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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

ルッカ、見残しの教会、その1

って、変なタイトルですが、今回展覧会のために訪ねた際、急ぎ足で、二つほど教会を訪ねました。
ルッカは、昨年訪ねて、その成果をつい最近サイトにまとめたばかりですが、まとめながら、いろいろ思うわけです。たとえば、中が見られなくて残念だった、とか、そういうことなら、もうちょっとしっかり見とくんだった、とかそういうこと。
最もそういう風に思わされたのが、サンタレッサンドロ教会。
これです。


おお、相変わらず地味な佇まい。このサンタレッサンドロは、ガイドブックでもほとんど記述がないし、というより、普通の観光ガイドでは、まず触れているものはないような教会です。ロケーションは、サン・ミケーレからも近く、かなり町中なのですけれど、それでも相当居住ゾーンぽくて、この周囲には観光客はほとんど来ない、そういう場所。
だけど、サイトのために調べていたら、ここはルッカの教会のプロトタイプであるという定義なんですよね。
ただ、わたしが訪ねた昨年は、時間にかかわりなく、あいている様子はなかったのです。

ところで、今回行ってみると、あれ?扉がわずかに開いているじゃないですか。
思わず覗き込んでみると、思いっきり工事中で、扉のすぐ内側に、「工事中、立ち入り禁止」の柵が置かれていました。
すかさず、覗き込みます。


とても典型的な伝統的なロマネスク様式です。美しい小ぶりのアーチ、交互に並べられた角柱円柱に分割された三身廊。柱頭は、ちょっと気になりますが、感じとしては、ローマ時代のものの転用でしょうか。
6倍ズームで無理やりアップ!


植物モチーフ。転用、またはロマネスク当時のものの可能性もあり。もう少し明るいとよかったんですけれど。上のほうの壁には、人の頭のフィギュアっぽいものも、写真には写っていました。

正面奥に見える後陣には、モザイクがあるようでした。聖母子みたいです。
ロマネスク風ではなかったので、おそらく後代のものですね。古い時代に、後陣に聖母子、はないですよね。



一応工事中。でもすでに十分きれいに修復されているので、おそらくもうしばらくしたら修復完了ということで、普通にオープンするんだと思われます。ちょっと先取り、得した気分になりました。
もしこの内部撮影が重要そうだとしたら、サイトに追加してアップデートしますね。いつか…。

ルッカのロマネスク、改めて確認したい方は、こちらでどうぞ!
ロマネスクのおと
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  1. 2010/11/25(木) 05:58:18|
  2. トスカーナ・ロマネスク
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

No title

私も実は素朴なシンプルな教会が大好きです。
スペインの田舎町にも沢山点在していて、不思議と懐かしさすら感じます。
私は個人的には無宗教ですのでその真髄のようなものは分かっていませんが、ローマの豪華絢爛な教会を見るよりも何となくそういった素朴な場所がその宗教の本質があるような気がするのかなぁ・・・。
うまく説明できなくてすみません!
決して清貧がいいとかそういう話ではなくて・・・ですね、静かで穏やかで優しくて・・・・というものが皮膚感覚で伝わってくる建築はいいものだなと思います。
イタリア・・・・・素敵ですね~!
  1. 2010/11/25(木) 06:49:00 |
  2. URL |
  3. はなさん #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

ようきちさん
まぁ、こんなところにいきなりコメントをいただけるなんて、ありがとうございます。
実は、わたしがロマネスクに目覚めたのは、カタルーニャの田舎なんですよ。あそこには、発祥の北イタリアに近いというかそれ以上に素朴でシンプルな教会がたくさんありますからね~。
そうそう、わたしも思いっきり無宗教です。でも、(おそらく)ようきちさんが感じられているように、宗教の本質みたいな物を感じられるのは、山奥にぽつんとあるような小さな素朴な教会だったりするんですよね。
  1. 2010/11/25(木) 22:18:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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