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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

モンレアーレ その12

今度はミャンマーらしいですね。日本の地震とは無関係という話ですが、そうなんでしょうか。かなり被害が出ているようで、心が痛みます。
リビアも、なんだかどうなってしまうのだか。直接巻き込まれているはずのイタリアですが、ミラノは地理的にも心情的にも遠いのか、とても落ち着いています。

こんな状況で、何もないかのように日常を送ることも、どうなんだろう、と常に逡巡してしまいますが、でも、仕方ないので、日常をやってみます。

キオストロ、最後は北回廊です。

サムソンとデリラのお話が、ひとつの柱頭をぐるりととりまいています。


旧約聖書のお話は、結構お話として面白かったりするので、当時の人は、こういうものを見て、うんうん、サムソンだね、なんて面白がっていたのか、または、宗教的に真摯に受け止めていたのか、どうだったんでしょうか。

こちらはまた、変わったモチーフ。


これ、アダムらしいんですよ。一人でいる図なんて、とても変わっています。この同じ柱頭のほかの部分に、イブも一人でいるようです。一人でいることに飽いて、絶望的な様子が彫られているとありますが、確かにアップで見ると、哀しそうな顔をしています。それにしても、他の回廊部分とは、確かに作者が違いますね。

旧約聖書が続くかと思いきや、また面白いモチーフ発見です。


これ、樫の葉っぱが風でわさわさ揺れている状態と、蜂の巣。この二つで、甘さや喜び、ひいては、聖母のシンボルである蜂の巣をあらわし、強調しているんだそうです。蜂蜜、甘さ…、結構直接的ながら、宗教的な感覚と、にわかには結びつかないかも。この、柏餅の葉っぱのようなオークが、妙な存在感です。

こちらは、ラザロの魂を、天使が天国に持っていく場面。


ああ、聖書のことに詳しくないので、旧約や新約や、あちこち見ないと話がわからなくて、今おろおろ、手持ちの本をあさっています。

あ、十字軍かな、珍しいなと思ったもの。


もちろんそういうわけはなくて、悪の破壊と平和の再生を表すシンボリックなモチーフだとか。盾は、神に与えられた防御のシンボルなんですってさ。「信仰という盾を、常に手にしていなさい」と神は言われたそうですわ。

なんかしまりのない終わりですが、こんな感じです。この回廊の面白さって、ちょっとはわかってもらえましたでしょうか。自分自身は、クローズにもめげずに翌日再訪した甲斐があった!と大いに満足しています。
全部の柱頭を撮影したくらいに思っていましたが、実際はそんなことなくて、いまさらがっかりしています。細部を見るには、肉眼より撮影したものの方が、よかったりしますしね。まぁ、おそらく、ここは、またいくことがありそうですから、よし。

ロマネスクはこちらでどうぞ。
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  1. 2011/03/26(土) 07:12:14|
  2. シチリアの中世
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コメント

No title

キオストリーノの人像唐草、どこかで見たと思ったらイギリスのリンカン大聖堂正面(1140年頃)でした。リンカンの写真をみると蔓に絡めとられているので、ちょっと違ったかな、とおもっていたら、このアダムは手が 蔓でおさえられているようですね。 イブもそうなのでしょうか。興味深いです。 横向きの葉も珍しいですね。
日本はまだとても寒くて被災されて避難生活をおくっていらっしゃる方本当にお気の毒です。それに原発事故が ゆゆしい状況で 日本はしばらく厳しい時代になりそうです。
  1. 2011/03/27(日) 17:11:00 |
  2. URL |
  3. yk #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

YKさん、イギリスの聖堂に、同じような図柄があるというのは面白いですね。アダムが一人って言うのは、初めてですけれど、実は意外とあるモチーフなのかもしれませんね。イブも、身体はもうちょっとふくよかですが、同じような感じで、彫られているようです。
YKさんは、大丈夫でしょうか。
遠くでこんなことを書いているのも申し訳ない気持ちになりながら書いてます。
  1. 2011/03/28(月) 21:32:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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