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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

プーリア・ロマネスク、その10

コラート
プーリアを訪れる日本人はそれなりにいらっしゃると思いますが、このコラートを訪れる人は、多分いないだろうな~。ある意味貴重な記録かも!
ほんのちょっと時間があったんですよね。ホテルに帰って休んでもよかったんですが、コラートなら電車で行けるし、見るものはミニマムで時間はほとんどかからないし、特に期待もしてないけど、あの時行っといてもよかったな、とあとからふと思ったりすると悔しいし、と思って(この思考回路が、かなり病気ですよね)、また疲れた身体に鞭打って、つい行ってしまったのです。
サンタ・マリア・マッジョーレまたはマードレ教会。


町なかにあって、およそロマネスクとは思えないファサードです。ここでのロマネスクは、ファサード中央にある扉周りの、ほんのちょっとだけ。
リュネッタ。


扉脇の、装飾的レリーフ。これは古そうで、かわいいです。


もう午前中のオープン時間は終わっていて、クローズしていましたが、中には何もないのを知っているので、特に失望もなく、見学終わり。鉄道的から結構離れているのですが、到着してから、見学して駅に戻るまで、多分1時間もかからず。

観光客などおよそ来るような町ではないのですが、逆にそのせいでしょうか、妙に暖かい空気がありました。駅で道を聞いたときも、別に驚くこともなく、とてもフレンドリーに教えてくれたし、そして、まさかこれ?と最初に見つけた教会では、神父さん自らに教会を案内されてしまい。
というのも、これじゃないよね?と思いつつ、通りすがりの人に尋ねると、サンタ・マリア?これこれ、と思いっきり答えるし、悩みながら、ちょっとうろうろしていたら、ちょうどランチのためにお家に帰ろうとしていた神父さんとばったり。
再び尋ねると、これは、わたしの教会で、インコロナータ教会だよ、サンタ・マリアはあそこ、とちょっと離れたところにある塔を指して、道を教えてくれました。そして、今閉める所だけど、せっかく来たのだから、是非わたしの教会も見ていきなさいな、と言われてしまって、断るに断れず…。


外観は、まだ13世紀ごろ創建の教会かな、という中世の名残がうかがわれるのですが、中はもう思いっきりバロック、というか、真っ白の壁にきらきらの祭壇。現代彫刻とか。神父さんは、この調度はわたしが苦心して入手したんだとか、教会活動が盛んに行われていることを自慢げにお話されます。この前はミラノの司教テッタマンツィさんが企画した、こういうことをコラートでもやったんですよ、などなど、とどまるところを知りません。キリスト教や教会のイベントに興味があるわけではなくて、わたしはロマネスクだけなんですけど…、と思いつつ、言えるわけないですよね。それはすばらしいですね、活発な活動ですね、と必死に乗り切り(顔は引きつっていたかもしれませんが)、最後に祈りのお言葉が裏に書かれた聖人カードまでいただいて辞去しました。
そういえば、子供の頃、退屈な日曜日の朝、友達に会うために近所の教会の子供ミサに通っていたことがあります。祈りの言葉をうまい具合に暗誦すると、カードがもらえて、それをコレクションしたものです。
なんてことを思い出しちゃいましたね。
せっかくいただいたカードですから、大切に持ってきました。いい神父さんでした。「わたしの教会」というフレーズが、なんかとても印象的でした。
そういうわけで、コラート、おそらく一生のうちで二度と訪れることのない町と思いますが、おいしいジェラートとともに、わたしの中ではいい記憶だけが残りそうです。ロマネスクはともかくね。
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  1. 2010/06/19(土) 06:32:29|
  2. プーリア・ロマネスク
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

No title

急いでいたら迷惑だけど、いいですよね、そういう神父さん。
たしかに、私も、コラートって、名前も知りませんでした。
  1. 2010/06/19(土) 10:03:00 |
  2. URL |
  3. ゆきーな #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

あ、やっぱりゆきーなさんも知らないですよね。そりゃ知らないわな。ただの町だし。
何もわざわざ行かなくても、という教会ではありましたが、この神父さんとの出会いが楽しいものだったので、やっぱり行ってよかったような気がしています。
  1. 2010/06/20(日) 21:34:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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