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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

パレルモ、その1

お待たせしました。いよいよシチリア中世シリーズ開始です!
まずはパレルモから、じっくりと行きましょう。

サント・スピリト教会(またはヴェスプリ教会)。

さて、玄関のミラノから、常春のようなシチリアに着き、ホテルに荷物を放り投げた朝10時過ぎ、わたしがまず向かった先はどこだと思いますか?分かる人は絶対いないと思うんです。
なんと、墓地です。


というのも、勿論墓地の中に目指す教会があるからなんです。
でも、ホテルの人、さすがですね。
「あのぉ、オルソラ墓地に行きたいんですけど、どうやって行けば…」との質問にも全く動じず、にこやかに道を教えてくれました。勿論、外人だって墓地に用事のある人はいると思うけれど、そして中世をやっていると、墓地の中の教会を訪ねることも多いので、道を尋ねた相手が動じないというのも慣れてはいるのですが、当たり前のように対応されると、ほぉ、と毎回思ってしまいます。

さて、そのオルソラ墓地は、パレルモの中央駅から徒歩15分ほど。かなり街中ではあります。それなのに、とても広大な敷地を占めていて、また緑も多く、公園のような美しい墓地でした。
日曜日ということもあったとは思いますが、実に多くの人が墓参りに来ていて、墓地の前の花屋は大繁盛。大体、花屋の数も、ミラノ市中の墓地とは全然違います。やっぱり信心深いんですかねぇ、この辺りの人々は。
道を訪ねたまま、わたしも行くところだから一緒に行きましょう!といってくれたおばあちゃんは、毎週5つの墓を回るから、もう、大変なのよ、みんなばらばらの場所にあるし、と嘆きつつもうれしそうに話してくれましたとさ。毎週5つの墓参り。すごい。

わたしが目指すのは、墓地の真ん中にあるサント・スピリト教会。


墓地そのものがオープンしていないとアクセスできない可能性もあったので、それで、かなり確実に開いていそうな日曜日の朝、一番で訪ねたというわけです。まずは大正解。墓地は、午前中しかオープンしていないし、その上、これだけ広大だと、クローズしていた場合、外から外観だけ見ることも不可能ですから。
でも、残念ながら、ミサの最中でした。

で、まずは外観をじっくりと鑑賞。
遠目には、ロマネスクの教会というイメージながら、近寄ると、アラブの影響がくっきり。ああ~、シチリアだ~、といきなり、はるばるを旅してきたことを実感しました。


この、窓の透かし彫り、とってもイスラムですよね。すべての窓にはめ込まれていて、どれもモチーフが違っていて、とてもきれいです。日が差すと、このモチーフの影が、美しい模様を作り出すんでしょうね。
窓の周りは、二色使いの石装飾ですが、そこもなんとなくアラブ風なイメージです。
後陣もこんな感じで、明らかにロマネスクなのに、アラブ。細かいモチーフが、センスあると言うか、すごいんですよねぇ。



外観をじっくりと堪能しましたが、ミサは終わる様子もありません。
幸い扉は開け放たれているので、中を垣間見ることは出来ます。とは言え、正面で司祭さんが説教しているのが見えるので、いくら扉の外にいるからといっても、あからさまに写真を撮るのもはばかられる雰囲気。
なるべく脇によって(つまり司祭さんの視線から隠れるようにして)、望遠で盗撮状態です。


内部は、かなり装飾の省かれた、石の質感どっしり、というシンプルなつくりで、わたしが好ましいと感じるタイプ。柱頭もなく、彫刻やフレスコもなく、でも、凛とした美しさがあります。身廊を分割する円柱も、どっしりと安定感がある太いタイプで、とてもバランスがよいのです。
遠すぎて、肉眼では分からなかったのですが、写真を見ていたら、内陣の天井部分は木で、びっしりと絵が描かれている様子が分かりました。


この天井画は、その後あちこちの教会で目にすることになります。北では、それがロマネスクの時代であることはほとんどないのですが、シチリアでは、かなりの確立で、その時代のものみたいですね~。これもアラブの影響みたい。細密画できれいです。
とにかく石積みの様子が美しいので、じっくりと近くから鑑賞したい気持ちもありましたが、時間的に制約のある旅だし、あれもこれも見たい気持ちで一杯なので、いつ終わるのか分からないミサを待っている余裕がなくて、残念ながら、ミサの終了を待たずに、さようなら。中を見ることが出来ただけでも、はっきり言って予想外だったので、一つ目のポイントとしては、期待を軽く上回る満足を得ることが出来た、というのもあり、足取りも軽く、次へ向かいました。

シチリア以外のロマネスクはこちらをどぉぞ。
ロマネスクのおと
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  1. 2010/12/16(木) 06:56:30|
  2. シチリアの中世
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

No title

ヴェスプリ教会にいらしたのですね。羨ましい。私が97年にシチリアに行ったきっかけは カルチャーセンターのキリスト教史で ノルマン王朝や 晩祷事件のことを習ったからなのです。 ツアーで見学予定になっていない ヴェスプリ教会、フリータイムにタクシーで行ったのに開いていない。 番犬を連れたおじさんが歩いているのに、あけてくれなくて とてもがっかりしました。 柵の外からかいま見ただけ。
中の柱 柱頭らしきものが ちゃんとなくて すぐにアーチにつながっているようですね。 面白いです。後陣は モンレアーレの簡易版みたいですね。ちょっと悔しい思いをしながら楽しませていただきました。
  1. 2010/12/16(木) 13:29:00 |
  2. URL |
  3. yk #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

ykさん
そんな昔にいらしているなんて、それだけですごいです。わたしはシチリアは今回3回目なんですが、前回は中世なんて全く眼中になかったので、こんな墓地を訪ねる日が来るなんて、って感じでした。開いている時間が限られているので、とにかく強行軍。ここも、とにかく日曜の午前中なら確率が高い、と一番で行ったんですよ。で、ミサだから…。でも扉が開いていたのは、本当にラッキーでした。次回、があれば、是非ゆっくり中を拝見したいものです。
中世探訪には、でも入れない、って言うのはつき物だから、仕方ないですね。悔しさ、分かりますよ!
  1. 2010/12/16(木) 22:34:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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