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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

プーリア・ロマネスク、その11

ブリンディジ1
今回のプーリアの旅、バーリ北部近郊制覇、が目的でしたが、一つくらいはちょっと離れた場所も行きたいな、と思っていて、選んだのがブリンディジ。鉄道でアクセスできるし、町は鉄道駅から徒歩圏内だし。
その上、三つほど、ロマネスク的には重要であろう、と思われる教会があります。というわけで、目的地としてはかなりパーフェクト。

町で最も重要なのは、おそらくカテドラルですが、バロックなので、はなからパス。ただし、あとからガイドブックをよく読んだら、中世のモザイクがちょっと残っていたんですね。最初からしっかり調べろ!って感じです。というわけで、本当は行くべき場所が四箇所あったのでした。

まずは、ロマネスク的には、最も重要かと思われる、サン・ベネデット教会です。


一見、小さいくて超地味で、なんかアラブ風?みたいな雰囲気もあるし、なんでこれが重要なんだろう、と思ったりするのですが、実は実は、お宝が隠されているのです。そして、隠されていないところも、楽しいんですよ。
まずは、南壁面にある入り口周囲の装飾。


アーキトレーブのレリーフ、すごくかわいいです。狩の場面を描いたものらしいです。そしてもっとかわいかったのが、


これ。扉の周囲を囲んでいる組紐装飾なんですが、組紐モチーフの中に、とても小さな動物や植物が等間隔ではめ込まれているんです。このタイプは初めて見ますが、とても独創的。とにかく、かわいらしい、ということに尽きます。今まで見てきた様々な組紐装飾バリエーションの中で、わたしの中ではトップクラスです。

さて、この素敵な扉から、中に入ります。
内部は、後代にかなり手が入っていて、構造はロマネスクのままながら、全体の印象は、あ、ちょっと、というものなんですが、幸い、ロマネスク時代の柱頭が、いくつか残されています。高い位置にある上に、相当暗いので、撮影には厳しい環境でした。


なんか、大味でユーモラス。ポルタイユ周りの装飾とは、方向性がちょっと違うかも。

そしてここで見逃してはいけないのが、キオストロです。これは調べてないと、うっかりしちゃいます。


教会の外見が地味なように、キオストロも地味です。でも、雰囲気ありますよ。こじんまりとしていますが、円柱がほっそりと優美でしょ。
この円柱が支える柱頭を見て、あ、やっぱり!って思ってしまいました。


どうです、これ。ぷぷぷっ。おかしいですよね。こんなのが並んでるんですよ。ライオンなのかな、一応。
やっぱり全体に大味なおおらかな感じ。
ブリンディジ風ってことになるのかな。バーリ北部とは、明らかに違いますよね、装飾の傾向が。
このあと紹介する教会を見ていただいても、ブリンディジは、ちょっと調べたくなりますよ、装飾が面白くて。
ということで、次回を乞う御期待。
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  1. 2010/06/21(月) 05:32:18|
  2. プーリア・ロマネスク
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  4. | コメント:1
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コメント

No title

ロマネスクの動物ってユーモラスでゆるい感じがいいですよね。
最後のライオンが超笑えます…。
ホント想像だけで作ってるんでしょうね。
  1. 2011/12/03(土) 08:39:00 |
  2. URL |
  3. さちぞう #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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