マルトラーナ教会 Chiesa della Martorana
さて、パレルモのモザイクの真髄に迫りますよ。
次は、旧市街の中心にあるこの教会です。サン・カタルド教会と仲良く並んでいるこの教会、外観はバロックなので、よもやこんな中世の宝物が隠れているとは、にわかには信じがたいようなとこなんですよ。
その上、私が訪れたときは、驚いた~。こんなですよ!
うへぇ~、修復かよ~、と一瞬がっかりしたのですが、ありがたいことに修復は外側中心で、中は、ファサードの裏側が足場で隠れていたものの、それ以外は鑑賞することができました。
ただ、ここ朝一番で行ったら(この教会は、パレルモでは珍しく8時からオープンしています)ミサの真っ最中で、午後一番に戻りました。朝一番で見ようと考えている方、まずはミサがあるので、行くとしたら9時半ごろがベターです。ちなみに、お隣のサン・カタルド教会は、オープンが遅いので、注意。
さて、アクセスは、建物の裏側に回って、もともとかなり狭い道を行くのですが、この工事の足場のおかげで、それが暗くますます怪しい感じでした。
しかし、一歩教会に足を踏み入れたら、黄金のモザイクに目を射抜かれます。
狭いだけに強烈です。凝縮されているというのか。
ここもまた、テーマは聖書のエピソードが、大変わかりやすく描かれているのです。
どの方も、お顔がとってもかわいらしかったり、また、あ、ああいう顔の人っているよね、みたいな親しみやすい感じだったり。
あきませんねぇ。次回は、双眼鏡持参で訪ねて、いやになるくらいにじっくりと隅々まで見たいと思っています。そういう歩き方は、「とにかくモザイクだけを見る」とでも決めないと、なかなかできませんよ。
ここで目に留まったのが、いや、ここだけではないんですけれど、教会が狭いので、目に留まりやすかったんだと思いますが、こういう主要なテーマが描かれている以外の部分。たとえば、こういう窓周りの装飾。
窓の内側までびっしりと、とても美しいモザイクで飾られています。こういう、もしかしたらほとんど誰にも見えない、見られることのないようなスペースまでもきっちりと手を抜かずに飾りまくるっていうのが、なんとも当時の経済とか、権力とか、そういうことを感じさせます。
今は、一部しかモザイクが残っていない壁もあるんですよ。
全部残っていたらどんなだったか、と思うと、残念ですが、しかし、この地の石積みだけでも、実はすごく美しいではないですか。
モザイクの技術的なことはよくわからないのですが、やはり、地がしっかり平らでないとだめですよね。そういう技術があって初めてできるもんなのでしょうかね。いや、美しい切石積みです。
シチリアの驚異のモザイク群。以前、写真集を買おうかどうしようか、迷った理由がわかってもらえるのではないかと。 そういえば、その迷った本は、あちこちのブック・ショップで山積みでした。最近行ったミラノの本屋でも山積みでした。やはり人気があるんでしょうね。そしてパレルモでは、肉眼で見た後で、ついほしくなっちゃう人もいるんでしょうね。 でも5キロくらいありそうですから、とてもとても旅先で買えるような本ではないですけれど。
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2010/12/24(金) 06:13:14 |
シチリアの中世
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