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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

モンレアーレ その3

モンレアーレ、まだまだ続きます。

いよいよ、本堂に突入!なんせ中にはいるのは二十数年ぶりとなりますので、すっごくどきどきしましたね~。


キラキラキラ…。あ~、やっぱり~!覚えていた眺めは、大げさじゃなかったんだ~、としばし呆然とたたずんでしまいました。

脇の扉から入ると、すぐの側廊部分は暗いのですが、ちょっと進むと、輝く黄金の後陣が出迎えてくれます。もちろん自然光ではなく、照明が当てられているんです。お金を入れなくても照明が当てられている教会って、そうないと思うんですよ。ここは、入場料を取るわけでもないのに、太っ腹ですねぇ、モンレアーレ。

さて、モザイクは、もちろん後陣だけではありません。
まず目を奪われるのは、身廊を分ける壁のモザイク。


すべてが黄金で、相当修復もしているのでしょうが、実に保存状態もよくて、とにかくすばらしいの一言です。
教会が堂々と大きいので、当然壁面も大きく、そのためモザイクで描かれているテーマも、全体にゆったりとしていて、とてもわかりやすいのもいいです。パレルモの街中にある、たとえばマルトラーナなども、同じように聖書のエピソードを描いているのですが、迫力が全然違います。かなり高い位置にあって、目からは遠いのですけどね。
そう、遠いので、写真を撮ると、どうしてもゆがんでしまいます。

最近、モデナの大聖堂でやたら勉強している旧約聖書。これはアダムとイブの楽園追放ですね。剣を持ったケルビムに追い出されています。アダムもイブもやけに筋肉質ですねぇ。


カインとアベル。モデナのカテドラルにある彫刻では、カインの棍棒が、アベルの頭を直撃する場面が彫られているのですが、ここでは定石どおり、その直前の図となっていますね。やはり絵とかモザイクだと、その瞬間を描くのはちょっと強烈過ぎるからかな。


アベルがつらそうな顔をしているけれど、カインは、してやったりの表情で、結構怖い絵です。
これは、エサウとヤコブのお話です。


うわー、このエピソードって知らなかった!兄弟の不和の話は、カインとアベルだけじゃなかったんですね。兄のエサウは左側で能天気に狩をしているんですが、その隙に、死にかけている父親をだますヤコブ。カインとアベルのエピソードだと、神の存在が前面に来ますが、こっちのエピソードは、ママのお気に入りの末っ子がうまくやってみたいな家族の話で、聖書にかぎらずって感じ。ただ、この後ヤコブは夢で天使に出会って、有名なヤコブの梯子のエピソードになるわけですね。

教会全体が、まさに絵で描かれた聖書そのもの。読むのが面倒な私としては、ここでじっくりと、聖書の勉強をしたいってな気持ちになりますねぇ。

ロマネスクはこちら。モデナのカテドラルの勉強が、こんなところでも役立って驚き。やはり聖書の知識は必要ですねぇ。
ロマネスクのおと
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  1. 2011/02/23(水) 06:05:05|
  2. シチリアの中世
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
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コメント

No title

凄いなあ、実物にふれることができて。

写真で見たことがあります。

聖書、興味深いでしょう、私も旧約もっとよまなくちゃ。
  1. 2011/02/23(水) 06:03:00 |
  2. URL |
  3. ガビィ #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

流石イタリアのパレルモですね、モザイクの色味の霊的な風合いが。
ゴシックの前期のものですか?
随想でもお書きになれば?
現場にお住まいになっておられる凄さを感じます。
  1. 2011/02/24(木) 13:30:00 |
  2. URL |
  3. 勝峰 昭 #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

ご質問の答えをわたしのブログのコメント欄に書かせていただきました。

文章が苦手で、自分の信じていることを文章化できないままに
しているので、質問されますと冷や汗ものですよ~。
  1. 2011/02/24(木) 13:53:00 |
  2. URL |
  3. ガビィ #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

"随想でもお書きになれば?“という意味は
出版なさってはといういことですよ。
ではまたお邪魔します。
  1. 2011/02/25(金) 07:26:00 |
  2. URL |
  3. 勝峰 昭 #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

ガヴィさん
丁寧にお答えいただいてありがとうございます。文章化、しっかりされていますよ~、すごくわかりやすいです。
聖書は、私はこのロマネスク・アートからの取っ掛かりでしか読んでないんですが、なんかこういう風に読み解いていくと、なんていうか、其れなりに奥が深いって言うのか、面白さを感じつつあるところなんです。エサウとヤコブは、結構ちゃんと読んでみたいな、みたいな感じで。どこまで行っても、ミーハーな興味で、ガヴィさんのような方には申し訳ないんですけれど。
  1. 2011/02/25(金) 21:31:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

elromanicoesさん
そうですね~、いつか、本を出せるような日が来たらいいですね~。まずは自分の視点とか確立していかないとなぁ、とか思っています。まだまだひよっこですからね~(笑)。その前に勉強だぁ!
  1. 2011/02/25(金) 21:33:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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