モザイクは、見ても見ても飽きることなく美しさにうっとりするものの、きりがないので、ちょっと視点を変えまして、アラブの影響かな、と思う装飾をご紹介します。
たとえば天井の装飾。
これ、蜂の巣状になっていて、やはり黄金がふんだんに使われていて、その上にはっきりしたたくさんの色が用いられています。遠目ではよくわからないのですが、人物フィギュアとかがミニアチュール状態で描かれていたりするんですよねぇ。これはイスラム美術でしょう、どうしたって。
側廊の方はこんな感じ。パレルモのマルトラーナとか、パラティーナ礼拝堂にも、確かこういう装飾がありました。
建物の隅々まで、ほんのわずかな隙もおろそかにしないこの装飾、とにかく呆然としてしまいますね。そして、黄金がベースになっているけれども、適度に渋くて、全体の雰囲気がしまります。
モザイクは、床面にもたくさん用いられていますよ。こちらは内陣の階段部分に施されたもの。
細かくて精密な幾何学模様は、やはりイスラムっぽいですね。
壁面にも。
白い壁にすっと縦のラインを走らせて、色彩の割にはごたごたしていないのが、センスあります。細かい丁寧な仕事で、聖書の物語のモザイクとは違う目で、やはり美しさには脱帽です。
この窓なんかもいかがでしょうか。
この、石の装飾の窓も、パレルモのいくつかの教会で見られましたが、ここで見ると、明らかにイスラム美術だなって思いますよえぇ。そういえば、ローマでも、もっとシンプルながら、こういう窓があったと思いますが、もしかして起源はここ?
そのときにも書いたように思うのですが、ステンドグラスって絶対ここから始まっていますよね。だって、この石の装飾だけでも、光が差すと、影が面白いことになるんですよ。
光といえば、最初に入ったのはランチの後で、午後も半ば。冬なので、日差しも弱くて、後陣部分以外は照明が自然光だけなので、上の方のモザイクはあまりよく見えませんでした。翌日は朝一番で訪れたのですが、明るい朝日の中で見るモザイクは格別に美しかったです。やはり、ここは夏の日盛りに訪れたいものだな、と思いました。夏なら、きっと、教会中が太陽光でさんさんと、ますますきんきらに輝いていることでしょう。
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- 2011/02/28(月) 05:34:52|
- シチリアの中世
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| コメント:2
私も、モンレアーレに行ったのは、冬だったんですよ。たしかに、夏の光が差し込んだら、きれいでしょう。
それにしても、すごいモザイクばかりですよね。また、行ってみたくなりました。
- 2011/02/28(月) 10:08:00 |
- URL |
- ゆきーな #79D/WHSg
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ゆきーなさん、こんにちわ!
わたしは、初めて行ったときが、確かパスクワのお休みで、結構遅い時期だったんじゃないかと。少なくとも今回よりは春に近かったと思います。
ここに限らず、イタリア、特に南は、やはり夏に行ってこそ、という気がします。
- 2011/02/28(月) 21:18:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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