バーリ5
トスカーナを楽しみにしている方には申し訳ないんですが、まずはプーリアを終了させてくださいね。
バーリの、マイナー・ロマネスクを紹介しときます。
まずはサン・マルコ。旧市街のど真ん中、カテドラルとサン・ニコラのちょうど中間くらいにあります。住宅地が密集している地域に、ひっそりとたたずんでいるかわいらしい教会。教会前は、猫の額ほどの広場で、それが地域の癒しの空間になっているのかもしれません。だって、ここらは本当にすき間もなくびっしりと建物が並んでいて、見通しもほとんどないんですから。
でも、教会そのものは、かなりきれいに修復されていて、11世紀創建の気配はあまりないですね。
美しいバラ窓。
そして、サン・ニコラのお隣にたたずむ、サン・グレゴリオ。
美しい後陣。ほっそりとしていて、縦長ですよね。10世紀創建というビザンチン時代の古い教会です。今の建物は、12世紀のものなので、それで完全にロマネスクになっていますけれど。
正面に回るとこんな感じ。とても狭い路地に面しているので、全容をつかみきれません。そして、かなり汚れがひどくて、教会も開いている様子はありませんでした。でもね、ディテールはかわいらしいし、これ修復されたら、とてもよいファサードになります。十年位したら、もしかしたらとても素敵に変身してるかもね。
ファサードの上の方は、ちょっと変わったこういう形。飛び出す絵本状の彫刻も、やたら作っちゃったので、とりあえず並べよう、みたいな感じでどかどか置かれていて、面白いですよね。
もう一つ。
ヴァッリーザ教会。ここは、ガイドブックにも全然出てなくて、旧市街を歩いていて、ふと目に付いたんです。でも、実はこの教会を見て、初めてプーリア・ロマネスクを実感したんですよね。というのも、ここって、広場の一角にぽつんと後陣だけ見せている地味さなんですけれども、小さくて、全体が見られるサイズじゃないですか。白い切石積み、黒っぽい屋根瓦、あ、これプロトタイプだなって思って。
ここもまた、ファサード側は住宅街の小路に面しています。だから全体は把握しにくい~。
このポルティコは、結構古いものと思うんですけれど、どうなんでしょう。
バーリの小さな教会も、なかなか良いでしょ。サン・ニコラ、カテドラルもいいけど、こういうマイナー・ロマネスクもきれいに修復して見せてくれたら、楽しいんですけどね。っていうか、ロマネスク的にはプーリアはかなり重要な地域なのに、ロマネスクを全く売りにしていなくて、資料もほとんどなくて、それはがっかりです。南イタリアは、工場とか誘致するより、観光に力を入れれば、絶対にもっとすごい産業になるのに、と昔から思っているのですが、シチリアが結構がんばったわりに、本土の南は、今ひとつなんですよねぇ。もったいないよな~。
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- 2010/07/27(火) 04:45:22|
- プーリア・ロマネスク
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Bariは昔ギリシアに渡る時、通っただけで記憶があまりないのが残念です。南イタリアはポテンツァを観光しました。
- 2010/07/27(火) 08:37:00 |
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- たかし #79D/WHSg
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ポテンツァって、なんか渋い行き先です…。
バーリは、昔は旧市街は、地元の人でも入りたくないほど危険な場所でしたので、いずれにしても観光は難しかったんじゃないかと。
- 2010/07/27(火) 20:53:00 |
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- corsa #79D/WHSg
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アハハ、渋いっすよね。イタリア人にポテンツァ観光したと話すと表情が変わるのが楽しいです。
- 2010/07/27(火) 21:02:00 |
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- たかし #79D/WHSg
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おっさんなんで、朝早いんですよ。駄目ですね。眠りが浅くて。4時前には起きてますよ。疲れているので、もう少し寝たいのですが。
ヾ( ´ー`)
にんげん、爆睡できるうちが華ですね。
- 2010/07/28(水) 08:35:00 |
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- たかし #79D/WHSg
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サンマルコのバラ窓には負けちゃうけど、うちのボスカイオロ小屋のファサードにも手作りバラ窓ありますよ。アナーキな天然サワラにステンドグラスですが。うちのブログにアップしときますか~?なんちゃってバラ窓ですが。
(^_^;)
- 2010/07/28(水) 08:46:00 |
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- たかし #79D/WHSg
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遊びに行きますんで、是非バラ窓アップ、よろしくお願いします~。
手作りって、かっこいいです~。
- 2010/07/28(水) 20:36:00 |
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- corsa #79D/WHSg
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里研さん
おお、イタリアにこられるときには、是非のみましょう~!
ギラギラも嫌いでなければ、バロックも結構?
思い切って飾りまくるっていう発想は、間違ってはいないと思うんですけどね。デコトラ…。ふふふ。
- 2010/07/29(木) 20:51:00 |
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- corsa #79D/WHSg
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corsaさん、今日の朝刊に251億ユーロの歳出削減の法案がイタリアで可決されたとの記事がありました。これが有名どころの大聖堂の補修はともかく、これから小さな街や村の教会やお堂のレスタウロにも影響が出てくるのではないでしょうか。昨年、20年ぶりにイタリア訪問時、閉鎖したような小さな教会をたくさん見ました。また、カトリック信者が減っているため、補修財源を含めてどんな方向に行ってしまうのでしょうか。イタリアの田舎の山岳都市がどんどん寂れていくのでしょうか。石の文化とは言え、屋根の垂木、梁、桁は木ですから、締め切っていれば屋根が抜けてしまいます。実態はどうなのでしょうか。
- 2010/07/30(金) 02:36:00 |
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- たかし #79D/WHSg
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里研さん
どうなのかな。イタリアは、政治と生活がかなり乖離しているとこありますし。教会については、政治よりやはりバチカンですし。バジェットが厳しいのは、もう随分前からみたいですよ。
ただ、なんだかんだいってもキリスト教は、生活にしみこんでいるので、信者もそれなりにいますし、ミッションも活発にやっているし、政治で何があっても、影響の出るのは、最も薄く遅い分野かもしれません。
実際、今回トスカーナの田舎の教会が余りに立派で、美しく保たれているのには、本当にびっくりしたんですけれど、やはりその土地の人々、そしてその教会に赴任した司祭さんのやる気に、かなりの部分負っているんです。
- 2010/07/30(金) 21:11:00 |
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- corsa #79D/WHSg
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