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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

ミラノ、展覧会Velasco Vitali

また、わたくし得意の無料展覧会。つくづくまめにチェックしとかないと、と思います。無料だからって、全く侮れない質の高い展覧会、結構あるんですから。実際、今回のこのイタリア人アーティストの展覧会も、「ほんとに無料でいいんですか?」と申し訳ない気持ちになるくらいのものでした。


ミラノ上陸、というタイトルの展覧会。会場は二つ。まず最初に見るべきなのが、この中央駅前の広場に据えられた、巨大作品。これは、まさに「上陸」というタイトルで、前後に二人下半身だけ見えて、ひっくり返った船をかぶっています。旅の始まり、途上、そして終わりをあらわしているとか。ふむ。アイデンティティのない人のフィギュアは、ブロンズ製で、なんかこう、あいまいな感じを表して。誰でもあり、誰でもない、みたいな。ほぉ。で、これを見る人たちに、この人たち誰?どこに行くの?このひっくり返った船は何?とかそういうことを喚起するのではないか、と。
かなりでかい作品で、中央駅とのコントラストがよい感じで、わたしは好きでした。実はこれ、先日超早起きしてお出かけした日。夜じゃなくて朝なんですよ。なんか船の銀色メタリックな感じが、昼よりもいい感じで。
そして、次は、ドゥオモの脇にあるレアーレ宮に移動して、「群れ」。


これ、写真が全然うまく撮れてないんですけど、衝撃的にかっこよかったんですよ。


この会場、もともと王宮ですから、比較的小さめの部屋が次々と続くつくりで、その部屋ごとに、犬の群れがたくさん。素材は鉄、セメント、ブロンズ、いろいろ。大きさは、大型犬くらいで、すごい迫力。照明は暗めにしてあるので、部屋に入る度に、ドキッとします。全部で60匹。群れ同士で戦いが始まりそうなシーンとか、路地裏で休んでいるやつとか、要は生き残りを探る野良たちの姿。すっごいなぁ、しかし。うまい。
そして、同じ会場で、巨大なスケールの絵。「待機」。


なんか、船と犬と、つながりが分からないな~、と思っていたんですが、あとでパンフレットを読んだら、これ、画面中に点のように散らばっているのは、ちっさい人のフィギュアなんだとか。個人、集団、男、女、子供…。数限りない人の姿。あ、群れ?旅を待ってる?
そして締めは、王宮前の広場に置かれたこの子。「Kitezh」


金色メタルの大型犬。すっごくかわいいんです。この箱も合わせて作品みたいなんです。この子は、群れのリーダー。名前はKitezhです。ほんとだったら、この台の上に載って、群れを統率する役目を担っていたのに、もうそういう時代は終わってしまって、地面に一人座っていると。
とってもストーリーがあって、印象的で面白いのでしたよ。お勧め。って、行ける人はほとんどいないでしょうから、残念。

Velasco Vitali
Sbarco a Milano
Stazione Centrale + Palazzo Reale
13/11/2010 - 03/12/2010
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  1. 2010/11/29(月) 05:45:36|
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コメント

No title

良い展覧会を紹介してくれて、どうもありがとう!
最終日の今日、行ってきました。
迫力ありました。しかも、無料だなんて、太っ腹ですね。
これからも、展覧会情報、楽しみにしています。
  1. 2010/12/03(金) 15:33:00 |
  2. URL |
  3. さくらこ #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

さくらこさん
おお、これ見ていってもらえたなら、なんかうれしいです。
犬の迫力、結構ですよね!
  1. 2010/12/03(金) 22:27:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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