロマネスク
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:3
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コメント

No title

こういった小聖堂の彫り物には、心惹かれる造形がときどきありますね。この場合もそうです。

私なりに感じるのは、「兎」はよく子を産むので、多産とか肥沃の象徴ですが、二匹の狼(?)に追われて、それを幻のケンタウロスみたいなものが、それらの狼を追いかけるといった構図。この「兎」の場合はもうひとつの象徴的意味、「蘇生・復活」をも表すので、兎はキリスト、狼はユダヤ人、ケンタウロスは救世主(父なる神)を意味しているのかもしれません。これは私の勝手な解釈ですが。

こういった構図は個々で初めてみました。
  1. 2010/05/24(月) 05:40:00 |
  2. URL |
  3. 勝峰 昭 #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

「個々で」→「ここで」と読んでください。

要はキリスト受難‐神による救済‐復活の寓意ということかもしれません。
  1. 2010/05/24(月) 14:49:00 |
  2. URL |
  3. 勝峰 昭 #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

elromanicoesさん
いつも素敵なコメントをありがとうございます。
私なんて、あ、かぁ~いい!とかそういう楽しみで、とりあえず終わっちゃうので、図像学まで深く考察する姿勢は、とても刺激的です。ちょっと見習わないと!
  1. 2010/05/24(月) 21:04:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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