ロダン美術館。
今回、特に再訪したかった場所です。
ちょっと前に、ミラノ近郊の町でロダン展があって、わざわざ訪ねたら展覧会は結構しょぼかったんですが、それでも、久しぶりに出会った「接吻」に、遠い昔のロダン美術館で見た本物の「接吻」を思い出して、それはそれでうれしかったところで、まさかこんなにすぐ本物に再会できるとは思ってもみませんでしたね~。
でも結果的には、ここは、思い出の中においておくべき美術館だったのかもしれません。
なぜかといえば、思い出の中の、ロダン美術館じゃなかったから。そして、思い出の中にあるロダン美術館に再び出会うのは難しそうだと思ったから。
今思えば、なぜ、最初の(そして今回の訪問までは、最後の)パリ訪問で、時間に大きな余裕もなかったのに、どちらかといえばマイナーなロダン美術館に行ったのかは、覚えていないのです。ただ、モンパルナスに行きたくて、そして、かつて画家たちが通ったという有名なカフェでお茶を飲んでロダン美術館に行く、という道筋が自分の中でできていたのだけは覚えています。
そのとき訪ねた美術館は、誰もいなくて。もともとお屋敷を美術館にしているので、招かれた屋敷を一人でうろうろしているというような状況で、歩くたびにきしむ床板や、ふと窓から見えるパリ市内にしては広大な庭の緑や、そんなすべてを独り占めして、一つ一つの作品と、一人で対峙して、実に濃厚なロダンとの出会いをしたんですよねぇ。
でも、もはやそういう時代はないのか、または季節や時間を選べば今でも可能なのかは分からないのですが、今回訪ねたときは、チケット売り場で行列。お屋敷に入れば、満員。広大な庭でも、一人になれる場所はなく。
ざわざわする中で、多くの人が素晴らしいカメラを抱えて撮影する中で、とてもロダンとの対峙はありえず、ああ、いいときに来たんだなぁ、あの時、とつくづく思うのでした。あの経験があったからこそ、ロダンが好きになったんだろうし、今回もまた、訪ねようと思ったんでしょうけども。
とはいっても、パリに数多くある美術館の中では、やっぱりよい美術館だと思います。庭も素晴らしいし、全体の調和を楽しむ空間になっていて、これほどのスペースというのはなかなかないと思います。
朝一番とか、冬のさなかとか、そういうときに時間が取れる方には、是非訪ねてほしいと思います。わたしも次回は是非、冬の寒い中、観光客もほとんどいない時期にでも訪ねてみたいと切実に思います。
大好きなロダンのサイン。
えてして彫刻が得意な方はデッサンがよいのですが、この方のデッサンもよいのですよね~。裸婦、というか、春画みたいのを実は結構ものしていて、でも、それが一筆書きのようなさらりとした水彩画で、わたしは結構好きなのです。
どこかの美術館が持っているんでしょうが、めったに展覧会とかないですねぇ。この「本家」でも、やっぱり出会えませんでした。
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- 2011/04/28(木) 05:24:03|
- アートの旅
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| コメント:3
昨日、舞い上がってひどい誤字だらけで送信して反省しています。
ロダンの建物も好きですが、私の行った頃はもうだいぶ人が増えておりました。その日はカルトミュゼの1日券を買って意気揚々と出かけたのに、この美術館だけで足が棒、心も満タンになってしまったのでした。芸術家が心血を注ぎ込んだ作品と対峙するというのはこちらもそれなりの覚悟を持って当たらなければと思ったことでした。
- 2011/04/28(木) 01:05:00 |
- URL |
- otebox #79D/WHSg
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oteboxさん
そうですか、ロダン、人がいたんですね。やっぱりわたし、得がたい体験をしたんですね、きっと。得した気分になるな~。
ここ、カミーユ・クローデルの作品も結構あったんですよね、書かなかったけど。カミーユからは激しさ、ロダンからは静謐。でもそういうのって、ほんと、人がざわざわしているとこでは、無理。
- 2011/04/30(土) 22:24:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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Pさん
訪問ありがとうございます!メールさせていただきますね~。
- 2011/04/30(土) 22:24:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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