以前、この辺りから山の方に入った、徒歩でしかアクセスできない教会に行ったことがあります。サン・ベネデット修道院。
ロマネスクのおと とっても素敵な教会です。で、そのとき、レンノには洗礼堂もあると情報を得たのに、一体あの町のどこに?と不思議だったんですよね。その頃から行きたいと思っていたサン・ジョバンニ洗礼堂、今回は無事たどりつくことが出来ました。
ここもまた、コモから北に向かうレジーナ街道の、すぐ脇、湖との間に広がるわずかなスペースが、レンノの町の中心です。
均整の取れた、とても美しい洗礼堂です。
特に気に入ったのは屋根。石の瓦の上にちょこんとかわいらしい塔が建っていて。この黒い石瓦が、とっても北っぽいのですよねぇ。
付け柱と、屋根の下のアーチが、これまた典型的なロンバルディアで、うれしくなりますね。
残念ながら、中はすっかり改装済み。訪れたときは絵の展覧会開催中でしたので、難なく入ることが出来たのですが、後代に完全に変えられちゃっていて、それが全然ちゃんとケアされてなくて、ちょっとさびしいものでした。
洗礼盤も、すっかり新しい小さいサイズで、このお堂の大きさとは全くそぐわないものになってしまっています。
開催中の展覧会の絵も、正直ちょっとダサくて、がっかり…。
さて、レンノにはもう一つ見所があります。洗礼堂のすぐお隣にあるサント・ステファノ教会。
こんなバロックのファサードだし、外観は中世の面影なし、ゼロ。でもひるんではいけません。実はここ、地下に中世のクリプタがあるんですよ~。
という情報を得ていましたので、まずは教会に入りましたが、クリプタに下りる階段はありません。周囲をぐるりと回ってみましたが、どこにもクリプタにつながりそうなものはありません。正面玄関の脇に、ひっそりと呼び鈴がありましたので、これだな?と思い躊躇なくブー!すぐに奥の方の扉が開き、教会守または神父さんが出ていらっしゃって、不審げにすがめでこちらを見ています。
「すみません、クリプタは開いてないんでしょうか?」と訪ねたら、なぁんだ、そういうことかって感じで、ちょっとほっとされた感じでした。
残念ながら、湖の水位が高いときは、水が流れ込んじゃうんで、あけられないそうで、今まさにそういう状態なのだそうです。状態があまりよくないので、地域の管轄当局からは、閉めとけ、位の事を言われているけれど、水がなくて自分がいるとき、たとえば夏季の土日などにはあけてあげますよ、ということでした。ざ~んねん!でも、見られるチャンスがあるということは喜ぶべきことですね。
しかし、教会の位置は、湖岸から随分と離れているんですよ。水が入ってきちゃうってどういうことなんだろう?もしかして、町自体が埋め立て?地下は水路?
いずれにしても、カロリング朝時代の柱頭とかあったりするらしいので、ここは是非再訪したいところ。水位が下がる夏の早朝にでも、また訪ねてみることにしますので、お楽しみに!
コモ、ほんと見所豊富です。駐車の場所さえ確保できれば、実に楽しいドライブになります。次回は、もっと北のグラヴェドーナまで足を延ばす予定ですが、今回すっ飛ばしたコマチーナ島もあるし、まだまだ立ち寄りたいところもたくさんなので、一回じゃすまなそうです。
とにかくミラノからは近いので、いつでもひょいといける場所、という意味で、あせる必要もないし、大変ありがたいことです。
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- 2010/05/25(火) 05:00:05|
- ロンバルディア・ロマネスク
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