やっと晴れ間が見えてきました~。お天気が悪くて、ずっとどこにも行けないでいたのですが、この週末は、月曜祝日で三連休なので、絶対に車を出さなければ、となんか追い詰められた気持ちでいたんです。というのも、イースターにパドヴァに行ったくらいで、この2ヶ月ほどロング・ドライブしてないんです。せいぜい週末に、近所のスーパーに行く往復4キロくらい…。で、素人考えではバッテリーが心配で仕方なかったんですよねぇ。
で、休みだというのに8時に起きて、ピエモンテのロマネスクを訪ねる半日ドライブに出かけました(なぜ半日かというと、午後からはモトGPのテレビ観戦をしなければならなかったからです)。
目的はロマネスクの教会めぐりで、行き先はオレッジョ、そして時間があればその近所のいくつか。距離にしたらたいしたことないし、ViaMichelinで見ると、1時間程度(ということは、私の運転なら1時間半くらい)。高速料金節約で一般道を利用して、途中2回思いっきり間違えましたが、間違えながら、「ああ、絶対間違ってるじゃん」と気付くタイプの間違いだったので、すぐに戻って傷は浅め。しかし、必ずどこかで間違えるっていうのはどういうことなんでしょうね。今回なんて地図で見ても、走っていても、これは簡単だわ、これでは間違いようがない、という道だったのにですよ。まぁつまりそれが方向音痴であるということなんでしょうが、なんかわがことながら納得できないものです。
予定通り、ほぼ1時間半後、無事にオレッジョに到着、この辺が町なんだろうな(田舎町って、どこが町の中心部か分かりにくいことがよくあるんです。時として、隣町だったということもよくあります)、というところで、目に付いた道端のオヤジに、教会があるという墓地の場所を尋ねました。かなり明確に教えてくれたので、全く迷うことなくたどり着くことができました。墓地だけに駐車場もしっかりあるし、日曜だったせいで、参拝客も結構いて、さびしいこともなかったです(田舎にロマネスクの教会を訪ねるときよく思うのですが、ある週末、東洋人が、特に観光地になっているわけでもない地元の教会、それも古臭くてカビの生えたような、時として現役として使われていることもないような教会を訪ねて、わざわざ一人で車に乗って来ている、というシチュエーションは、私がたとえば道を訪ねた人なんかは、どう感じるのかな、と。イタリア人は何でもあるがまま受け入れる人たちですから、特に何の疑問も感じたりしないのでしょうけど、逆の状況-日本の東北とかの土田舎で、アフリカ人が、古い廃寺の場所を尋ねる-を考えたりすると、妙におかしくて、ほくそえんでしまいます)。
訪ねたサン・ミケーレ教会が、墓地の中にあるというのは知っていたのですが、しかしこれほど「中」とは。ちょっと驚きました。本当に、お墓に取り囲まれているのですから。今は墓地のスペースが広がっているんですが、オリジナルの墓地のスペースで見れば、まさにど真ん中。教会と墓はつき物ですが、でも、ロマネスクの教会だと、継続的なミサには使われていない場所も多いし、またミサは行われても、墓は同じ場所にないところの方が多い気がします。このサン・ミケーレは、千年前のものだというのに、今も思いっきり現役で使われているわけで、珍しいです。教会で葬式ミサをやって、そのまんま、教会脇の墓地に埋めたりするんでしょうねぇ。分かりやすいです。
教会は、実はさして期待していなかったのですが、とても素敵でした。建物そのものが、とても愛らしい。煉瓦と普通の石が交じった外壁で、煉瓦壁って、時としてあまり好きじゃないのですが、ここのはとても感じよいのです。盲アーチや付け柱が、煉瓦と普通の石が交じっていることで、妙に素朴で威圧感がありません。内部も、これまたよいのです。構造的には、ガッリアーノのサン・ヴィンチェンツォに似ているかもしれません。内陣が階段数段分高くなっていて、その下に素朴なクリプタがあるところとか、内壁がフレスコ画で飾られているところとか。きっと鐘楼もあったに違いありません。
あまり素敵なので、早く写真を整理したいものです。内部にはたくさんフレスコ画があり、その多くがロマネスクの時代のものらしいし、これまたちょっと資料を集めて、勉強したいですね~。
Author:Notaromanica
ミラノ在住で、ロマネスクが大好きで、主にイタリア、フランス、スペインを回っています。