不動産屋に呼び出され、問題があるので、売主ともども、会いたいから、ということで、会社をそそくさと出て(家探しを始めた9月末から、ずっとそそくさ状態が続いていて、少々心苦しい…)、不動産屋へ。不動産登記所への登記は無事行われ、不動産台帳の修正は通過。でも、売主は、長年にわたって届出を怠っていたわけですから、そのポジションを、過去に遡ってきちんとするために、”恩赦”の制度を利用する必要があり、それで決められた規定の金額(罰金ですね)を支払わなければ、法的に登記が終了しないとのこと(恩赦の制度は、特に税法上しょっちゅう実施される、おそらくイタリア独特の制度。税金未納や支払不足などの不正を、一定の金額を一時に支払うことで、不正そのものの規定違反を問われることなく、過去に遡って修正できる制度。国や自治体にしてみれば、手っ取り早く収入が増やすことができ、納税者にとっては、下手すると数年後に、いきなり不正を問われ、その数年分の延滞金なども取られる心配がなくなるので、それなりに両者にとって、メリットがあります)。
というわけで、ローン審査が無事通って、すぐにも不動産鑑定士が査定に行きます、という段取りだったのが延期せざるを得なくなり、正式契約も先に延びてしまいました。
でもわたし的にはかなり助かったのです。というのも、収入面で思惑が外れて、当初の予算よりも現金が1万ユーロくらい不足してしまっているので、正直超自転車操業状態になりそうなのです。正式契約をすると、その翌月からローンの自動引き落としが始まるので、自動的に、現在の家賃との二重払いで、生活費がどーんと重くなり、つまり生活苦になるのは目に見えているのです。なので、内装工事を少しでも早く終わらせて、賃貸と持ち家のコスト二重払い期間は少しでも短くしないと、本当に苦しいわけです。
なので、他の関係者は全員、年内に正式契約を目指していたのですが、わたしだけはひそかに、何とか来年早々…と思っていたんですよね。あ、これって祈りが通じた結果なのかな。やはり日ごろの行いかなぁ~(笑)!
さて、関係者会議の後、不動産屋を出たところで、売主とちょっと立ち話。というのも、彼が、必要な家具があれば置いていくし、と言ってくれたので、先日電話で、台所のガス代と小さな棚、居間のテーブルと椅子をお願いしていたのです。で、「あの話だけど」というので、「あ、ガス代と、云々」と確認したところ、「それは分かったんだけど、えーと、いくらくらい言えばいいのかな。」と、その値段のところは、とても優雅な、つまりこっちにはすぐには分からないような表現で言いました。これまで何回かあって、おしゃべりするにはインテリだし楽しい人だけど、金を持っていそうなのにせこいな、という印象はあったのです。だから、家具の話があったときも、おそらくただではあるまい、とは予想していたのだけど、そのときまでお金の話はおくびにも出さなかったので、ひょっとして?とちょっと期待していたんだけど、やっぱり、で一瞬にしてがっかりしました。
でもお金の話が苦手な典型的東の日本人なので、そこで、「え、ただじゃないの!?」とか言えないわたし。「あ、ああぁ、あまり高いと買えませんよ…」なんて、買えないというより買う気はないくせにそんな発言でお茶を濁し、「そしたら大体350ユーロとおもっていたんだけど、どう?」「はぁ、ではちょっと考えてから電話します」と別れて、分かれた途端、ちくしょー、とかつぶやいていました。
すごくビミョーな値段設定。というのも、新品のガス台がちょうどそのくらいするんです。でも中古なんだし、机と椅子だって、ただならもらっとくけど、という代物。結局断ることに。
金を持っている人というのは、やはりどういうときでもしっかり稼ごうとするんですねぇ(おうちに何千万と払う人から、350ユーロ搾り取るってすごいですよ、冷静に考えると)。しかしわたしがああいう人の妻だったらどうよ?と思っちゃいました。ああいう人って言うのは、大体似たもの夫婦だから、夫婦そろって同じ感覚なのでしょうけどねぇ。って言うか、感覚違ってたら、とっくに離婚してます。
なんかこういうことがあると、ちょっとがっかりします。結構インテリだし、楽しい人だな。今後これがきっかけで友達になれたら、それはそれで面白いかも、くらいに思っていたのに、なんだか人の顔をみた途端、「How are you...(このあとイタリア語)あ、ごめんなさい、つい職場の感覚になっちゃって。」とか英語で言うのも、なんだか似非インテリじゃん、みたいないや~な感じで、印象が全く変わってしまいました。とにかくお金にせこい、汚い人は大嫌いなので。
家具などすべて取っ払った方が、内装工事もやりやすいはずなので、いっそ、せいせいしましたが、しかし、資金繰り、さらに辛いことに。ふぅふぅ。
ま、なんとかなるでしょ!
内装工事の業者も決定。年内にもう一度アパートに行って、細かい話をするのかな。
これからは、週末ごとに家具探しに奔走しようと思います。かわいい冷蔵庫、どこに行けばあるのかなぁ。
Author:Notaromanica
ミラノ在住で、ロマネスクが大好きで、主にイタリア、フランス、スペインを回っています。