サン・カタルド教会 Chiesa di San Cataldo 昨日のマルトラーナのお隣にある教会。本当にすぐお隣なんですよね。ここまできっちりと横並びって言うのも、なんだかとっても不思議。もともと宗教的な場所だったということなのでしょうけれども。ただ、マルトラーナの方は、外観がすっかりバロックになっているだけに、一見、まったくしっくりしない眺めです。
このサン・カタルドは、屋根に三つかわいらしく並んだピンクのお饅頭が特徴で、起源はやっぱりアラブなんだと思います。
この四角くて、できる限り装飾しないって言うストイックな感じが、アラブじゃないですか。そしてここ、後代にもほったらかしだったんですよね、多分。そのおかげで、派手なモザイクはないものの、とても素朴な当時の建築をしっかりと味わえるんです。
中に入ると、思わず声が出ますよ、北イタリアあたりの素朴ロマネスク好きだと。
石積みの感じがとってもよいんですよ。
そして、北では絶対にお目にかかることのできない、窓を装飾する石のステンドグラス。って変ですけど、アラブのモチーフが石ではめ込まれた窓。これは、とってもきれいで、ステンドグラスよりも好きかもしれないなぁ。だって、外から見ても内から見ても、床に映った光を見ても、完璧にきれいなんですから。
そういえば、ローマの窓にも、ここまで凝ってないまでも、こういう石造りの装飾がはめ込まれている教会が結構ありましたが、もしかして、起源はここかな。
すべて石の質感であふれた教会です。
柱頭は、おそらく、中世というよりも、古代のものの流用が多い感じでした。
でも、これなんかは中世ですね。
この教会で、装飾として注目すべきは、床モザイク。
もう確信。コズマーティの起源はここですよね。アラブ。
全体が磨り減っていて、でも色彩は今でも鮮やかで、実にすばらしいものですよ。
とにかく、床も壁も天井も、注目すべきはモザイク。でも同時に、基礎にある建物そのものがすばらしいんです。ここの石積みも、本当に一見の価値があります。
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2010/12/25(土) 06:21:35 |
シチリアの中世
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