事前にネットで情報収集したものの、フォリーニョから相当近いのに、バスの便はかなり少ないし、でも歩くには遠すぎだし、結局いけないのかな~と危惧しておりました。でもフォリーニョの観光案内所で、あっさりバスの時刻表をもらって、あっさりといけることが判明しました。とは言え、便数はかなり限られるので、不便であることには変わりはありません。
ここは、中世の村がそのまま残されているような、そういう土地。実際、年に一度、村の人たちが中世の衣装を着て、中世の生活を繰り広げるというお祭りがあるようです。そんなの聞いたことあるけど、ここだったんだー!って感じでした。
お目当ては、村の中心シルベストリ広場にある、二つの教会です。
まずは、シルベストロ教会堂。ファサードは愛想のないのっぺらぼうですが、鳩の糞まみれで、ちょっと荒廃?っていう感じの重い木の扉を開けて一歩教会に足を踏み入れれば、そこはもう別世界です。
イメージとしては、深い森?深海の底?そういう感じです。広くもないスペースなのに、やたら太くて立派な円柱が林立し、そして天井が高い。小さな窓から差し込む光の効果がすごいのです。でも遠い。それで、森とか深海の匂いが…。いや、というよりも、これ鳩の糞のにおい…?
一段、というかかなり高く持ち上がっている内陣の下にはクリプタがあります。そこはまたさらに太い円柱に支えられていて、どっしり、がっしり、じんわり、っていう感じ。この写真です。まさにロマネスク。ロマネスクを理解するにはうってつけの教会ではないかと思います。
村には、ちらほらと観光客の姿が見られますが、団体はいないし、とにかく数は少ないので、教会は独占状態です。田舎のロマネスク教会では、他に誰もいない、という状況はまま遭遇できますけど、人がいないというだけでは、必ずしもトリップできるわけではないんですよね。ここは、かなり飛べる条件がそろっていると思います。
そして、同じ広場の向かいにあるのが、サン・ミケーレ・アルカンジェロ教会(大天使ミカエル教会)。
こちらは、ポルタイユを飾る柱頭彫刻がすばらしいのです。
大天使のフィギュアと思いますが、表現力が独特。とても力強くて、大天使というより、力士とか修験者とか山伏とか、そういうイメージです。変ですけど、マジ、このごつい手は山伏でしょ。
こちらの教会は、シルベストロ教会に比べると、すごく修復がピカピカ状態でされていて、美しいけど、あまりにも漆喰白すぎ、と思いました。ロマネスク時代以降17世紀にかなり激しく手を加えられてしまって、やっと1950年代に、オリジナルの姿を取り戻す修復がされたということなので、仕方ないですけどね。こちらも、クリプタはよいです。かなり洗練されているのだけど、シルベストロ教会と趣向が違っているので、とても面白いです。
中世のおうちがかなりそのまま残っていたり、また驚いたのは、ローマ時代の円形競技場が、一部民家になっているのでした。ぶらぶらしたあと、メインストリートにあるレストランでランチをいただいたのですが、これは今回の旅の中でも特筆するくらいおいしいご飯でした。というか洗練されている?内装もかわいらしかったし、料理が凝っていて、田舎なのに!とびっくりです。そうそう、ここで初めて、ウンブリア特産のパスタをいただきました(Sgozzinoみたいな名前でしたが度忘れ)。シエナのピチ系統のパスタだけど、硬質小麦と水だけで打っているそうで、しこしこ感が、うどんのような。辛いトマトソースでいただくのが基本で、これがまた夏にぴったりで、このあと、どこでもパスタはこれを食べ続けました。なんといったかな。各地で異なる名前を使ってました。
石好き系ロマネスク派の方は、是非訪れるべき町。車の旅だったら、フォリーニョなんかに泊まるよりは、こういうところに滞在したいものです。
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- 2008/10/30(木) 06:09:50|
- ウンブリア・ロマネスク
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| コメント:2
おおサン・ミケーレ・アルカンジェロの修復が終わったんだ。私のときもほあぐらさんの時も修復中で入れなかったのに。ここ、素晴らしいでしょ。この町は私も大好きです。
- 2008/10/31(金) 09:08:00 |
- URL |
- クリス #79D/WHSg
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おお、そうなんですか。じゃあ修復が終わったのは、かなり最近なんですね。今回ウンブリアでは修復で泣いたことはなかったので、ラッキーだったですね。
- 2008/10/31(金) 23:26:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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