久しぶり、本当に久しぶりにバレエの公演に行ってきました。大好きなベジャール・バレエが来ていたのです。
我が家からトラムに乗って、15分くらいのところにあるアルチンボルディ劇場だし、町中でポスターを見て、すぐにチケットを買いに行きました。
今年が第一回という、ダンス・マシン・フェスティバルというダンスの祭典の一環での公演です。日中は、どうやらコンクールをやって、夜、プロの公演をやるという企画らしいのでした。
公演は9時から。会社から帰ってきて、ゆっくりと夕食を取って、ちょいとおしゃれな劇場用のドレスに身を包み、のんびりと出かけて悠々と間に合う、というのがうれしいですね。
劇場脇には、ベジェール・バレエのロゴ入りトラックが横付けになっていました。ああ、久しぶり。10年以上前、ダンスにのめりこんで以来、ミラノでのベジャールの公演は、全部見ていると思うのですが、ベジャールさん本人が亡くなってからは、来ていなかったような気がします。
今は、ジル・ロマンが代表をやっているようですね。
演目は、「コンクール」という、まさにコンクールにあわせて上演するにぴったりのタイトルなんですが、実は内容は全然関係ないっていうか、殺人事件の犯人を捜すというドラマなんです。
台詞もつくドラマ仕立てで、登場人物の数もたくさん。見る前に、殺人事件が起こるっていうところだけ読んでいたので、とりあえず、あ、ここからドラマが始まるのかな、というのは分かったのですが、なんだか話が見えないうちに、ひたすらと続いて。でも、最後の方になって、あ、そういうことだったのね!と霧が晴れるように、ストーリーが見えて。
2時間ぶっ通しの舞台で、おかげで緊張感が途切れずに集中できたのもよかったです。ベジャール・バレエの人たちって、役者的にもレベル高いし、こういうドラマ性の高い舞台はぴったり。音楽も程よく気持ちよかったり、程よく現代だったり。
あ、ベジャール、本当に好きだなって、何度も思ってしまいました。またダンスそのものも、やっぱり好きなんです。
ダンスはなんでも好きなんですけど、圧倒的に見る方。自分は運動神経ないし、何も踊れませんからね。そういえば、MTVでやっている、ベスト・アメリカン・ダンス・クルーとか言うダンス番組も、ザッピングしているときにやっていると、必ずしっかりと見てしまいます。自分で絶対に出来ないことを、自分で絶対にもてない美しい肉体を持って、実行している人たちをみると、何というか、神業みたいな気がしちゃうというのか。
ただ、本当に好きなのは、ベジャール・バレエのように、クラシックの基礎をきっちりとやってきた人が、モダンやドラマ的な創作を踊る舞台で、モダンだけのダンサーは、あまり。女性はやはりトゥ・シューズもはける人であってほしいわけです。そして、筋肉しかないような身体じゃないと嫌なんですよねぇ。そういう意味で、ベジャール・バレエは、私が最も好む要素をたくさん持っているんです。
それにしても驚いたのは、日本人ダンサーの多さ。この舞台だけでも3名出演していました。ベジャール・バレエのトレンドって、なんとなく繊細で中性的なダンサーが好まれるような気がするんですけど、そういうのに日本人は合うのかな。強烈な個性が目立たないのもいいのかな。
日本人以外にも、いろんな出身地の人がいて、踊りだけが共通の人たちが集まって何かして、っていうことに、またしみじみと感動しちゃったりして。
というわけで、すっかり感動した一夜でした。たまにはスカラのバレエも見に行かないとナ~、と思うのでした。そういえば、今モダンやってるんじゃなかったかな~。
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- 2010/05/23(日) 00:30:45|
- ミラノ徒然
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